■客観説
「出損者をもって預金者とする立場」(潮見佳男『プラクティス民法 債権総論』〔信山社,第3版,2007年〕329頁)。判例・従来の通説。
ただし,最判平成8年4月26日民集50巻5号1267頁や最判平成15年2月21日民集57巻2号95頁,最判平成15年6月12日民集57巻6号563頁を契機に議論が為されている。
■主観説
「預金の出捐者が誰であるかに関係なく,預入行為者が特に他人のために預金する旨を明示しない限り,預入行為者をもって預金者とするもの」(潮見佳男『プラクティス民法 債権総論』〔信山社,第3版,2007年〕329頁)。
有力説。近時は,潮見佳男先生が主唱。但し,潮見先生は,従来の預金者の確定という文脈で直ちにこの見解を主張しているのではなく,「預金契約の類型的特徴と契約法理による当事者確定ルールとの調和をめざすという観点から」この見解を主張している。
次に述べる実務の取扱いは,基本的には潮見先生の見解とほぼ同じ。
■金融実務
■普通預金に関する近時の裁判例