【ストーリー論】ウマ娘のアニメ、ものすごく良くできてない?って話【第2期編④】
SHO+XENONです。
ド王道スポ根モノだった第1期に対し、ド王道スポ根モノの皮を被った【天才が運命にどんどん打ちのめされていく】物語である第2期。それでも折れない天才・トウカイテイオーは、ライバルの天才・メジロマックイーンといよいよ戦うことを決めます。天才vs天才、無敗vs連覇、帝王vs名優の対決は、どちらの運命をさらに過酷なものにしていくのでしょうか。そして、相手はメジロマックイーンだけではなく、次々と強力な存在が現れます。彼女らはどのように立ちはだかるのでしょうか。
アニメ:
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Ep.4-1 冒頭・大阪杯
ターフに帰ってきたトウカイテイオー。大阪杯ではチーム・カノープスのイクノディクタスも出走することになっており、対決することになっていました。
「まともに勝負しても勝ち目はありません。テイオーが追いつけないほど逃げ切るのです」
応援に駆けつけたカノープスのメンバーは、いつもの緊張感のない雰囲気を醸し出しています。
今回の出走者の中には、先日の有馬記念でメジロマックイーンを破ったウマ娘(元ネタ:ダイユウサク)の姿もありました。
この実力者にトウカイテイオーも呑まれてしまうのか? それともイクノディクタスがトウカイテイオーを破るのか?
「拝見致しますわ、トウカイテイオーの走りを」
メジロマックイーンの声を受けて、トウカイテイオーは約10ヶ月ぶりの復活の舞台・大阪杯に挑みます。
OP曲が終わり大阪杯のレースが始まります。
先頭はイクノディクタス。逃げ切りを狙います。しかし、殆ど差をつけられずに、軽いステップでトウカイテイオーが追いかけてきます。
「あいつ、やけに楽に走ってるな」
その日のトウカイテイオーはとても快調でした。久々の出走ということも相まって、3番手につけるトウカイテイオーに思わず実況まで「前の二人はもうどうでもいい!」と口走ってしまう始末(史実でも杉本清氏が同じ実況をしています)。その前の二人のうち一人のチームメイト達は不快感を示します。
コーナーに差し掛かり、いよいよトウカイテイオーが仕掛けてきます。
「脚が軽い! よし、勝てる!」
「その余裕な顔やめてください…!」
トウカイテイオーは軽やかにスパートをかけると、余裕綽々のまま2000mを走りきって圧倒的な強さで大阪杯を制しました。驚くことに2000mを走りきっても息があがっておらず、しかも明らかに、怪我をする前よりも強くなっていました。トレーナーもマルゼンスキーも驚きの表情を隠せません。メジロマックイーンは安心半分不安半分の顔。
「天皇賞が楽しみになりましたね!」
「今最も勢いのあるメジロマックイーンとの対決ですからね」
敗れたイクノディクタス(4着)は冷静にトウカイテイオーの強さを分析していました。
「膝や足首の柔らかさが尋常じゃないから、バネが凄くて推進力が桁外れ!」
……やや語彙力が減退気味ですが。
テレビでは朝からトウカイテイオーとメジロマックイーンの特集が組まれるほど。学園の中でもトウカイテイオーとメジロマックイーンは大人気です。
トウカイテイオーは人に囲まれるのが好きなようですが、
メジロマックイーンはこの状況があまり好ましくない様子。
Ep.4-2 ツワモノ達
さて、食堂ではすっかり大食いになったグラスワンダーと、元から大食いだったスペシャルウィークが、次の皐月賞について話しています。エルコンドルパサーが次の注目株について言及します。
それはミホノブルボン。無敗での皐月賞挑戦という、昨年のトウカイテイオーのような存在です。
ミホノブルボンは、短距離を勧めるサクラバクシンオーをフって、「マスターの指令だから」と三冠を目指すことを宣言します。そのミホノブルボンを見つめる影がありました。
さてその頃。天皇賞に出られるくらいに活躍しているはずなのにイマイチ注目を浴びないことを、メジロパーマーが嘆いていました。
それに対してマチカネフクキタルが占った結果出たのは「パートナーの存在」。そう言われたもののそんなの何処に……と思いきや、早速目の前には気になるウマ娘が。
それはダイタクヘリオス。同じ日本語を喋っているはずなのに単語レベルで理解不能なギャル語パリピ語を話すウマ娘でした。この出会いが二人に何をもたらすのでしょうか。
ミホノブルボンはマスターからの壮絶な指示に従い淡々とトレーニングに励んでいました。ミホノブルボン以外のウマ娘はフラフラになってしまいますが、その厳しいトレーニングにも「マスターのご命令であれば」と従います。その気力と体力は異常と言って差し支えないものでした。
その頃ゴールドシップは…………なんで全自動麻雀卓を持ち出してるんでしょうか??
Ep.4-3 弱点を克服せよ
トレーナーはトウカイテイオーとメジロマックイーンにそれぞれ別々のメニューを課します。トウカイテイオーはメジロマックイーンと、天皇賞の時が来るまで話さないと誓を立てます。
トウカイテイオーとメジロマックイーンそれぞれに別々のものが渡されます。トウカイテイオーに渡されたものはジョギングシューズ、メジロマックイーンに渡されたものは激重の蹄鉄。トウカイテイオーの足腰の強さがもたらす瞬発力はメジロマックイーンにはないものだし、メジロマックイーンの無尽蔵のスタミナはトウカイテイオーにはないものです。トレーナーの狙いは、それぞれの弱点を克服し、より万全の状態で勝負させようというものでした。
一方、作戦会議好きなカノープスの面々は、今日も作戦会議をしていました。トウカイテイオーの強さはテイオーステップにあるのでは?という意見に、そんなの簡単だと踊りだすツインターボ。しかしすぐに足を縺れさせ、飛ばした靴がマチカネタンホイザの顔面に直撃。さらにホワイトボードに当たって倒してしまい、イクノディクタスとナイスネイチャが下敷きに。
ぶえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛……
トウカイテイオーは早速、坂道トレーニングに挑みます。
そしてメジロマックイーンは、重い蹄鉄を履いてのジャンプトレーニング。
Ep.4-4 皐月賞
無敗で皐月賞に挑むミホノブルボン。ロードワーク中、後ろから何者かが追いかけてきます。サングラスにウインドブレーカー、何者でしょうか?
さて、チームスピカの面々にとって久々の休日。皆でタピオカを飲みに行くようです。
約1名すでに飲んでいますが
そこにトウカイテイオーとメジロマックイーンも現れますが、二人共ジャージ姿。休日返上でトレーニングをするようです。その様子を見てダイワスカーレットは「呑気にタピオカ啜ってられない」と、オフの予定をキャンセルしてトレーニングに同行することを決めます。スペシャルウィークとウオッカもそれに賛同。ゴールドシップは残念そうです。
ウオッカとダイワスカーレットはトウカイテイオーについて坂路を走ります。3200mのレースはトウカイテイオーだけでなくウオッカとダイワスカーレットも未経験。この未知の領域に挑むため、毎日この坂路にトウカイテイオーは挑んでいました。
メジロマックイーンはゴールドシップを飛び越えるトレーニング。「絶対踏むなよ」というフリの後、「あ、ドーナツ屋さん!」というスペシャルウィークの声に気を取られ、
ぎゃあああああああああ!!!
ミホノブルボンに注目が集まる皐月賞にはマチカネタンホイザも出走していました。
さらに、「ついてく…ついてく……」と繰り返す小柄なウマ娘。その存在にミホノブルボンは少し気を取られます。
ミホノブルボンのトレーナーである黒沼氏曰く、「スピードは天賦の才、スタミナは鍛錬でカバーできる。」この言葉には画面を見ていたトウカイテイオーも反応します。
「ミホノブルボンも今まで負けたことがない。それはそれでプレッシャーなのでしょうか?」
そんなメジロマックイーンの疑問を聞いていたかのように、トウカイテイオーが答えます。
「プレッシャーは、あるよ。
でもさ、プレッシャーのないレースなんて面白くないしね。
今度の天皇賞はダービーの時よりプレッシャーを感じてる。
だからこそ、今までで一番楽しみなんだ」
トウカイテイオーにとっては、メジロマックイーン以上の存在はいないのです。同じように、メジロマックイーンもまたトウカイテイオー以上の存在を認めていませんでした。
「前回の天皇賞にテイオーはいませんでしたわ。
テイオーは今まで対戦してきた全てのウマ娘の中で確実に最強。
それ故プレッシャーはありますが、顔に出したところで何の得もありません。」
雨天の中の皐月賞のレースを、ミホノブルボンが圧倒的な速さで制しました。トウカイテイオーに次いで無敗での皐月賞制覇です。
ミホノブルボンは黒沼トレーナーを見やりますが、表情を変えることはありませんでした。そのトレーナーにミホノブルボンはただ一礼しました。
「スタミナは鍛錬でカバーできる」
黒沼トレーナーのこの考えは、トウカイテイオーに希望を与えました。距離適性では明らかにメジロマックイーンに分がありますが、鍛錬次第ではそれをいくらでもカバーできるかも知れない。瞬発力なら自分に分がある。ならメジロマックイーンを倒せるかも知れない。トウカイテイオーはもう1本坂路トレーニングに挑みます。
メジロマックイーンは、今度はゴールドシップに膝に手をつかせて、それを飛び越えます。さっきより高いですが、トウカイテイオーならこれくらいゆうゆう飛び越えてみせるでしょう。メジロマックイーンも負けていられません。
が、「ドーナツ食べます~?」のスペシャルウィークの声で気が散り、ゴールドシップは2度目の絶叫をあげることになりました。
Ep.4-5 記者会見
天皇賞春に向けての記者会見。初のTM対決に向けての質問が飛んできますが、メジロマックイーンは「TM対決、MT対決ではない、(トウカイ)テイオーが先」と不快感を示します。それぞれ「自分は無敗、絶対勝つ」「テイオーなんか負けない」と意気込みを語ります。「ボクは地の果てまで走っていきます」「ならば私は天まで駆けていきますわ」と煽り合います(これは史実のトウカイテイオーの騎手であった岡部幸雄氏と、メジロマックイーンの騎手であった武豊氏のコメントが元ネタ)。
世紀の対決が迫る中、新聞は好き放題書き散らしていました。メジロマックイーンはそれを見て怒りをにじませます。
トウカイテイオーが夕方のロードワークから帰ると、シンボリルドルフが待ち構えていました。トウカイテイオーは言います。
「ボクは長い距離のレースに出たことがないだけ。距離が合っていないかどうかなんて分からない。
テレビとか新聞はボクの方が優勢って言ってるけど、ボクはチャレンジャーだと思って走る。
ミホノブルボンも証明してくれたからね。スタミナの限界は、トレーニングで超えられる!
ボクは無敗の三冠ウマ娘になれなかったけど、無敗のウマ娘であり続けるんだ!」
一方メジロマックイーンは、おばあさまに会っていました。メジロマックイーンは世間の評価(=見る目の無さ)にがっかりしていましたが、おばあさまはメジロマックイーンの記者会見での様子にがっかりしていました。
「子供の頃、『ウサギとカメ』の絵本を読んであげましたね。
どうしてカメが勝ったか分かりますか?」
「ウサギはカメを見ていた。しかしカメはゴールを見ていた。」
その言葉にメジロマックイーンはハッとしました。そして、宣言します。
「おばあさま、大丈夫です。私は負けません。」
いよいよ天皇賞春……。またも背中を踏まれて絶叫するゴールドシップの声を聞きながら、今回はここまで。
Ep.4総評
今回は天皇賞春が来る前、次々と現れる新たな強敵達と、トウカイテイオーとメジロマックイーンの肉体的・精神的覚醒の回でした。トウカイテイオーとメジロマックイーン、二人の最強の天才の物語にも、ミホノブルボン、メジロパーマーなど、彼女達を打ち負かしかねない強力なライバルが現れます。天皇賞春もですが、その後に渡ってトウカイテイオー達を苦しめる存在になるかも知れませんね。
次回はいよいよ天皇賞春。どちらかの天才の夢が叶い、どちらかの天才の夢が打ち砕かれます。運命はどちらに微笑み、どちらを打ちのめすのでしょうか。それでは次回またお会いしましょう。SHO+XENONでした。