THE TELESCOPEからの日々1
俺は傷付いて悲しくて,その時間から逃れるために音楽を作った事があったがもうそんな事はしていない。
正しくはそんな事はもうできない。
苦しい事から逃れるために音楽を作るわけでも、
音楽が作りたくて生活にプラスアルファとして音楽を作ってるわけでもない。
僕たちは呼吸をするように息をするように音楽を作っている。
音楽をやめる日は呼吸を止める日なんだ。
音楽を作るか、死ぬか。
そんな世界で戦い始めて僕ももう10年になる。
お前はずっとそれを横で見ていたよな?
僕の熱意や夢への思い、純粋な音楽への気持ちは決して変わらないが僕を取り巻く環境はどんどん変わる。
特に2022は変わり続けた。
気が付いたら知らない場所にいる感覚。
周りの人も誰も知らないし、どこに行っても仲間がいない。
話が合う人がどんどん少なくなって、僕は自分を理解する事すらできななくなっていく。
そしてだんだん周りには「うまくいってるしょうたろうには俺たちのこの辛さがわからないよ」
って思われるようになっていく.
でも音楽は続く。
そんな道を行きながらも俺は歌詞を書き続ける。
夢は続く。
憧れがその先にあると信じて、たとえそれを疑う日があっても僕は僕をやり抜いている。
俺は戦い続けてる。
お前の曲を聞いた。歌詞を聞いた。
お前は俺にこう歌ってるな。
「いいなお前は傷付いたら歌にすれば気すむから」
俺はずっと夢のために戦ってる。
音楽なんかなければそもそも僕らはこんな事になってない。
音楽なんかなければそもそも僕はボロボロになって自分を見失うほど自分と話してそれでも夢のために戦ったりなんかしてない。
俺がここまでどれだけの物を失ってきたと思ってる?
俺がこれまでどれだけの数の覚悟を決めたと思ってる?
お前はそれを見てきただろ?
俺がカナダでボロボロにされて抜け殻になって動けなくなって自分の弱さを認めるための戦いをしていたのを知ってるだろ?
俺は傷付いて逃げて、その逃げ場の先にあった音楽に泣きついて癒されてるわけじゃない。
俺は音楽しか人生に道がなかったわけじゃない。
俺は音楽を選び取っている。
戦い続ける事は難しいでしょ?
自分の間違いや、弱さを素直に認める事は怖いでしょう?
俺はずっとお前に言ってきたはず。
俺もそうだった。って。
強さとかは弱さを認められる心の事だ。って。
お前が必死に守る自分の理想像は誰ためなのか?
お前はほんとにそのお前が好きなのか?
「いいなお前は傷付いたら歌にすれば気がすむから」
ヒロトが言ってた夢は叶うけどそれ以外は叶わない。
俺は俺であるために日々と戦ってる。
俺はその負けそうな最後の一瞬の戦いを、本当は殴られて立てないはずの瞬間を
夢一つで立ち上がってるだけだ。
どうか卑屈にならないで。
どうか間違った強さで本当の自分を見失わないで。
どうか自分の弱さを否定しないで。
否定しないで、認めてあげて。