工務店必見?!これから流行るのはどんな家?
新型コロナウイルス感染症の広まりにより、社会情勢は大きく変わりました。働き方、暮らし方が大きく変わったことで、住まいに求められるものもここ数年で大きく変わりつつあります。また、住まいに対する国の方針も完全にシフトしている時期に来ています。
そこで本回は、完全に私の主観となりますが、これから流行るであろう家の特徴を5つご紹介します。
1.大開口・広い家
アキュラホームさんの「キリンと住める家」のような、空間設計を魅力的にしながら耐震性を維持できる家の需要は今後、さらに拡大していくと思っています。大空間・大開口が可能なSE工法もまた、根強い人気があります。
できるだけ広く、開放的な住まいに暮らしたいというのが大半の人間の欲求です。この欲求は今に始まったわけではありませんが、家にいる時間が長くなり、家に求めるレベルが上がったコロナ禍で確実にニーズが増えています。
2.地方で建てる
東京都の人口は、減少傾向にあります。その大きな要因となっているのは、リモートワークの普及。とくに東京都23区など都心の人口減少が目立っており、都心を離れて地方に移り住む動きが加速しています。
地方で建てる家を打ち出すポイントは、次の3つの調和にあると思います。
地方に住みたいと考える方の多くは、地方でしかできない暮らしを求めています。自然との調和を図り、バーベキューができる広い庭や都内の住宅ではまず備えられないサウナ、広い土間収納やガレージなど、地方に住みたい方のニーズを読んだ設計としたほうが引きは強くなるでしょう。
そして地方移住者が増えた理由は、やはりどこででも働けるようになったから。ワークスペースと調和させることも大切です。
軽井沢や湘南、沖縄など、街のブランディングが効いていてファンが多くいるエリアの工務店さんはとくにチャンスが大きいと思います。今は、国から移住者に向けた補助金もあります。そのような情報も添えて「移住しませんか?」と、街と住まいの魅力を全国に配信することで、顧客の数が大幅に増えるはずです。とくに東京の人に対して一定の効果が期待できる今は、費用対効果を考えても非常にチャンスが大きい時期です。
3.省エネ住宅
昨今、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとする「カーボンニュートラル」を目指し、強く推進しています。2030年度には温室効果ガスを2013年比46%削減することを目標に掲げており、これは工務店領域にも大きな影響を与えています。
ゼロエネルギーハウスZEHや認定脱炭素住宅、太陽光の設置などエネルギーを使わない、あるいは創出できる住まいは、これからどんどん奨励されていくはずです。東京都は、2022年度に太陽光発電義務化の条例制定を目指していました。また2022年度税制改正では住宅ローン控除制度が大きく変わり、一定の省エネ性能を満たさない住宅は2024年から制度の対象外となることが明らかになりました。
省エネ住宅が、今後、家を建てるうえでマストの条件となっていくのは確実です。
4.防災住宅
昨今では、急激にゲリラ豪雨や土砂災害などの水害が増えています。また、かねてから言われていることですが、南海トラフ地震をはじめ日本各地で巨大地震が予測さています。
明らかに災害の数が増え、その規模が拡大している日本において、家をシェルター化するという概念は市場に合致すると考えられます。
5.収納住宅
「家が片づけない」というのは、コロナ禍に増えた住まいのストレスの1つです。
家にいる時間が長くなったことで、モノが増え、片付けが追いつかなくなるのは自然なことでしょう。最近では、コンテナやトランクルームの市場の伸びも加速しています。
一方で、日本の住宅の坪数は減っていっています。家は小さくなり、家にいる時間が長くなり、モノは増える……だからこそ、今、収納や片付けに注目が集まっています。
ただ、家の収納力・収納のしやすさは、間取りや動線、棚割で決まるものであり、家が建ったときには8割方決まってしまっているともいわれています。住んでからいくら片付かないと嘆いても、そこから劇的に片づけやすくすることはできないのです。
「収納住宅」とは、快適で便利なライフスタイルを実現するため、整理収納された空間を見据えて建築された住宅。弊社でも、収納王子コジマジック氏を監修に迎え、収納特化型注文住宅フランチャイズ「YUTORI」を商品化しています。
住まいに求められるニーズは変遷する
社会情勢やトレンドによって、住まいに求められるニーズは変わっていきます。とくにここ数年は、新型コロナウイルス感染拡大やカーボンニュートラル実現に向けた意識の高まりにより、大きな変革期があるといえるでしょう。
本記事が、工務店さんの商品開発や集客戦略の一助となりましたら幸いです。
それでは、工務店領域のマーケティング機能の発展を祈って。
株式会社SHO-SAN
代表取締役社長 高谷一起