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台風に伴う交通機関の運休【小論文の時事】  



【1】 論点整理  

 2024年8月16日明け方からに台風7号の接近情報に伴い、JR東海は東海道新幹線の東京-名古屋を16日終日運休にし、名古屋-新大阪でも運転本数を大幅に減らし、こだま号のみの運転となりました。実際のところ台風が接近する以前には大型の台風で関東直撃も予想されていましたが、北東に進路を取ったため結局は上陸しませんでした。また空の便でも事前の早い段階から多くの欠航が決定されていました。

 お盆休み真っ只中ということもあり、帰省やUターンでの利用者が特に多い時期に終日運休にするということで気象に対する危機管理と経済との関連性で議論が起こっているようです。


【2】 案の比較  


課題:台風に伴う交通機関の運休



肯 定 案

● 運休しなかったらよかったというのは結果論に過ぎない
● 計画運休は予想に伴った迅速な計画でなければ意味がない
● 当日突然運休するよりはよほど悪影響を及ぼさない
● 企業の利益追求以前に人命を重視すべき
● スピードを落とした上で何とか運行をする最善策を選択している

論拠例

否 定 案

● 前日段階で台風が進路を変える予想が出ておりあまりにも決定が早すぎる
● 正確性を伴ってこそ迅速な計画に価値がある
● 当日突然運休する予想は利用者が考えるべき
● 人命を重視した上で企業は経済活動を通して利益追求すべき
● ほぼ台風と関係がない近畿地方でこだま号のみに限定する意味がない

論拠例


【3】 論述の流れ  


課題:台風に伴う交通機関の運休



仮説の段落

<意見提示>「私は〜だと考える」
 賛成反対等の方向性を設定
<根拠提示>「なぜなら、〜だからである」
 設定の主たる根拠について概要通知


論理展開の段落

<譲歩>「確かに、〜」
 自分が選択しなかった案の理論を分析評価

<対比>「しかし、〜」 
 自分が選択した案の理論を説明

<例示>「例えば、〜」 
 自分が選択した案の理論を具体例で証明


結論の段落

<結論>「従って、〜」
 具体的な議論を経て至った結果の総括


【4】 攻めの選択と守りの選択  

 小論文試験やグループディスカッション試験を受ける際の状況に合わせて、攻めの選択と守りの選択をしていかなければなりません。

 一次試験や事前提出の書類でなんらかの失敗をしてしまい合格点までかなり遠い状況になっている場合、また他にも受験者数に対して合格者数がとんでもなく少ないような試験になっている場合は、一発逆転を狙うべき状況である以上、ある程度のリスクを背負ってでも「攻めの選択」をする必要があります。

 逆に、例えばあらかじめ結果が出ている共通テストで有利な状況になっている場合、提出済みの志望理由書において自己アピールがうまくできているような場合、また受験者のほとんどが合格できるような種類の試験である場合は、無難な「守りの選択」をする必要があります。

 原則としては自分自身にとって書きやすい案を自分の主張として展開していくわけですが、賛成案でも反対案でも折衷案でも、どの案でもある程度同じような勝負で、どの文章でもある程度書けそうだという場合は、上記のような試験の状況に合わせて選択するというのも1つの重要な戦略です。今回の課題である「台風に伴う交通機関の運休」というテーマにおいては、攻めの選択と守りの選択は下記のようになるといえるでしょう。

<攻めの選択>  否定案
<守りの選択>  肯定案


【5】 小論文.comの対策  

 ただ用語を暗記したり、「なんとなく」みんなが使っているから、ニュースで聞いたからと、言葉の本質を捉えずに使用するのは避けたいところです。その言葉の意味を理解した上で自分自身の「言葉の引き出し」に落とし込みましょう。

 また小論文においては、その用語が使用されている背景や時事問題にも目を通し、その問題に対して「自分はどう考えるのか」を常に頭に入れておくようにすると、自ずと小論文対策にも繋がります。国内外問わずどのように報道されているのかも確認できれば、それぞれの問題を比較することが可能になります。できる限り日本で報道されているニュースだけではなく、海外のニュースにも目を向けて広い視野で物事を捉えるよう意識しましょう。

 小論文.comでは、小論文.comのX(旧twitter)【小論文の時事】において特に最新の海外時事情報(特にイギリス、アメリカ、ドイツ、スウェーデン)を中心に速報でお送りしています。すべて日本語訳でお送りしておりますので、ぜひご利用ください。

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