南海トラフ地震臨時情報に伴う海水浴場閉鎖【小論文の時事】
【1】 論点整理
2024年8月、宮崎県日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震で、気象庁は南海トラフ地震臨時情報を発表しました。その発表を受けて、和歌山県白浜町は白良浜海水浴場を含む4つの海水浴場を閉鎖し、遊泳禁止としました。それにともなってライフセーバーなどは常駐していませんでしたが、この時期は夏休み真っ只中ということもあり白良浜海水浴場で遊泳する人たちが続出したことから、白浜町はお盆休みとなる初日から白良浜海水浴場への立ち入りを禁止する方針を固めたということです。海水浴場の立ち入り禁止のみならず、すでに10日に行われる花火大会の中止も決めています。
ただ、特に台風のような天候に関する具体的に目に見えやすい可能性というものではないということ、また、あくまでも宮崎県日向灘を震源とする地震が南海トラフ地震に大きな影響を与えるのではないかというのはなかなか不確実性が高く、「1週間程度様子を見る必要がある」という気象庁の情報も科学的根拠というよりも慣習的な要素が強いということもあり、夏休みの海水浴場という地域経済に大きな影響を及ぼす判断に対して賛否が出ているようです。
【2】 案の比較
課題:南海トラフ地震の可能性とイベント中止
肯 定 案
否 定 案
【3】 論述の流れ
課題:南海トラフ地震の可能性とイベント中止
仮説の段落
論理展開の段落
結論の段落
【4】 攻めの選択と守りの選択
小論文試験やグループディスカッション試験を受ける際の状況に合わせて、攻めの選択と守りの選択をしていかなければなりません。
一次試験や事前提出の書類でなんらかの失敗をしてしまい合格点までかなり遠い状況になっている場合、また他にも受験者数に対して合格者数がとんでもなく少ないような試験になっている場合は、一発逆転を狙うべき状況である以上、ある程度のリスクを背負ってでも「攻めの選択」をする必要があります。
逆に、例えばあらかじめ結果が出ている共通テストで有利な状況になっている場合、提出済みの志望理由書において自己アピールがうまくできているような場合、また受験者のほとんどが合格できるような種類の試験である場合は、無難な「守りの選択」をする必要があります。
原則としては自分自身にとって書きやすい案を自分の主張として展開していくわけですが、賛成案でも反対案でも折衷案でも、どの案でもある程度同じような勝負で、どの文章でもある程度書けそうだという場合は、上記のような試験の状況に合わせて選択するというのも1つの重要な戦略です。今回の課題である「南海トラフ地震の可能性とイベント中止」というテーマにおいては、攻めの選択と守りの選択は下記のようになるといえるでしょう。
【5】 小論文.comの対策
ただ用語を暗記したり、「なんとなく」みんなが使っているから、ニュースで聞いたからと、言葉の本質を捉えずに使用するのは避けたいところです。その言葉の意味を理解した上で自分自身の「言葉の引き出し」に落とし込みましょう。
また小論文においては、その用語が使用されている背景や時事問題にも目を通し、その問題に対して「自分はどう考えるのか」を常に頭に入れておくようにすると、自ずと小論文対策にも繋がります。国内外問わずどのように報道されているのかも確認できれば、それぞれの問題を比較することが可能になります。できる限り日本で報道されているニュースだけではなく、海外のニュースにも目を向けて広い視野で物事を捉えるよう意識しましょう。
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