追求と追及と追究【小論文の漢字】
類似の意味がある漢字が2つあってどちらを選択すれば良いのかがわからないということはよくあることですが、それが3つある珍しい言葉があります。それが「追求」と「追及」と「追究」です。今回はこれらの違いにつきまして少しご説明させていただきます。なかなか細かい違いで難しいところではあるのですが、この2文字目の漢字、「求・及・究」の違いが全体の違いとなって現れます。
【1】 追求
まず「追求」は文字通り「追い求めること」ですから、例えば理想や利益、などの大きな意味で「求める」ものを「追う」場合に全般的に用いられます。この言葉が他の2つの「ツイキュウ」と比べていわゆる凡用の「ツイキュウ」で、抽象的なことを対象にしますから、ある意味では何にでも使えるということになります。
【2】 追究
それに対して「追究」ですがこれは「研究」の究です。すなわち、学問を中心とした研究を追い続ける状態をイメージしてください。この「研究」という感覚がない限りこの漢字は用いないものと考えておいて良いでしょう。
【3】 追及
そして最後の「追及」ですが、これは「追い及ぼす」ということで、これは「人」「人生」「人間性」に”及”ぼすものだと考えてください。ですから、犯人などを追う場合「追及」と書かれますし、事件を追ったりする場合も「追及」といえます。1人の「人」を追って影響を及ぼしていくというイメージです。
【4】 小論文でよく登場するのはどれか
ただ【1】で説明させていただいたように 「追求」は最も意味が広いもので、「追究」「追及」というのはかなり使われる際の条件が厳しいものですから、小論文を書く場面でどの漢字を使ったらいいんだろうと悩んでしまう場合は、「追求」と書いていて間違いになることはなかなかありません。正しくないということにはなりませんから、その観点で頭に入れておくのもいいですね。減点をされない漢字選択も非常に重要です。