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「実態」と「実体」【小論文の漢字】  

 小論文でよく出てくる「ジッタイ」という言葉ですが、主に「実態」と「実体」という2種類の漢字があります。どちらで表記するべきなのかをただ単に暗記するのではなくイメージとして印象付けをしていくべく、考察していきましょう。



【1】 「実態」とは  

 「実態」という言葉は「実」と「態」から構成されています。この「実」という漢字は「実際」や「真実」の「実」です。英語でいうtruthやrealityといった感覚です。また「態」という漢字は「状態」「態度」の「態」です。英語でいうformやshapeといった感覚です。ですから「実態」という漢字は「真実の状態」という感覚で見ておくと良いでしょう。


【2】 「実体」とは  

 「実体」という言葉は「実」と「体」から構成されています。この「実」という漢字は上記のような「実際」や「真実」の「実」です。そしてこの「体」という漢字は「正体」や「本体」の「体」です。英語でいうbodyやstyleといった感覚です。ですから「実体」という漢字は「真実の姿」といった感覚で見ておくといいですね。


【3】 「実態」と「実体」の相違点  

 これらからイメージできる通り、「実」という文字が同じですからどうしても似たような意味ではあるものの、「実態」の方は抽象的な「状態」を表し、「実体」の方はかなり具体的な「姿」という見える状態を指しています。概念的で目に見えない様子を表しているのか、目に見えて物として様子がわかることを指しているのかが大きな違いだといえるでしょう。


【4】 「実態」と「実体」の類義語  

実態 ・・・ 実情、真相
実体 ・・・ 正体、中身


【5】 「実態」と「実体」のまとめ  

実態 =(抽象的)=実際の状態や様子 
実体 =(具体的)=実際の姿や人

ということでイメージをしておきましょう。小論文を書いていく際にどうしてもどちらにすべきかがわからなくなってしまった時は、抽象的な概念の話をしておくと包括的に説明がしやすくなりますから、「実態」の方を選択しておくと無難かもしれませんね。実際は「実体」という言葉の方は元々哲学の専門用語としてそれこそ大きな意味で用いられるものではありますが、通常の小論文では出てこないでしょうから、実務的な選択としては「実態」としておくと安心だといえるでしょう。



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