TV番組での五輪選手に対する「トド」発言【小論文の時事】
【1】 論点整理
パリオリンピックが無事に閉会しました。そのような中、あるテレビ番組ではパリオリンピックでの日本選手の活躍を取り上げ、特に各種メダルを獲得した選手にスポットライトを当てていました。中でも金メダルという輝かしい結果を得ただけでなく、競技の待ち時間に地面で寝そべっておやつを食べる愛らしい姿で有名になっているある選手が特集されていました。
その際、番組MCが笑いながら「トドみたいのが横たわってるみたい」と発言し話題になっています。実際にはそれに続けて「かわいい」とも発言しており、その番組MCの本心としては愛着を込めたポジティブな発言だったのかもしれません。ただ、これに対してかなり多くの批判的意見が出ています。当該選手は競技中に寝そべる理由について「椅子に座るよりも寝転がっていた方が姿勢が崩れない。自分の高さに合っていない椅子がどうしても猫背になってしまう」と話しており、のんびりとするために寝そべっているわけではなく、競技のためにこそ行っているルーティーンのようです。
人を形容する際に「トド」という表現がふさわしいのかどうか、仮にそれが「パンダ」であればどうなるのか、また特に「トドみたい」という発言が公共の電波に乗せて放送され日本中に拡散されることがわかっている中で発言される表現としてふさわしいのかどうかが論点として考えられそうです。
【2】 案の比較
課題:TV番組での五輪選手に対する「トド」発言
肯 定 案
否 定 案
【3】 論述の流れ
課題:TV番組での五輪選手に対する「トド」発言
仮説の段落
論理展開の段落
結論の段落
【4】 攻めの選択と守りの選択
小論文試験やグループディスカッション試験を受ける際の状況に合わせて、攻めの選択と守りの選択をしていかなければなりません。
一次試験や事前提出の書類でなんらかの失敗をしてしまい合格点までかなり遠い状況になっている場合、また他にも受験者数に対して合格者数がとんでもなく少ないような試験になっている場合は、一発逆転を狙うべき状況である以上、ある程度のリスクを背負ってでも「攻めの選択」をする必要があります。
逆に、例えばあらかじめ結果が出ている共通テストで有利な状況になっている場合、提出済みの志望理由書において自己アピールがうまくできているような場合、また受験者のほとんどが合格できるような種類の試験である場合は、無難な「守りの選択」をする必要があります。
原則としては自分自身にとって書きやすい案を自分の主張として展開していくわけですが、賛成案でも反対案でも折衷案でも、どの案でもある程度同じような勝負で、どの文章でもある程度書けそうだという場合は、上記のような試験の状況に合わせて選択するというのも1つの重要な戦略です。今回の課題である「TV番組での五輪選手に対する誹謗中傷」というテーマにおいては、攻めの選択と守りの選択は下記のようになるといえるでしょう。
【5】 小論文.comの対策
ただ用語を暗記したり、「なんとなく」みんなが使っているから、ニュースで聞いたからと、言葉の本質を捉えずに使用するのは避けたいところです。その言葉の意味を理解した上で自分自身の「言葉の引き出し」に落とし込みましょう。
また小論文においては、その用語が使用されている背景や時事問題にも目を通し、その問題に対して「自分はどう考えるのか」を常に頭に入れておくようにすると、自ずと小論文対策にも繋がります。国内外問わずどのように報道されているのかも確認できれば、それぞれの問題を比較することが可能になります。できる限り日本で報道されているニュースだけではなく、海外のニュースにも目を向けて広い視野で物事を捉えるよう意識しましょう。
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