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【アメリカ大陸縦断記 Day132🇧🇷】日系移民が自給自足の生活を送るユバ農場へ
2/9(木)
なんだかんだでしっかり寝れてAndradinaのバスターミナルに着いたのは10時ごろ。Mirandopolis行のバスは15時20分まで無いので、とりあえずターミナル内のカフェに入る。
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客は自分だけで、店員のおじさんが話しかけてきた。ポルトガル語が分からなくて全然返答できず、「こう言いたいのになんていうかわからない」というフレーズをメモしておいてそれをひたすら調べていた。想像以上にスペイン語と似ている単語が多く、ボキャブラリーが増えれば一気に話せるようになる気がする。
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Mirandopolis行のバスに乗る時、事前に調べておいたポルトガル語で途中で下ろしてほしいと運転手に伝えた。スムーズには行かなかったがGoogleマップを見せながら説明したらなんとか伝わって、「言語は伝えたいことを伝えるための手段」だということを再認識した。
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バスはのどかな風景の中を進んでいくが、降りる地点が近づくと積乱雲が暑くて嫌な予感がする。
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バスを降りると嫌な予感は的中し、雷が鳴り雨が降ってきた。5kmほど歩いて行こうと考えていたが、これだと途中で大雨でずぶ濡れになりそうなのでヒッチハイクで向かうことに。
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ここでヒッチハイクをする
幸いにもすぐに通りかかった車が拾ってくれてユバまで送ってくれた。色々話しかけてくれたが受け答えがしっかりできず、ブラジル人はとてもフレンドリーで優しいのでもっとコミュニケーションをとれるようにポルトガル語を勉強したいと心の底から感じた。
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着いてはじめに見つけた人に話しかけると食堂に案内された。寝室に荷物を置いた後、阪神のユニフォームを着たおばちゃんが各場所を一通り説明してくれた。他のゲストは50歳くらいのおじさん2人で、この歳で1人で世界をふらふらしてる人なんて変な人しかいないよなぁ…と不安に感じた。
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「お腹減ってるだろうからごはん食べていいよ」と言われて味噌と一緒に白米を食べたが、日本のお米の味でとてもおいしかった。キッチン、洗濯場、風呂場などは全て手作りで、聞いていた通り自給自足の生活が送られている。
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ごはんの前に同じ旅行者の向笠さんと話すと、東欧を旅した後、パラグアイで自分も泊まった民宿小林とペンション園田に2ヶ月いて、その後ここに1ヶ月くらいいると言っていた。結婚しているかや仕事をしているかは謎だが、ユバでの生活についてとても親切に教えてくれた。
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18時15分になると次々と食堂に人が集まり、お祈りをした後ビュッフェスタイルの夕食が始まった。農場で育てられた物をふんだんに使ったおかずはとても充実していて、特に豚汁がおいしかった。一緒のテーブルにいたゴリさんは京都出身で、京都弁で色々と質問してくれた。
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健康でおいしい
洗濯機を回している間、イサムさんが話しかけてくれて野球の話で盛り上がった。昔ブラジルの全国大会で3連覇するくらい野球が盛んで、ユバの男の子は6歳くらいになったらみんな野球をやるのが当たり前だという。野球をやっていた自分は話題に困らないのでラッキーだなと思った。
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シャワーを浴びた後、現在の長であるツネさん、ゴリさんと飲んでいた。「Hospitalに行ったときCuidadって言われたんだけどね」とポルトガル語混じりの日本語で話していたのが印象的だった。
ゴリさんはTBS、博報堂で働いていただけあって、とにかく博識でどんなことに対しても自分の意見をしっかり持っていた。ツネさんは北九州のアルミ工場に出稼ぎで働いたことがあったが、他の日系人が日本での生活を謳歌している中、倹約して毎日残業してとにかく働いていたと言った。「自分の根っこはユバにあって、日本に行ったのもお金を稼いでユバに帰るためだからお金を使わず働いていたよ」と語っていた。
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今は色々とチャレンジする時間だが、身が固まっていくにつれて「自分の根っこはどこにあるか」をしっかり持って生きる必要性を実感した。
70代くらいの人と飲むのは人生の先輩の授業を受けているようで貴重な時間だった。