会いたい、会いたい、会えない。

彼の容態が落ち着いていたのも少しだけで、4月になってからは安定しない日々が続いた。
新型コロナウイルスの影響で県外に行くことが出来ないから、テレビ電話とかで話すしかなかった。
いつ命が消えるか分からないのに、会いたくてたまらないのに、会えないことが辛かった。

そんな時、初めて気付いた。

「堂本剛」という存在

彼は、堂本剛さんをとても尊敬していた。
「俺もこんな人になりたい!」といつも言っていた。
剛くんのこんな所がかっこいい、剛くんがこんなことを言ってた、とずっと聞かされていた。

ジャニーズにあまり詳しくない私は“KinKi Kids” “堂本剛”の名前は知っていても、それ以外の情報は彼からの言葉だけでしか分からなかった。
(実際、KinKi Kidsの2人が同じ苗字だと知らなかった)

彼は、「剛くんの誕生日をお祝いしてからじゃないと逝けない」と言った。
しかし、あまり良くない状態で明日までもつかさえ分からない。
周囲の人はもう半分諦めた気持ちだった。

堂本剛さんの誕生日である4月10日

彼は、生きた。
堂本剛さんの誕生日まで、生き抜いた。
「41歳の剛くんと同じ時を生きてます〜」と笑って電話してきた。
この日ほど堂本剛さんに感謝したことはない。

4月13日、41歳になった堂本剛さんと同じ時を3日も過ごした彼はこの世を去った。

最後まで側にいてあげられないことが悲しかった。
でも、この日まで生きてくれたことが嬉しかった。

最後まで頑張った彼に「お疲れ様」という気持ちと、彼の頑張りの源となってくれた堂本剛さんに「ありがとうございます」という気持ちを心の中で伝えた。

Luca

皆さんが日々幸せを感じることが出来ますように

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