質の高い勉強方法とは?
先日セミナーの講師をさせていただいた際に「質の高い勉強は長時間することはできない。」とお話しをさせていただきました。
受講生の中に大学で教鞭をとられている方がいらっしゃいまして、その方から「質の高い勉強方法とは具体的にどのようなものですか?」というご質問をいただいたので、回答します。
受験勉強における質の高い勉強とは、「本試験レベルの問題を時間を計って解く。」ただこれだけです。少し補足的に説明させていただきます。
まず勉強はインプットとアウトプットに分けることができます。この中で問題を解くというのはアウトプットです。インプットというのはテキストを読み込むとか講義を受けるとか、そういった時間になります。
インプットがキツいのは初学者でテクニカルターム(専門用語)がわからなない時期だけです。逆にいうとその期間を過ぎた後のインプットというのは質が高い勉強とは言えません。楽な勉強です。
対して本試験レベルの問題を時間を計って解くというのは高い集中力・事務処理能力を要求されるつらい勉強です。これこそが受験勉強における最も質の高い勉強です。
質の高い勉強をするためには、インプットはなるべく短期間に済ませなければいけません。そのために速読を取り入れたり、動画や音声の講義を1.5~2倍速で再生するなどして時間の短縮を行う必要があります。
講師の方は通常受講生全員が聴きとれるように、ゆっくり話してくださいます(例外はあると思います)。しかしあなたは他の受講生と同じレベルで安心・満足をしてはいけません。上位数%に入り合格をもぎ取らなくてはいけないのです。
そのためにはできることなら録音・録画された講義を高速再生することが望ましいです。休み時間などに講師に直接質問できるというメリットを捨ててでも、そうした方が良いと思っています(そもそも初学者の頃はわからないことだらけなので、講師に質問している場合ではありません。まずはすべての単元を終えることが大切です。)。
また問題のレベルに関しては本試験より高くても低くてもいけません。なぜなら本試験よりレベルが高い(細かい知識を要求される)問題を解くことは、決して合格に近づく方法とは言えないからです。
それは100点を目指す勉強方法ではあるかもしれませんが、合格を目指す勉強方法ではありません。
また本試験より低いレベルの問題を解くことについてはこれも楽な勉強です。小学生の算数で例えるのであれば、1+1のような1桁の計算をいくら繰り返したところで、有名私立中学の試験問題を解けるようにはなりません。
時間を計って解くというのは、人間はプレッシャーがなければいくらでもサボる生き物だからです。時間を計って「制限時間内に何問解けたか。」を確認し、目標とのギャップを埋めていくことも必要です。
多くの難関資格は厳しい時間設定の中で問題を解かなくてはいけません。制限時間そのものが試験の難易度を上げている試験も中にはあります。例えば日本人の一般的な成人であれば九九ができないという人はほとんどいないでしょう。
しかしその簡単な九九であっても「1分間で300問解きなさい。」という制限時間であればいかがでしょうか。1秒あたり5問です。これはほとんどの人にとって達成不可能な難易度ではないでしょうか(少なくとも私には無理そうです)。
少し脱線した部分もありますので、最後にもう一度結論を述べておきます。「受験における質の高い勉強とは、本試験レベルの問題を時間を計って解くこと。」これだけです。