吹奏楽部
ー はじめに ー
みなさんはじめまして、ことです。
今回は、自分の実体験を元にしたお話を小説っぽく書かせていただきました。
ところどころ、表現が伝わりにくいところがあるかもしれませんが、ご了承ください。
この投稿で完結するほど短いお話じゃないので、長々としますか最後まで読んでいただけると幸いです。
各投稿1600文字程度でお話を進めていこうと思っています。( ちなみに今回は約1700文字です )
登場人物は身バレ防止のため、それぞれ本名を少しアレンジしています。
私たちはただひたすらに全国大会を目指して頑張っていた__。
― 初めて、そして入部 ―
4月、私たちは中高一貫校である、N中学校に入学した。
初めての中学校、初めて会うクラスメート、初めて会う先生。
たくさんの "初めて" に心を踊らせていた私だったけど、1つ、問題があった。人に話すことが苦手な私にとって、この空間は居心地が悪かった。
挨拶や「よろしく」の一言以外、誰にも話しかけることができず、そして話しかけられることもなく、入学して3日間が過ぎた。
「鬼滅、好きなの?」
初めて話しかけられた。そしてこの一言から、私は香奈と友達になった。中学生になって初めての友達。
初めての部活動見学、そして体験の日、香奈は「一緒に行かない?」と私を誘ってくれた。
部活動体験1日目は美術部。香奈も私も現時点では第1希望の部活。先輩に教えて貰って、プラ板を作った。知らない人ばかりだったけど、みんな優しく接してくれた。
部活動体験2日目は吹奏楽部。2~3人1グループになって、各楽器を見て回った。残念なことに、香奈とは一緒に回れなかったけど、後に一緒に頑張る仲間とフルート、クラリネットを回った。
緊張で、特に会話は無かったけど、私がフルートの音を出した時、2人は「すご!」と褒めてくれた。指導をしてくれた先輩も、とても対応が優しく、そしてわかりやすかった。
部活動体験3日目はバレーボール部。この日も、香奈は一緒に回ってくれた。普段あまり運動をしない私たちにとって、トレーニングはとても大変で、パスの練習もあまり上手くできなかった。
あの時の筋肉痛の辛さは、今でも覚えている。
部活動体験4日目は英語部。小学校の頃から中が良かった彩がいた。英語で交流したり、英語を使ってジェンガをしたりと、少し難しかったけど楽しかった。
いよいよ部活動発足会。当時の吹奏楽部は3年生27人、2年生12人、そして1年生18人の、計57人だった。先輩だけでも約40人いるわけで、顔と名前を一致させるのは大変だった。
吹奏楽部に入ったからと言って、やりたい楽器をすぐにやれせてもらえるなんてことは無かった。全員が全ての楽器を体験し、それを元に先輩、先生が決める必要があった。
― 出会い ―
5月4日。N中学校、高等学校の定期演奏会の日。私たちはまだ楽器も決まっていないため、当然あの舞台に立つことはできなかった。
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中3になった今、はっきりとは覚えていないけれどとにかく当時の私は感動したことを覚えている。
中高合同バンドが奏でる音楽、高校生の先輩方が奏でる音楽、中学生の先輩方が奏でる音楽、そして合唱。どれも最高に素晴らしかった。
ここで初めて私は吹奏楽部に憧れを持ち、いつかあの舞台で、感動させることができる演奏ができるようになりたい。そう思った。
5月9日。今日はついに自分の担当する楽器が発表される日。
「 フルートやりたいな… 」
そう思いながら、先生に呼ばれるのを待った_。
「 ことさんには、アルトサックスをやってもらいます。頑張ってください。 」
そう言われ、私たちは先輩と各自のパート教室へ向かった。
サックスパート ( 以下、Sax ) は3年生4人、2年生1人、1年生3人の計8人だった。
初めての先輩、初めての "仲間"、初めてのSax。わからないことがたくさんあったけど、先輩はそれを優しく私たちに教えてくれた。
そしてこの日、この瞬間から、私たちの青春は始まった_。