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学校マスク「原則不要」通知の「原則」が現実的には難しいという事実

文部科学省は17日に、小中高校では4月の新学期から生徒や教員が新型コロナウイルス対策のマスクを基本的に着けなくてもよい、とする新指針を全国の教育委員会に通知したとのことです。

これによって、名目上は学校におけるマスクの「強制」は終了することになります。

「ただし」という条件

とはいえ無条件というわけではないようです。

リンク先の記事にあるように、「登下校時に混み合う電車やバスに乗る際や、病院・高齢者施設を訪問する校外学習では着用を推奨することにした。」ということのようです。

常識的に考えて、ある程度の都市部であれば登下校時間に込み合っていない電車やバスは存在しないため、通学時におけるマスク着用は事実上緩和されてはいないとも言えます。

しかし、それを注意したり、圧力をかける存在がいるわけではないようですので、事実上は努力義務という形になるようです。

学習活動における制限

この条件に関しては、むしろ校内の教育活動に対しての方がより厳しい基準となっているようです。

例えば、記事中には「従来は感染リスクが高いとして着用を求めてきたグループワークや合唱、調理実習などでも不要。こうした授業での感染対策として、教室の2方向の窓を開けて常時換気を行い、少人数で実施するといった工夫を求める。」という記述があります。

これをそのまま素直に読めば緩和と言えないこともないでしょう。

しかし、不要となったグループワークや合唱、調理実習などを真夏の音楽室においてエアコンを適正温度に設定したまま窓を開けて実施することはどれだけ現実的でしょうか。

真冬においてもそれは同様で、2方向による常時換気を行った状態において、学習環境が快適に保たれることはおよそないでしょう。

また、合唱は6人以上の編成による同時の歌唱活動を指しますが、果たして少人数と言えるでしょうか。

記憶にあるのは会食は4人以下の少人数という声掛けを政府広報では行っていたようですので、合唱は定義上少人数とは言えないようです。

これはグループワークや調理実習に関してもほぼ同様でしょう。

つまり、四角四面にこの文言を受け取る限りにおいては、当該活動中はマスクは着用を必須と考えざるを得ないということになります。

つまり、通常の授業活動においてはマスクが不要だが、人が集まる活動を含む授業に関してはマスクを着用すべきと判断するしかないということです。

判断は学校単位で可能だが、クレームにどう対応するか

こうしたマスクの着脱可否の判断自体は各学校である程度運用上における柔軟な対応は可能です。

学校単位やクラス単位での人数が異なるため、その数に応じて弾力的にマスク着用義務の可否を判断すればよいからです。

しかし、一度明文化され、周知されてしまった場合、クレームを受けやすいという欠点を抱えます。

今回の場合、日本中の学校において、学校内の葛生道中のマスク制限に対して指導に納得できない人が出てくるのは間違いないでしょう。

個人的にはマスクを不快に感じていない

私自身がマスク生活に適応していることもあり、それほど苦痛に感じおらずそれどほ今回の政策の転換に関しては歓迎する気持ちはありません。
(だからといって反対でもありませんが)

女子の生徒などはマスクを着用したい旨を口にしていることも多く、個人個人でその受け取り方は異なるようです。

とりあえずは暑くなりマスクの着用が負担に感じる人が増える時期までは混乱が続くのは間違いないでしょう。


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