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【題未定】旅行を通して再発見したマイクロフォーサーズカメラと愛機E-M1Xの魅力【エッセイ】
今年のお盆は複数の場所を訪れる機会に恵まれた。盆の前半は島根、出雲大社から広島、厳島をまわる小旅行へ。また後半は家人の実家である宮崎へ帰省を行った。
カメラを始めてからまだ1年も経たないゆえに、旅行にカメラを持ち出すことはそう多くは無かった。今回ある程度まとまった期間、旅行をする中でカメラを持ち出してかなりの写真を撮影した。
私の普段撮る写真は風景写真や看板や街角のスナップなどの人間以外が多い。今回は旅をする途中に遭遇した風景やスナップだけでなく、家族の写真も合わせてカメラで撮影した。したがってこの夏の旅ではほとんどスマホのカメラ機能をしようしなかった。撮る場合は全てカメラで、という制約を自分に課した上で撮り回ったわけだ。
今回の旅に持ち出したカメラはいつもの愛機、OLYMPUSのE-M1X。持参したレンズは12-50mmのズームレンズを一本だけとした。さすがに子連れの旅行中にレンズ交換を行うのはあまりにも煩雑に感じたからだ。
まず出来上がった写真に関してだが、やはり5年前の機種とはいえ当時のハイエンドモデルである。写りは申し分ないし、動作も機敏だ。動画を並行して何本か撮ったが、デュアルスロットのSDカード2枚体制ということで不安なく撮影に臨むことができた。最近、撮影をする中でややボケ感が薄いことが気になっていたのだが、旅を通して使ってみるとそのボケ感の無さこそが旅行撮影用に最適だと感じた。
旅行での写真撮影は背景にきちんと「対象物」が写っていなければ意味がない。ここでの「対象物」とは被写体そのもの、人間やオブジェクトだけではなく、その背景も含む。なぜならば「旅行」における記録写真でもあるからだ。どんなところを訪れたのか、その場所がどんな雰囲気だったのかを残す写真であるのに、それがエモくぼけてどこにいるのか分からないのでは意味がない。
今回持ち歩いたマイクロフォーサーズのカメラと12‐50mmのレンズはよくも悪くもボケ過ぎない。マイクロフォーサーズというセンサーサイズはボケ感を強く出さないし、レンズはF値が3.5‐6.3という普通のズームレンズだ。そのおかげで撮った写真の多くは背景もしっかり写り込んでおり、トラベルフォトとして意味を成す仕上がりとなった。
またOLYMPUSのE-M1Xは防塵防滴性能を有している。さらに今回持ち込んだレンズ、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZもまた防塵防滴対応である。したがって旅先での急な天候の変化にも安心して対処ができた。実際、宮島を訪れた際は雨が降り出したが、多少の雨でカメラが濡れてもすぐに拭けば問題なく使用が可能だった。
とはいえ、このE-M1Xはマイクロフォーサーズ機の特徴であるコンパクトさに欠けるという欠点はある。私の場合は自動車での移動が主であるため問題は無かったが、電車移動の旅行などではその取り回しに苦労した可能性はあるだろう。(その場合、現行のOM-1 mk2やE-M1、E-M5シリーズを使えば解決はできるのだが)
加えて感じたのはE-M1Xのバッテリーの持ちの良さだ。もちろん通常サイズのバッテリーを2基も積んでいるのだから、日中に困ることはない。さらにこのE-M1Xは本体から直接USBtypeCで充電が可能なため、スマホの充電器を持ち歩けば夜間にホテルで充電も可能なのだ。二泊三日の旅程でもバッテリー不足を感じる瞬間は一度もなかった。
ここ最近はLUMIX DC-GH7やLUMIX DC-S9などのPanasonic機のマイクロフォーサーズやフルサイズ機の新作が立て続けに発表されており、何となく羨ましい気持ちを抱えていた。そんな中で今回の旅行を通して、改めて愛機、E-M1Xの良さや、マイクロフォーサーズというセンサーサイズの長所や面白さに気づくことができた。
いまだ使いこなせているとは到底言えないE-M1X、これをまずはしっかりと手足のように使いこなすスキルを身に着けたいと再確認した旅行であった。
旅とは新しい発見や未知との遭遇を楽しむだけではなく、日常の良さを再確認するきっかけになるというのはよく聞く話だ。まさに、今回の旅は普段持ち歩く愛機の良さを再確認するきっかけとなった、と感じるのだ。