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東福岡学園が設置した「UNITED FUKUOKA」の可能性と希望
東福岡学園とは
東福岡学園は福岡県福岡市博多区に所在する学校法人で、東福岡高校、東福岡自彊館中学校、自由ヶ丘幼稚園の運営母体です。
東福岡高校は福岡県内の高等学校で最も生徒数が多いマンモス校であり、スポーツの強豪校としても全国的に有名です。
数少ない男子高としても九州では有名でしたが、2025年度から共学化するということが話題になりました。
九州大学などの難関大学への進学実績も高く、文武両道で知られた学校でもあります。
「UNITED FUKUOKA」とは
「UNITED FUKUOKA」とはその東福岡学園が設立した社団法人です。
「地域に開かれた学校を目指す」という目標と、教職員の働き方改革を推し進めながら、子供たちの豊かな人間性を育み、人間的成長を促す部活動を持続可能なものにしたいとの思いから、非営利型法人として設立されました。
具体的には以下のような活動を行うとしています。
具体的には、東福岡学園の施設設備を利用して、地域の子供たちなどを対象としたワークショップやイベントを定期的に開催。地域の清掃など「ちょっとしたお手伝い」のボランティア活動にも取り組む。このほか、2024年度からはサッカーやラグビーの活動を開始予定だという。
東福岡学園が抱えるスポーツ施設などの整った環境を地域社会に還元し、また教員顧問制度による長時間労働などの問題解決と社会体育や社会貢献活動の実装に活用するようです。
スポーツや文化活動を市民が支える社会
これまでスポーツや文化活動の草の根の活動の多くは学校と部活が担ってきました。
競技によってはクラブチームなども存在していますが、大多数は学校部活によって競技者の供給と運営がなされていたのです。
これは私見ですが、そうした運営こそが日本のスポーツや文化活動が生涯活動として成立していない原因となっているのではないかと私は考えています。
今回の「UNITED FUKUOKA」は人的資源と環境を地域社会に還元するという試みであり、学校部活動から地域活動へと主軸を移すことが期待されています。
未だ道半ば
公立学校の部活動の問題に関しては報道その他によって顕在化し、現在進行形で解決の方向に進んでいますが、私立学校に関してはどうでしょうか。
私立学校の場合は公立の給特法制度とは異なり、教職員は労働基準法に守られた一般労働者です。
ところが実際には労働基準法が順守されている状況かというと、一概にそうとは言えないようです。
「同一労働同一賃金」や「36協定」未締結などの問題を抱えた学校は決して少なくないようです。
今回の東福岡学園の取り組みはそうした状況に一石を投じる動きとなるかどうか、未だ道半ばではありますが期待したいと思います。