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家族旅行で「学校を休む」ことの是非

今年のGWは飛び石連休だったため、以下のような記事が話題になっていました。

私の勤務校でも、暦通り飛び石連休となっていました。

私は今年高校3年生の担任をしているため、欠席者がいなかったこともあり実感はありませんが、年長になる長男がいる保護者としては興味のある話題です。

私用で学校を休ませることへの抵抗感

記事中からの引用ですが

『女性セブン』が2018年に行ったアンケート(全国の10~80代の男性・女性457名が回答)によれば、「学校休ませて旅行に行く」という質問の結果は、反対が59.8%、賛成が40.2%。

どうやら依然として、私用での欠席に関しての抵抗感は強いようです。

また、職員室でもたびたび話題になることがありますが「あの生徒は病欠の連絡をしていたが、どうやら旅行に行っていたようだ。けしからん」といった反応を示す教員も少なくないようです。

学校を休むことのデメリットとその否定

学校を休むことのデメリットに関して、まずは考えていきます。

  1. 学習が遅れる

  2. ズル休みの癖がつく

  3. 他の生徒など周囲の目が気になる

まず、1についてですが現在このデメリットはほとんど解消されつつあります。多くの学校ではGIGAスクールの実施に伴い、課題などの配信の仕組みが構築されています。

また、学習用の動画教材も充実しており、無料で使えるものが数多くあります。

このことから、保護者がしっかりと学習の管理を行うことが可能であれば学習の遅れはほとんど存在しないと言えます。

また、正直なところ年に数回、連続しない欠席でついていけない授業進度というのは現実的にはありえません。小中学校ならばもちろんのこと、高校でそれなりの進学校であっても考えにくいと思います。

次に2についてです。

今回想定しているのはGWなどの時期に旅行などに行く、という状況です。

「ズル」とはなすべき義務を放棄して、その利得のみに与ろうとする行為です。何らかの目的があって欠席するものであり「ズル」休みとは一線を画しています。

まして、旅先での自然体験や出会い、建築物や芸術作品を鑑賞する機会を「ズル」と考えるのは狭量です。

それに変わる価値を欠席した一日で提供している自信は私にはありません。

3の他の生徒の視線という場合の大半は、教員側が「ズル」と認識している場合に発生するのではないでしょうか。

共働き世帯や、シングルで平日にしか休日がとれない家庭が多く存在するという認識を生徒に教育し、様々な事情があるということを理解を促すことこそが多様性教育と私は考えます。

「普通」という固定観念を基準にしない

結局の所、「学校を休まないのが普通」、「旅行は休日に行くのが普通」、「暦上の休日は仕事がないのが普通」という固定観念が平日休みに対する抵抗感を生んでいるのではないでしょうか。

特に、私達教員は基本的には暦通りに休日がある仕事であるため、そこを基準にして考えがちのように思います。
(まれに教員という職業上のプライド?から、家庭の事情の欠席を自分や学校を蔑ろにされたと感じる教員もいるようです)

旅行による欠席をどう捉えるか

保護者としては休ませる以上は学校に行く以上の価値を子供に与える気概をもつことが重要のように感じます。

教員としては様々な家庭の事情を考慮していくことが重要だと痛感します。特に近年は家庭の事情が複雑化していることも多いため、その重要性は高まっています。

担任としては、そうした事情であれば生徒はぜひ休むべきだし、嘘を言わずに欠席をしてその土産話を周囲にしてほしいと考えています。


ようやくICT導入やリモート化が進んできたのだから、生徒も教員ももっと自由に休めるようになればな、と…

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