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難関大学向けの無料学習塾は行政の無駄が多過ぎる
難関大学合格へ無料学習塾を足立区が設置している記事を見かけました。
昨日、似たような記事を書いたばかりですが、絡めてまとめていこうと思います。
どうして行政で全て賄うという無駄を作るか
昨日の記事では福岡県の難関大向のオンライン授業に関して触れましたが、行政はどうやらこうした無駄事業を好む傾向があるようです。
今回の足立区の事業においては、行政が塾的な学習支援を行っています。
区は5月、世帯収入590万円以下の家庭の区内在住高校1年生25人を募集。6月に学力診断テストを行い、応募者64人の中から上位26人を選抜した。
塾は英語、数学、国語のうち1科目を選択。区のこども支援センターで週1回、個別指導と、人工知能(AI)を活用した問題演習を1時間ずつ行う。3年間通塾する。
区の子供支援センターで個別指導とオンライン教材を利用した演習を行うようです。
個別指導や管理のコスト
まず個別指導を行う人材の人件費について考えます。
1時間の難関大志望者向けの個別指導、それを見るとなるとそれなりの人件費がかかります。
まともに効果のある個別指導を行うのであれば最高で生徒2人に対して講師1人は欲しいところです。(本当は一対一が理想です)
これを場所の確保と人材の確保まで考えれば決して安くはない費用が掛かります。(加えてこの事業の管理業務に人材として役所の職員を割く必要もある)
そもそも週1回の個別指導、しかも1教科しか指導しないという時点で難関大学の受験を舐めています。
一般的にはこの程度の塾の利用率ではほとんど成績が上がらないのは目に見えています。
足立区は23区の中でも特に学力が低いという話も聞きます。
そうであれば、区内の私立中高一貫である足立学園への進学者に対する助成事業や区内の塾、予備校に対して補助金を出すなどの施策などを考えるべきではないでしょうか。
行政が塾を利用する方針を固めるべき
賛否は分かれますが、こうした事業を考える場合は個人的には大阪市の塾代助成事業を範とするべきだと考えています。
もちろん、行政が特定の事業者に対して補助を行う、あるいはその利用者に対して助成金を出すということが行政処理上の問題として難しいことはあるのでしょう。
しかし、公務員が慣れないビジネスを立ち上げるに近い新規の事業立ち上げを行うぐらいならば、既存の団体を有効利用すべきだと思います。
地域の中に大学進学塾が存在しない過疎地ならばともかく、足立区内には予備校や学習塾がいくつも存在しているのです。どうしてこれを利用しないのでしょうか。
今回の場合、本当に成績を上げたいのならば、新たに塾を設置するに近い状況の指導体制を整備するシステムを構築する必要があります。
学習管理も考慮すれば、既存のシステムに組み込むのが最も費用対効果が高いのではないでしょうか。