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1人1台パソコンを自己負担にする群馬県は参考にすべき事例であって批判すべきではない


GIGAスクールと端末の支給問題

コロナ禍におけるオンライン対策によるGIGAスクールの前倒しが行われて早二年、そろそろ端末の切り替え時期に入りつつあります。

個人で購入したものは別ですが、自治体や学校で支給された端末の場合は次の切り替えに関して頭を痛める担当者も少なくないと聞きます。

2024年度の概算要求においてはこの更新費用を盛り込む予定となっていますが、今後もこの対応が恒久的に行える保証はなく、継続性のあるシステムの構築は不可避でしょう。

群馬県の公立高校では自費購入の方針

そんな中、群馬県では次年度以降は公立高校の場合は自費でPCを購入する方針であるというニュースが入っています。

この動きに対して賛否が分かれているようで、記事内にも以下のようにあります。

 8~9月に県教委は中学3年生の子どもがいる保護者に購入が可能かどうか、可能なら予算はいくらかをアンケートした。回答した6388人のうち22%が「金銭面で不可」、28%が「5万円以下」、15%が「5~7万円」、5%が「7万円以上」と答えた。

「金銭面で不可」という回答をした家庭にとってはこの改定に賛成することはないでしょうし、予算面で5万円以下(これではまともな性能のものは難しい)とする層まで合わせると半数に上るようです。

むしろ自費で購入すべき

高校生である、という前提ではありますが私は正直なところ小中学生も含めて個人での購入に切り替えるべきだと考えています。

そもそも学校利用する端末は文房具として活用する類のもので3~6年は使用する前提になります。

仮に12万円のものを6年間活用するのであれば、年間では2万円、月で割れば2000円弱、これを支払わないという方が無理筋です。この程度の負担は子供を持つ家庭ならばとうぜん負担すべきレベルの金額でしょう。

もちろん、住民税非課税世帯など特別に配慮する人たちの存在は考慮すべきですし、貧困世帯への実費負担や現物支給を利用していく必要はあるでしょう。

しかし、鉛筆や消しゴム、ノートとに類する文具を全世帯分すべて公費で賄うというのは明らかに違和感があります。

一次負担が難しい場合の分割制度や貸付制度、故障の場合の保険の強制加入なども含めた制度を充実させる必要はあるにしても個人負担が原則とすべきです。

実際、記事内でも22都道府県は自費での購入となっており、これは義務教育でも同様の取り扱いをすべきものではないでしょうか。

更新費用が毎年かさんでいく地獄

残念ながらICT端末には寿命が存在します。

物理的に試用不可能になるというケースもありますが、性能面も含めて利用が難しくなるというケースの方が多いでしょう。

つまり、こうした端末更新は常に発生し続ける固定費として計上されていくことになるわけです。

もちろん、教育費を惜しまないという国の姿勢を持つことは重要です。

しかし、個人で利用する道具全てを支給するというのは縮小経済を受け入れざるを得ない日本においては持続不可能な制度でしょう。

繰り返しになりますが、本当に負担が難しい家庭に対してのフォローアップが必要なのは言うまでもありません。

ただ、端末の費用は利用する期間で均せばそこまでの負担にはならないはずです。

現在は自治体が負担しているような地域も早晩、財政が負担に耐え切れなくなるのは間違いありません。

そうした時点で批判を受ける前に、現段階から運用の切り替えをする必要があるのではないでしょうか。

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