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国民の3人に1人が「大半の教員が仕事に熱心に取り組んでいる」と答える国家の教育の末路


教育に関する世論調査

世界最大規模の世論調査会社イプソスの「教育に関する意識調査2023」で、教員になるよう勧めたい日本人は19%という結果が報道されていました。

こうした調査は定期的になされていますが、教員不足問題が社会問題化した状況で行われたこの調査は、これまでとは大きく意味が異なるものでしょう。

教員の給与が低いという認識はあるらしい

この調査では教員の給与に関しての質問があるようです。

「あなたの国では、大半の教員に十分な給与が支払われている」という問いに対し、「そう思う」と答えた日本人は31%で半数以上が十分ではないと考えていることがわかった。

どうやら1/3の国民は教員の給与が十分、過半数はそうではないという意見です。

これだけ残業代が存在しないなど、給与問題に関しては多きく取り扱われているにも関わらず、1/3の人達はそれでも十分だ、と認識しているということです。

その理由に関しても以下の結果で考察することができます。

「あなたの国では、大半の教員が仕事に熱心に取り組んでいる」という設問に「そう思う」と答えた日本人は47%で、同率の韓国とともに29か国中、最下位となった。「そう思わない」と答えた割合は36%で、29か国中、上位6番目。

教員の皆さん、どうも国民の皆さんから見ると大半の教員が熱心である、という答えに同意するのは半数以下で、世界的に見ると最下位ということらしいですよ。

この結果をどうとらえるか難しいところですが、少なくとも多くの教員が取り組んでいる仕事の大半は国民には見えておらず、熱心さも感じられないということのようです。

教員教育が不十分

教育システムの課題に関しての調査もあったようです。

 「あなたの国の教育システムが直面している最大の課題は何だと思うか?(複数回答3つまで)」という設問に「教員教育が不十分」と答えた日本人は40%で29か国中、2番目に高い数値となった。

教員教育が不十分、教育を行う教員の教育が不十分である、というのが国民の4割に上り、世界でも2番目に高いという結果は、明らかに教員養成に関わるシステムや研修に関して問題認識がある国民が多数派であるということでしょう。

部活動も研修もやめるべき

この結果からも分かるのは、公立教員が熱心さを見せる部活動や忙しさの原因の一つとして挙げられる研修が、大多数の国民からは無駄だと思われている、ということです。

この結果を受けてまで無給かつ無休で部活動をする意味があるかはもう一度再考すべきです。誰も望まない仕事は、仕事ですらありません。

また、教員免許の在り方も抜本的変える必要があるでしょう。

国民が評価しない教員養成の仕組みで取得した免許に何の価値があるというのでしょうか。

教育改革の真似事ではなく、荒療治が必要なのかもしれない

教員不足などの問題が噴出する昨今の空気を見るかぎりでは、今後の数年間で教育改革らしきものは行われるでしょう。

しかし、本当に国民が望んでいるのは抜本的な教育制度の改革です。

戦後80年を迎えようとする現在において、そろそろ学制や入試制度そのものを全てひっくり返す時期が来ているのかもしれません。

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