学習環境を整える方法、5選

生徒と面談をしていると、家庭学習でのことで相談を受けることがあります。

その中でも多いのが、家で集中できないという悩みです。

もちろん、根本的な問題自体は本人の自覚であったり、学力不足であったりするのですが、それでも物理的に解決可能なことがあります。

高校生ぐらいの年齢の場合、学習環境に関して無自覚であることが多いようです。

そこで、学習環境、特に勉強をする個室の環境に関して普段生徒に話していることをまとめていきたいと思います。

1.机と椅子の高さを調整する

一般に机と椅子の高さは以下の式で計算するようです。

  • 適切な座面の高さ=身長 × 0.25

  • 最適な差尺=身長 × 1/6

  • 机の高さ=座面高+差尺

差尺は座面から机上表面までの高さになります。これを調整することで、適切な姿勢で学習をすることができます。

私の勤務校では生徒のコロナ前までは家庭訪問を行うのが通例でした。そのときに、生徒の勉強部屋を見せてもらうことようにしていたのですが、多くの生徒はこの高さが合っていません。

おそらくは小学校入学時に買った机と椅子をそのまま使っているケースが多いようです。通常、それらには高さ調整機能が付いていますがそもそも調整をしていないか、していてもきちんと合わせていないことがほとんどです。

これをきちんと調整するだけでコスト0で集中力を高め学習効率を引き上げることが可能でしょう。

2.机の上の棚を撤去し、板面を広く使う

次に机の上の棚を撤去することです。

そもそも机は狭いほど学習効率が下がります。そして多くの生徒の使用している学習机は机上に棚が据え置きされています。

これが板面の使い方を制限し、作業効率を落としている原因になっています。

また、本や参考書を立てている場合、それが視界に入って集中を妨げることになります。漫画や趣味の道具なども基本的に机上からすべて撤去しましょう。

棚はおしゃれですが、学習の観点からは必要ありません。教材関係は教科ごとに箱にまとめて入れるなどしておく方が良いでしょう。

そして、その教科を勉強するときに箱を出すだけで良い、片付けも下のリンクにあるような箱の中に入れる、という形式だと時間短縮にもなり学習へのハードルを下げる効果も期待できます。

3.机を壁向きから、社長室的な向きに変える

一般的には学習机は壁付けにしてあることがほとんどだと思います。

しかし、あえてこの向きを変えることを推奨します。

いわゆる、「社長室」のように入り口向きにする置き方です。

このことで視界が開けるため、壁向きのときと比べて集中力が高まることが期待できます。また、扉に背を向けていないという安心感も得られます。

注意すべき点は、視界に入る向きに玩具やゲーム、漫画などを出したままにしないことです。効果的な運用を行いたい場合、必ず片付けて学習時に視界に入らないようにしまっておく必要があります。

以上はコストがほとんど掛からない方法です。

次に多少はコストが掛かるものについて考えます。

4.スタンディングデスクを導入する

最近は流行っていますが、スタンディングデスクを導入することです。

学習中に最も集中を妨げるのは眠気です。

ここから逃れる方法の一つが立って作業をすることです。

電動式のものを購入すれば、その都度調整してすぐに座っても作業ができるため非常に効率的です。

欠点は単純にコストが掛かることです。

特に電動のものになると、高校生の使う机としては高価でしょう。

5.ノイズキャンセリングイヤホンを使用する

騒音は集中力を妨げる原因になりやすく、国道沿いの家や下に兄弟姉妹がいる家庭においてが学習の阻害要因の代表と言えます。

そこで、ノイズキャンセリングイヤホンを使用します。

これは、周囲の騒音と逆位相の音を耳の中に流すことで騒音を中和するというものです。

代表的なのはAppleのAirPodsProです。

ソニーからのWFシリーズも有名です。

これらは外音取込機能が搭載のため、つけたまま会話をするなどのことが可能になります。

ただ費用が3万円前後と高価なため、音楽を聞く用途も含めないと購入は難しいかもしれません。

費用的に厳しい場合、使い捨ての耳栓を利用する手段もあります。

ただ、あまり常用しすぎると本番の試験会場の物音が気になるようになります。あくまでも集中力を高めたい瞬間や集中力が落ちるときに利用するのがおすすめです。

以上のように、物理的な環境を変えるだけで意外な効果が得られることは多々あります。

これ以外にも文具にこだわる、などの方法もありますので機会があればまとめたいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!