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年に1日だけ公開の秘仏 ~奈良 東大寺~
世界遺産でありかつ数多くの国宝を擁する奈良の東大寺。その東大寺には毎年12月16日だけ公開される秘仏があります。
今回はその秘仏を見るために奈良東大寺に出かけてきました。
■このnoteを書いている人:かまふち管理人"sho"
日本の歴史・文化・自然・世界遺産、国宝、(続)100名城、日本遺産、建築、町並み、旧街道、映画、日本酒、折り畳み自転車などに興味があります。京都/奈良/横浜/鎌倉/江の島などなど…。
※プロフィールは下記リンク先を参照してください。
■近鉄特急HINOTORIでGO!
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新横浜駅から奈良に行く場合にはこれまで京都まで新幹線で行き京都で乗り換えて奈良に向かいました。
しかし、今回は
近鉄特急HINOTORIに乗りたい
2泊3日の旅なので近鉄3日間全線フリー切符が使える
ということで、名古屋駅から近鉄特急HINOTORIに乗りました。
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HINOTORIの乗り心地は快適そのものです。このまま大阪方面まで行きたい気分でしたが、途中駅で乗り換えて午前11時ころには近鉄奈良駅に到着しました。
■東大寺に行く前に郵便局へ
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近鉄奈良駅近くでラーメンを食べたら東大寺に向かって歩きます。
一般に東大寺に行くには南大門から入ることが多いと思いますが、今回の目的地は大仏殿ではなく、またその前に郵便局に寄りたいところです。
そのため、ギリシャ神話に登場する海の怪物であるセイレーン(サイレンの語源)のロゴマークでおなじみのカフェのある奈良公園バスターミナルの交差点を左に進みます。
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暫く歩くと左手に奈良今小路郵便局が見えてきました。今回はこちらで風景印をいただきます。
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こちらの郵便局の風景印の意匠が正倉院であることは事前に調べて知っていたので、切手も国宝シリーズの正倉院を準備しました。
切手と風景印の意匠を合せることが出来て、よい気分で旅を続けられそうです。
■大仏殿裏を通って開山堂へ
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郵便局から東大寺境内に入ります。暫く歩くと大仏殿が見えてきます。「右大仏殿 左二月堂」と刻まれた石柱のところは迷わず二月堂方面に進みます。
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やがて二月堂が見えてきました。道の両側に塀があるこの情景は数々の媒体で紹介される東大寺の有名な情景のひとつです。
この日も私のほかにも数名の方がここで写真撮影をしていました。お互い譲り合って気持ちよく撮影しました。
■特別公開 開山堂
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法華堂(三月堂)と開山堂とで同日に秘仏が公開されるということで、法華堂前広場は大勢の人で賑わっています。
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開山堂入り口 案内板
最初に開山堂に入ります。
開山堂は建物そのものが国宝に指定されていますが、公開されるのは毎年12月16日だけです。
そして、開山堂内に安置されている国宝の良弁僧正像も12月16日だけの公開となります。
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良弁僧正は東大寺初代別当で、689年持統天皇の時代に相模国に生またという説と近江の出身であるとの説があるようです。
開山堂は1200年に改築され1250年に現在地に移築された建物で国宝であり、同じく国宝である良弁僧正像を安置しています。
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私は良弁僧正像は過去に博物館で見たことがありますが、博物館で見るのと本来の場所で見るのとでは、受ける印象はやはり違うものです。
当然のことながら開山堂は博物館に持って来ることは出来ず、今回が初めての拝観となります。
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開山堂と良弁僧正像を見学して開山堂出口に近づくと、修二会(お水取り)で使われた籠松明が展示してありました。
■京田辺市の籠松明については下記リンク先を参照してください。
■国宝執金剛神立像は5分刻みの見学
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秘仏中の秘仏である執金剛神立像の公開とあって既に行列が出来ています。法華堂内に入るまでにおよそ30分ほど掛かりました。
法華堂内部に入ると、不空羂索観音を中心とした巨大国宝仏が並びます。これはもう物理的にも精神的にも宗教的にも圧倒されてしまいます。
するとどうでしょう。法華堂内部のどこかで、台所でよく聞くキッチンタイマーの音が聞こえます。
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法華堂に入るとまず不空羂索観音像の前で5分待ちます。続いて少し進んで不空羂索観音像の横で5分待ちます。
あのキッチンタイマーの音は、係りの人がきっちりと5分を計測するためのものだったのです。
***
いよいよ不空羂索観音像の裏側、執金剛神立像の前に来ました。
見学できる時間はわずか5分です。今もなお鮮やかな彩色の残る貴重な仏像を、執金剛神立像のお導きでこの狭い空間に集まった20人と一緒に拝観します。
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執金剛神立像は高い場所にあるため見学用の階段がありますが、参加者同士が交代で譲り合う美しい光景が繰り広げられます。
やはり御仏の前では誰しもが思いやりの心で満たされるのでしょう。
■国宝建築群を鑑賞しつつ移動
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三月堂を後にして隣りの二月堂に向かいます。旅行人の習性なのでしょうか、旅行に行くと疲れていてもなぜか高いところに登りたくなります。
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二月堂を出て東大寺境内を歩きます。鐘楼(建物)と内部の梵鐘ともに国宝に指定されています。
東大寺は歩き進むとすぐに国宝に出会うことが出来る"国宝空間"となっています。
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上の写真のは俊乗堂と拝観待ちの人たちの行列です。
この日は開山堂、執金剛神立像のほか、鎌倉期の東大寺再建の中心人物であった俊乗房重源上人坐像(国宝)の公開日でもあります。
■俊乗房重源上人坐像の公開日は7月5日と12月16日の年2回となります。
俊乗房重源上人坐像については私は東大寺でも博物館でも見たことがあるので、今回は立ち寄らずに先に進みます。
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東大寺東回廊付近に鮮やかな紅葉がありました。ちょうど2頭のシカが草を食んでいたのですが、なかなかこちらを向いてもらえずやむなくシカのお尻の写真となりました。
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東大寺大仏殿正面に来ましたが、何度も来ているので時間節約のためにも中には入りません。
向かって右端が画面に入らず切れているのは、回廊の柵の隙間から撮影したことにより大仏殿を中央に捉えられなかったためです(言い訳)。
■平日のみ公開の正倉院
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せっかく平日に東大寺に来たので、平日しか見られない国宝である正倉院正倉を見に行くことにします。
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なぜ正倉院が平日しか公開されないのか、それは正倉院が(東大寺ではなく)宮内庁が管轄しているからです。
宮内庁職員ももちろん公務員ですから週休二日制の勤務ということなのでしょう。
***
正倉院正倉は重要文化財に指定されることもなくいきなり国宝となりました。
正倉院宝物や桂離宮などの離宮、三の丸尚蔵館の蔵品も、宮内庁傘下の文化財は文化財保護法の適用外にあるというルールのため国宝に指定されることはありませんでした。
正倉院正倉については、日本政府が奈良公園一帯をユネスコの世界遺産に推薦するため特別に国宝に指定したものです。
■現在では三の丸尚蔵館の蔵品も国宝に指定されています。
正倉院入り口から正倉院へ続く道は、防犯カメラが設置されるなど、静かですがある意味物々しい雰囲気です。
奈良時代から続く貴重な建物のため破壊活動などに警戒して警備が厳しくなっているということでしょう。
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正倉院正倉はもとは東大寺の正倉で、奈良時代以来宝物を収蔵してきた宝庫です。
奈良時代に建てられた間口およそ33メートル、奥行およそ9.4メートル、高さおよそ14メートルの堂々たる建物が今なおこうしてお私たちの目の前に残っているというのは本当に驚きです。
■最後は南大門から
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正倉院を出て南大門から東大寺を出ました。久しぶりの東大寺、大仏殿や戒壇院には行きませんでしたが、十分に満喫した思いです。
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■最後に
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歴史の授業でもおなじみであり修学旅行などで多くの人が訪れたことのある東大寺。
そんな東大寺は私も何度も訪れたことがありますが、今回は年に1度だけ公開される国宝の秘仏を拝観しました。
未見の国宝2件(開山堂・執金剛神立像)をやっと見ることが出来て満足した思いです。
上の写真は南大門近くにある東大寺本坊入り口です。聖武天皇の命日である5月2日のみ開門されます。
東大寺で未見の国宝は残り2件、そのうちのひとつが本坊内にある経蔵です。
以前は4月10日前後に公開されていて「そのうち行けるだろう」と思っていましたが、いつの間にか5月2日が公開日となりました。
大型連休付近ということでむしろ個人的には行きにくくなってしまいましたが、いずれは5月2日に東大寺を訪問したいと思っています。
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