ZIPPOハンディ・ウォーマー再生の話し
寒い日が続く中、使い捨てカイロばかりを使うのもエコロジー的に考えてどうなのかいという思いから、ずいぶん昔に買ったZIPPOのハンディ・ウォーマー(以下、書くのが大変なので「ジッポ懐炉」と表記)を久しぶりに引っ張り出してきました。
■ZIPPOといえば、私の年代では実写版の忍者ハットリくんに出てきた「忍者怪獣ジッポ」を思い浮かべる人も多いと思いますが、今回は忍者の話しではなく、世界的に有名なたばこ着火用ライターであるZIPPOの話しです。
懐炉といえば、やはり私の年代ではハクキンカイロを思い出す人もいると思います。このハクキンカイロとジッボ懐炉は、構造や大きさ、発熱する仕組みが同じです。
一説ではジッボ懐炉はいわゆるOME生産で実はハクキンカイロの会社がジッポ懐炉も作っているとか(裏付けは取っていません)。
いずれにしても、これから記述する再生方法や交換のための消耗品も、どちらのものを使っても問題ないようです(ネット情報では燃料についても大丈夫とのこと)。
■このnoteを書いている人:かまふち管理人"sho"
日本の歴史・文化・自然・世界遺産、国宝、(続)100名城、日本遺産、建築、町並み、旧街道、映画、日本酒、折り畳み自転車などに興味があります。京都/奈良/横浜/鎌倉/江の島などなど…。
■使ってみたけど温まらず 再生の道へ
このジッポ懐炉を買ったのはいつのことか既に忘却の彼方ですが、少なくても20年は経過していると思います。
久しぶりに点火をしてみたものの、まったく暖かくなりませんでした。もう捨ててしまおうかと思いましたが、ネットで調べるといろいろな方法で再生している実例があったので、私もやってみることにしました。
■もっともお安い「火口」の再生方法
「火口」とは、点火の際に着火器具の火を当てる点火部分のこと。ZIPPO公式サイトでは「バーナー」、ハクキンカイロ公式サイトでは「火口」と表現しています。
この火口については、劣化が進むと発熱不良となるため、1シーズンごとの交換が推奨されています(ハクキンカイロ公式サイト)。
しかし、ネットで調べてみると、「火口内の触媒をひっくり返すとまだ使える」との情報があったので、これを試してみることにしました。
交換作業に必要なピンセット、こちらも久しぶりに引っ張り出してきました。
火口については底に金属の「ふた」があります。火口の両側に切り込みがあり、この切り込みにふたの両端が刺さっているので、ここを外側から押し込むとふたが外れます。
中にある触媒を取り出してみると、確かに火を当てる上の部分は黒ずんでいるのに対し、底の方はまだ色がきれいです。
この触媒をひっくり返し、元のとおり金属のふたをして本体に装着しました。
■点火をしたらどうなるか
触媒を上下ひっくり返して火口を本体に装着したので、早速燃料のオイルを注入して点火してみました。
するとどうでしょう、着火器具の火を当てられた触媒部分がチリチリと小さな火花と音を立てるではありませんか。これは触媒の上下交換前にはなかったことです。
その後ジッポ懐炉本体は本来の暖かさを取り戻し、見事に「もっともお安く火口の再生」ができました。しかし、暫くして別の問題が判明するとは、この時には思いもよりませんでした…。
■新たな問題 それは持続時間
ジッポ懐炉には、燃料を入れるための専用の漏斗(じょうご)があります。この漏斗側面には2本の線があり、下線までの量ではおよそ6時間、上線までではおよそ12時間の発熱時間となります。
見事に再生を果たした我がジッポ懐炉の火口ですが、この時は燃料の量や発熱時間をあまり意識しておらず、ジッポ懐炉も数時間で冷めてしまいました。
これを解決するにはどうしたらいいか、ネットでいろいろと調べましたが、本体内部の綿交換を試してみることにしました。
■もっともお安い「綿」の交換方法
本体内部に入っているのが本当に普通の綿であることは、今回いろいろ調べて初めて知りました。そして火口と同じく、本体内の綿についても純正の交換品が用意されています。
しかし、普通の綿なので純正品でなくても薬局で売られている綿で代用できることを知り、早速地元の薬局で綿を買い求めました。
■本体の綿を交換
◆古い綿を抜き出す
この後の作業の効率性を考えると、7.5センチ×14.5センチの大きさのものがすこぶる都合がいいとのことで、薬局に行ってこれを買いました。
袋から綿を取り出したらまずは二つ折りにします。この二つ折りにした状態がジッポ懐炉の本体内部にぴったりの大きさとなります。
二つ折りにした綿に、真ん中部分が台形となるよう定規とフェルトペンで線を引きます。そしてその線に沿ってハサミで丁寧に切ります。
■私が愛用しているハサミは、刃が直線ではなく緩い円弧を描いているので、少ない力でも切りやすくなっています。
続いてジッポ懐炉本体から古い綿をほじくり出します。作業にはラジオペンチが適しています。古い綿は捨てるだけなので、破れようが構わずどんどん綿を引き出します。
■ほじくり出した綿にはまだ燃料のオイルが浸み込んでいたので、新聞紙に挟んで十分にオイルを抜きました。
◆新しい綿を本体に詰め込む
古い綿を取り出したら今度は新しい綿を詰め込みます。まずは片側の綿を入れ、ラジオペンチでグイグイと端に寄せます。
もう片側も同様に詰めたら、中央部分を入れます。最後にラジオペンチで入り口付近に空間ができるよう綿の表面をならせば作業終了です。
■綿を交換して点火 持続時間は?
前回は燃料の量を意識していなかったので、今回は6時間分の燃料をきっちり量って本体に注入しました。点火のときに触媒がチリチリと火花と小さな音を立てたのは前回と同じで、火口の復活ぶりを印象付けます。
問題の発熱時間ですが、4時間から5時間といったところでしょうか。公式サイトに記載の6時間とまではいかないけれど、実用的にはまあまといったところです。
■最後に
火口と綿を交換し、再生を果たした我がジッポ懐炉。ハクキンカイロ公式サイトでは交換用の綿は1回分で税込み780円となっています。
一方、薬局で購入した綿は45枚入りで税込み489円です。1枚当たりに換算すると489円÷45枚で10.8円となり、どちらが費用対効果に優れているかは明らかです。
■「ジッポライターの火を見るより明らかです」と書こうと思いましたが、「火を見るより明らか」はいい意味では使わないそうなので止めました。
今回の再生に要した費用をまとめると
火口:ゼロ円
綿:489円÷45枚×2枚=21.7円
本体内に必要な綿の枚数は本来1枚なので、上記の計算式で「×2枚」となっていることから、1枚は失敗したということがジッポライターの火を見るより明らか(よし!)ですが、それでも純正品を買うよりははるかに安上がりです。
発熱時間が伸びなかったのが少し残念ではありますが、この冬はこれで乗り切ることとして、次の冬は純正品の火口に交換してみようと思います。
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