【蔵出しその3】世界遺産富岡製糸場と上野三碑(実は二碑)(2019年3月)
蔵出しシリーズその3は、群馬県にある世界遺産かつ国宝指定の富岡製糸場と、ユネスコの「世界の記憶」指定されている上野三碑(こうずけさんぴ)に行った時の話です。
しかし、ちょっとした手違いから、上野三碑が上野「二碑」になってしまいました。
■世界遺産富岡製糸場へ
群馬県富岡市にある富岡製糸場は、「富岡製糸場と絹産業遺跡群」という名称で世界遺産に登録されています。
今回の訪問は2回目ですが、初めて来た時と比べて観光客の受け入れ態勢が大変よく整備されていました。
現地に到着したら、まずは場内ガイドツアーに申し込みました。前回来たときにはこのツアーはありませんでしたが、絶対にお勧めです(200円)。
ツアーの最初は国宝にも指定されている東置繭所です(上の写真)。内部にはギャラリー、展示室、売店などがあります。
アーチに刻印された「明治五年」の文字も必見です。
ここから左に進み、要所要所でガイドの方の説明があります。※下の写真は東置繭所の2階内部
■重要文化財の建物たち
検査人館(重要文化財)、女工館(女工さんたちの生活する寮・重要文化財)などを過ぎるとブリュナ館(重要文化財)があります(下の写真)。
ここは指導者として雇われたフランス人 ポール・ブリュナが家族とともに生活していた建物です。
■国宝 繰糸所
次の見どころは繰糸所(国宝、下の写真)です。繭から生糸を取る作業が行われていたところで、かつて多くの女工さんが働いていました。
建物内部は作業がしやすいように窓が大きくなっているなどの特徴があります。また、ここで使われている機械は日産製です。下の写真の白い案内板のところに「ニッサン」と書かれています。
途中、ひとりの女工さんの写真があります。この方は和田 英(旧姓横田)さんといいます。
この方は現在の長野市松代町の出身ですが、松代城下にある実家(旧横田家住宅)が現在重要文化財に指定・公開されています。
私は2017年の9月に松代城に行った際に旧横田家住宅にも行っているのですが、その後富岡製糸場を訪れた時に旧横田家のことを思い出し「こんなところでつながっているのか!」と驚いた記憶があります。
■その他の施設
繰糸所から外に出ると、広い敷地に内にいろいろな施設があります。
まず目立つのは大きな煙突、そして鉄水溜(重要文化財)。これは、製糸に必要な水を溜めておくための巨大な水槽で、およそ400トンの水をためておくことができたそうです。
「ブリュナエンジン動態展示施設館」では、復元された動力施設が実際に動いている様子が再現されています。
富岡製糸場入り口近くの東置繭所と並ぶ大きな建物で、やはり国宝に指定されている西置繭所は、この日は整備のために工事中で中に入ることは出来ませんでした。
現在では整備工事も終わり、公開されているのではないかと思います。
写真はありませんが、1回目も2回目もお昼は新洋亭というお店で食べました。普通でよかったです。
■ユネスコ「世界の記憶」上野三碑へ
上野三碑(こうずけさんぴ)とは、群馬県高崎市内にある山上(やまのえ)碑、多胡(たご)碑、金井沢(かないさわ)碑の3つの古代の石碑です。
日本に18例しかない古代の石碑の中でも最古の部類に属するもので、3碑とも国の特別遺跡や国連の「世界の記憶」に指定されています。
三碑に刻まれた内容は、中国を起源とする政治制度、漢字文化、インドを起源とする仏教が、ユーラシア東端の地である日本に到達しただけでなく、さらに遠く離れた東部の上野国に多数の渡来人の移動とともに伝来し、地元の人々に受容され、広まっていったことを証明しています(上野三碑公式サイトから引用)。
【ユネスコ「世界の記憶」とは】世界的に重要な文書や書籍、絵画・音楽など、歴史的記録物の保存への意識を高めるとともに、利用を促進するため1992年に開始されたユネスコの事業で、2017年10月現在、『アンネの日記』やベートーヴェンの自筆楽譜など427件(日本関係は7件)が登録されています(群馬県公式サイトから引用)。
上州富岡駅から上信電鉄に乗り、高崎方面に戻るようにして吉井駅で降ります。上野三碑巡りには、吉井駅から「上野三碑巡りバス」(無料)を利用するのが便利です。
初めて来たときには、まだ無料巡回バスはなく、吉井駅で貸自転車を借りて多胡碑だけを見に行きましたが、今回は無料バスに乗り三碑とも巡ることにしました。上記サイトを確認すると、今年(2021年)4月1日から停留所が追加されていますね。
最初に訪れたのは多胡碑です。吉井石碑の里公園の一角にコンクリート製の建物があり、この中に多胡碑があります。写真撮影は建物の外からになります。
毎年3月10日前後の日に建物のドアが開けられ多胡碑を直接見ることが出来ます。
公園内には多胡碑記念館があります。記念館内部には、上野三碑のレプリカや漢字の書体などの展示があります。
■山上碑を飛ばして金井沢碑へ
多胡碑記念館を出てバスを待ちましたが、事前に確認していたはずのバスの時間を間違えていたことに気が付きました。
この日の夜は飲み会があり、私が幹事であり時間短縮のため、次のバスでは山上碑では下車せず金井沢碑まで行きました。
金井沢碑入り口は駐車場や四阿などが整備されています。比較的最近整備された印象です。金井沢碑はここから斜面を少し登ったところにあります。
金井沢碑からは上信電鉄の根古屋駅までのんびり歩きました。
■最後に
上野三碑のうち多胡碑は、那須国造碑(栃木県大田原市・国宝)、多賀城碑と並ぶ日本三古碑とされています。私は、那須国造碑は1回、多賀城碑と多胡碑はそれぞれ2回訪れています。
今回訪れた富岡製糸場と上野三碑(ただしそのうち2個所)とも、ボランティアガイドの充実や無料巡回バスの運行など、当局が観光客を受けいる態勢に力を入れていることがよくわかります。
もう一度訪れる機会があれば、間違いなく三碑とも訪れたいと思います。
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