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あきらくんとアスレくん

 以前、twitterにこんな投稿をしました。

 この”いい奴”こと皆本晃選手は、Fリーグ/立川・府中アスレティックFCに所属するフットサル日本代表選手。そして、わたしがマネジメントを担当している選手です。彼を担当することになったきっかけは、当時、府中アスレティックFC(改名前)のGMだった中村恭平さんからの紹介でした。以前、小宮山の記事で書いた2012年のW杯前後のメディア出演・掲載数を評価され、「ぜひ、うちの皆本も」と指名をいただいたという経緯です。

 初対面の日、チームのトレーニングのあと、ある場所で待ち合わせをしました。実際に皆本選手を前にしたわたしの第一声は「・・・顔ちっちゃいですね!!!」

 本当に小さいんです。小玉スイカくらいしかないんです。そんな小玉スイカ、もとい皆本選手から言われたのが冒頭の言葉。わたしは試合を観まくっているのでもちろん皆本選手のことは知っていて、なんとなく勝手に生意気そうなイメージを持っていました。

わたし「今までこれこれこういう仕事をしてきて、フットサルの仕事ではこんなことをやってきました。ただ、競技に関しては素人で、実績も何もないんです」

スイカ「年間100試合以上フットサル観てるんですよね! まったく問題ないじゃないですか!」

わたし「(いい奴!!!! いい奴すぎる!!!!! 生意気だなんて思ってごめんなさい!!!!!!)」

 この頃はまだ、試合会場に行けば誰の彼女だ、愛人だ、女だから仕事をもらえる、と言われまくっていた時期。そんなことには慣れ切っていたので何を言われても気にしなかったけど、初めて話す選手にそんなことを言ってもらえるなんてものすごい衝撃でした。

 その後、実際にマネジメント契約を結びましたが、以前ちらっと書いた共同経営者の金銭トラブルや、わたしがもう少し手広くフットサルの仕事をしたいと動き始めたこと、フットサル日本代表が2016年フットサルW杯の出場を逃し注目度が落ちたことも重なり、わたしが彼に与えられたものというのは本当に数少ないと思っています。皆本と小宮山を預けている株式会社アレナトーレから得られるものはあるけど、もっと彼のためにできることはないのか、自問自答をしていました。

 そんな中、AbemaTV(現・ABEMA)「株式会社ニシノコンサル」の出演のきっかけをいただき、担当している選手を連れていきたいという希望が通って2人で番組に出演しました。

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 当時の番組をご覧になった方、いらっしゃいますか? わたしはこの番組で「皆本晃をスターにしたい!!!」と言いました。でも、これは計算。

「わたしはマネジメントという立場で晃くんを有名にしたい!スターにしたい!と範囲の狭い話をする。そこで晃くんは自分がスターになるかどうかより立川・府中、Fリーグ、フットサルの認知度を上げたい、という話をして先につなげていきましょう」

 そして狙い通り、皆本選手や立川・府中をフックにFリーグの認知を拡大していくアイデアや方法へと話が及びました。この出演をきっかけに皆本選手から話が出たのが「チームマスコットを作りたい」「クラウドファンディングで資金を募りたい」というもの。

 環八の瀬田交差点で信号待ちをしているときに電話を受け、「これだけは絶対に成功させる」と心に誓いました。今まで満足のいくサポートができていなかったけど、大きなチャンスが巡ってきた。もし、思うように資金が集まらなかったら貯金をはたいてでも成功させよう。そんな覚悟をしながら、話を聞いていました。あの日、環八から見た夕日は綺麗だった。

 そこからは、ちょうどクラウドファンディングに携わっていた元同僚にコツを聞いたり、フットボール関係のイラストを描いている方を何人かピックアップしたり、マスコットの製作に向け急ピッチで動き始めました。わたしがピックアップした数名のイラストレーターの中で、皆本選手のイメージに合ったのがアスレくんの生みの親である、スポーツイラストレーターのりおたさん。共通の知人から紹介をしていただき、プロジェクトがスタートしました。

 アスレくんのデザインは、皆本選手、りおたさん、わたしの三者で打ち合わせを重ねていましたが、わたしはクラブの人間ではないので意見を求められるまでは何も言わない、という姿勢を貫いていました。ただ、りおたさんの挙げたデザインを見て「この中だったらこれが好きだな~」と思ったり、別件でりおたさんと連絡を取っているときに「これかわいいですね」「実は僕もこれが好きなんです」と話していたりしたものを皆本選手も選び、アスレくんはなるべくして今の姿になりました。

 これは、実際にアスレくんと会った日。アスレくん、かわいい。

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 会場で似顔絵イベントをしていたりおたさんともお会いできました。りおたさん、かわいい。

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 アスレくんの誕生をサポートできたことで、あの日初対面のわたしを信じてくれた皆本選手に、ひとつ恩返しができたかな、と思っています。

 2015年の10月に左膝の前十字靭帯損傷という大きな怪我を負った皆本選手は、2016年のW杯予選を兼ねたAFCフットサル選手権に出場できませんでした。彼はまだ、W杯のピッチに立ったことがありません。

 この大けがの手術のあと、目覚めるまで見ていた夢の話を皆本選手がしてくれました。本人が覚えているかは分からないけど、わたしはその話を聞いて、この人はこれからも活躍していく、と確信めいたものを感じました。

 小宮山や皆本選手を通して知ったフットサルの世界を、フットサル日本代表を、Fリーグを、心から応援しています。だから、コロナの影響で再三延期となっているAFCフットサル選手権でも、W杯出場を必ず決めてくれると信じています。それを見届けること。そして、できうる限りのサポートをすること。フットサルを世の中に出していくこと。これが次なるわたしの夢で、目標です。


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