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Fリーガーになったら見に行くね【Fリーグ2024-2025 ディビジョン2 第2節】

少し時間が経ってしまいましたが、ディビジョン2 第2節「リガーレヴィア葛飾 vs アグレミーナ浜松」の観戦記です。

ディビジョン1 第2節の観戦記はこちらから↓

リガーレヴィア葛飾 vs アグレミーナ浜松 |
2024/6/8@水元総合スポーツセンター体育館

関東でのF1の試合がなかったこの日。
葛飾には何年前か忘れるほど前にフットサルクリニックでご一緒したサスーン(元・リガーレヴィア葛飾の碓井孝一郎さん)、浜松にはFリーグ選抜で一緒に仕事をした金井一哉監督がいるので「この対戦を見ない手はない!」と一路、水元へ向かいました。

相変わらずどの駅からも遠いなーとバスに揺られていましたが、東綾瀬公園や中川公園と街との調和が美しくて車窓からの景色も楽しめました。

無事にサスーンとも会えました!
前日から絶対食べようと思っていたパエリアのキッチンカーはサスーンの高校の同級生のお店だそうで、パエリアを持って一枚。

失点の仕方が悪かった。葛飾がわずか1分半で3点を失う。

葛飾と浜松の昨シーズンの対戦成績は葛飾の2勝。
立ち上がりは浜松が攻勢に出ますが、4分にカウンターから江本賢也選手が先制点。しかし、10分には葛飾の底辺でのミスを見逃さなかった山桐正護選手がゴールを決め、浜松が試合を振り出しに戻します。この良くない失点の形から葛飾はバタバタと崩れ、わずか1分半の間に尾﨑珠利選手、阿部成那選手に得点を許して1-3。13分には菊池慧選手のゴールで1点差に迫り、2-3で第1ピリオドを折り返しました。

第2ピリオド立ち上がり、巻き返しを図りたい葛飾でしたが、浜松が井上北渡選手のキックインから伊藤悠悟選手のゴールで追加点。ディビジョン1 第4節「Y.S.C.C.横浜 対 バルドラール浦安」でのレアンドロ選手のキックインからロドリゴ選手のゴールのような、いわゆる「チョンドン」での得点でした(威力はロドリゴ選手のほうが格段に上だけど、笑)。伊藤悠悟選手、最後に登場しますので、覚えておいてください。

34分、山桐選手のこの試合2点目となるゴールが決まり3点ビハインドとなった葛飾はここでタイムアウトを取ると、二宮秀文選手をGKにパワープレーを開始。残り1分33秒、上地基選手が1点を返しますが、追撃及ばず3-5で試合が終了し、葛飾はホームで2連敗となりました。

若返った葛飾。決定力の底上げが当面の課題。

試合後、「第1節で負けて、この試合では勝つことがすべての目標だったので、それが達成できずに悔しさもあり、申し訳なさもあり、まだ整理ができていない」と米谷悟監督。菊地耕平主将も「何が何でも勝ちたかったので、負けてしまったのは悔しい」と悔しさを滲ませました。

試合の肝となった第1ピリオドでの3失点。米谷監督に要因を問うと「普段やっていることが出せないとゴールを奪われる。それがFリーグという舞台。自分たちは後半の立ち上がりも課題にしていて、今日もそこで奪われた。その「なぜ奪われたか」という部分をより明確にしていけば勝てるチームになると確信している」。

昨シーズンまで在籍していたベテランが抜け、平均年齢が若返った葛飾ですが「見ている人たちが楽しく、喜んでくれるフットサルを目指す」という根本はそのままに、目指すは「最後まで走り続けるチーム」。菊地主将は30歳でチーム最年長ですが、若い選手たちに具体的に声をかけるよりも行動し、背中で示すキャプテンになっていきたいと考えているそうです。

自身を「引っ張っていくタイプではないので・・・(笑)」と話し、雰囲気が暗くなりそうなときには明るくなるよう心がけているとのこと。前後半を通して両チーム最多の13本ものシュートを放ち、ポストに嫌われたものの惜しいシーンを作った菊地選手。主将として自分がこじ開けるという強い思いだったのかと問うと「前節シュートが0本だったので・・・(笑)。まずはシュートを打たないと入らないので、意識的に取り組みました」と答えが返ってきました。181cm/85kgとサイズも大きく、相手を背負いながら溜めて反転もできるフィジカルは大きな武器だと感じたので、今後に期待です。

第2節の浜松戦、その翌週の第3節マルバ水戸戦も、チームのシュート数は相手を20本も上回りながらも敗戦。決定力は今後の課題となりそうですが・・・。

わずか7名で臨んだ一戦。今シーズンの浜松が目指すもの。

この試合、浜松はGK2名、FP9名の11名登録。さらにピッチに立ったのはGK1名、FP6名のわずか7名と「2015/2016シーズンの湘南ベルマーレですか?」というような試合でした(画像参照)。

浜松の金井一哉監督とはFリーグ選抜2期で一緒に仕事をしていたので、今でも話すのが楽しみな監督。当時、メディアトレーニングを担当していた私は、毎試合後の記者会見で必ず金井監督と磯村直樹主将(現・シュライカー大阪)に質問をするという取り組みを行っていました。

シーズン序盤はなかなか勝てなくて。2019年6月30日、立川・府中アスレティックFC戦のキックオフ前、金井監督が「いつも負けても質問を考えてくれるから、そろそろ笑顔で質問してもらえるような試合をしないとね」と言ってくれたんですよね。そして、その試合の残り6.5秒、AFC U-20フットサル選手権で優勝を収めて帰ってきた畠山勇気選手(現・フウガドールすみだ)が勝ち越し点を挙げ、本当に勝ってくれたという思い出があります。あれからもうすぐ5年。いまだに同じフィールドでこうやって話を聞けるのは感慨深い・・・。

金井監督率いるF選抜2期生が初勝利を収めた日

その金井監督は試合後「最終スコアは5-3だったが、スコアよりも厳しい戦いだった。ただ、人数が少ない中でも一人ひとりが勇敢に戦ってくれたことが勝利につながったと思う」とホッとした表情を見せ、ミヤモト ギレルメ
主将も「葛飾との対戦はいつも激しい戦いになるが、7人という少ない人数でも勝つことができて本当によかった。来てくれた人にも感謝したい」と笑顔を見せました。

今シーズンの浜松は負傷からの復帰待ちの選手もいるので、現状GK2名、FP10名の12名登録とかなりの少人数。一人ひとりの出場時間が長い分、フィジカルトレーニングにも力を入れているのかと思いきや、チームでのトレーニングは持久力アップも含めてボールを使うものに特化し、フィジカルはサポートをしてくれているジムなどで選手がそれぞれ時間を作って取り組んでいるとのこと。

昨シーズンは順位こそ9チーム中3位でしたが、2位のボアルース長野とは15ポイントもの勝点差がついていた浜松。F1経験もあるチームとしてどんなチームにしていきたいかと聞いてみると「”F1に戻る”という表現をできるチームは限られているので、戻ることを目標に結果を出しながら、浜松という地域に恩返しができるようなシーズンにしていきたい。そして、浜松からフットサルの魅力や楽しさを伝えていきたい」と金井監督。ミヤモト選手も「F1に戻るだけではなくそこで戦って、お客さんがたくさん来てくれて、子どもたちが試合を見て”僕も選手になりたい”と思ってもらえるようなチームになることが大事」と答えてくれました。

「Fリーガーになったら見に行くね」

観戦記のタイトルにも記したこの言葉。
この試合の最大の目的は、浜松の伊藤悠悟選手のプレーを見ることでした。

昨シーズンのファイナルシーズン上位リーグ名古屋ラウンド。
名古屋オーシャンズサテライトの選手たちがボールパーソンや担架要員として働いていて、ちょうど私が陣取ったサイドでボールパーソンをしていたのが、当時名古屋サテ所属の 悠悟くんこと伊藤選手でした。

前日に私が「折りたたみいすが壊れた」とポストしていて、翌日に「いす大丈夫でした?」と声をかけてくれたことから話すようになった悠悟くん。名古屋ラウンド最終日の最終戦「ペスカドーラ町田 対 バルドラール浦安」のあと「こんなにいい位置でこんなにいい試合を見ているんだから、勉強になるよね。今度はここに立たないとね!」なんて話をしていたんです。

このエピソードがあったので全日本フットサル選手権予選の初日は迷わず、名古屋オーシャンズサテライトのいるグリーンアリーナ神戸を選択。ペスカドーラ町田との熱戦で惜しくも敗れましたが、試合後、涙を流す悠悟くんに「Fリーガーになったら見に行くね」と声をかけました。

そして、本当にFリーガーになった悠悟くん。
第2節でやっと、Fリーグのピッチに立つ姿を見ることができたのでした。

左上が伊藤悠悟選手

自分からあいさつができる、声をかけることができる、売り込むことができる選手、私は大好きです。もちろんピッチに立って自分を表現できなければいけないけれど。

コロナ前は足を運んでいた地域CLやU18の大会も最近は見る機会がなかったので、またいろいろなカテゴリを見に行きたいな、と思った出来事でした。

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