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2022 J1リーグ 第3節 京都サンガ対ジュビロ磐田 感想・雑感

今節は昨年ともに凌ぎを削り昇格を果たした京都との戦いになりました。
結果を言うと磐田が826日ぶりのJ1勝利を挙げる事ができました。
ここまで戻ってくるのに時間がかかりましたね…正直戻れないと思った事もあったぐらいなので当時を思い出すと感慨深いものがあります…
と言う事で今節も感想・雑感を書いていこうと思います。

スターティングメンバ

ジュビロ磐田 3-4-2-1
前節、山本義選手が退場になってしまったLHVには今シーズン初出場の森岡選手が抜擢されました。伊藤選手と森岡選手どちらのサイドになるか個人的に気になる部分はありましたがそのまま山本選手と入れ替わりになりました。またシャドーに金子選手からカップ戦でも活躍をした大津選手が起用され右に大森選手、左に大津選手と今シーズン初めてとの形となりました。

京都サンガ 4-3-3
実は今シーズンまだ京都のゲームを見れずにいました。目指している方向性は昨年同様ハイライン・ハイプレッシャーのトランジションを制していくスタイルである事は昨年から見ているので分かっていましたが、メンバーが大幅に代わりその形がどこまで継続できるようになっているのか把握できていませんでした。ただここまで浦和、セレッソ相手に勝ち点4を積み重ね、善戦している状況なので苦しいゲームになるのは間違い無いだろうと思います。

継続性と相手によってオーガナイズを変える非保持の対応

今季の磐田の非保持時の守備ブロックの基本ベースは5-4-1でそこからトップがアンカー消しながらスイッチを入れ、追い込む方向のシャドーが同じように高い位置を取りプレッシング、サイドに誘導してWBが奪うもしくは苦し紛れに蹴らせ後方が回収というパターンで清水戦前半は何度もボールを奪い返す事ができました。
今節は前節同様1トップの杉本選手がアンカー消しでしたがスイッチを入れるのはシャドーからが多かったように感じます。特に京都DFメンデス選手に入った時に大森選手がスイッチを入れ磐田側の左サイドに誘導していくように感じました。またこの時、杉本選手がアンカーを消しボランチ2枚が京都IHを監視し中央を消したのも効果的だったと思います。
ミドルゾーンでブロックを組んだ時には5-4-1だけではなくシャドー1枚が高い位置を取りもう1枚は中盤に降り4-4-2のような形で中央を締めながらサイドに誘導していく形や、もう少し低い位置では5バックがスライドする形で4-4-2を形成し後ろに重くならないようにしてポジトラ時にもスムーズに移行できるようにしていたと感じました。
清水戦から1週間しか経っていませんが守備時の対応だけでも引き出しが2つ3つと増えているのは驚きました。また伊藤監督は相手に応じてオーガナイズを変えていく方だと思うので、その都度違った形を見る事ができるのではないでしょうか?相手に応じて対応していく事はかなり重要な部分だと思うので今回の京都戦ではかなりポジティブに感じる事ができました。

流動的だけど規則性がある攻撃

昨年までの磐田も流動的なチームで選手が入れ替わり立ち替わりながらゲームを展開していたと思いますが個々の判断で動くため偏りができてしまいネガトラ時に対応できないといったシーンを多く見たと思います。また同サイドに人数が偏ってしまっているので効果的にアイソレーションができずに密集地帯に突っ込んでいく非効率的な攻撃が多かった印象です。
今節の京都はハイプレス・ハイプレッシャーの特徴的なチームだった為、磐田側も対策を立てやすかったと思います。
前半6分の攻撃は磐田側が用意してきた一つの形だと思います。左サイドで森岡選手が鋭い出足でボール奪取、そこから松本選手を中心に前進して最終的に右サイドから上がってきた鈴木選手に展開、シュートで終わった内容でしたがこのシーンだけでも磐田はしっかりと理詰をしてきてると感じます。
京都側がネガトラ時にアンカー脇・CB前にスペースができるのでそこを利用する事。ボールサイドに圧縮してくる為、1人ワイドで準備させた状態でギリギリまで引き付けてワイドにリリースする事。よく考えると昨年磐田がやられたパターンですね。先制のシーンも似た様な状況だと思います。ポジトラからSB裏に侵入、そこから大津選手のゴラッソが決まりますが逆サイドからしっかりと他の選手が侵入できていたのでそちらも利用できたと思います。こういった所から磐田は京都の構造の隙をしっかりとつけていたと感じました。
またボール保持時に磐田の選手達がローテーションしながらポジションチェンジしていくのが試合を重ねるたびにスムーズになっていく様に感じました。シャドー+WB+HVがローテーションしながら立ち位置が変わるのは開幕戦からここまででオートマティックにできる様になってきました。また4トップの様な形になった時にもローテーションしながらバランスを保っていた様に感じました。人は動くけどポイントは常に抑えておくといった所でしょうか。人が動いてもいるべき場所にしっかりといるので相手に対してトランジションを含め優位に立ち振る舞えると感じました。この方向性での頂点はシティだと思いますが、いずれそういったチームになってくれたらなと思いながらこれからも見ていこうと思います(笑)

ゲームコントロール

試合を重ねる度に攻守両面で上積みを感じる一方でここまでで課題に上がっているリスクマネージメントに関しては良くなってはいるけどたまに危ないシーンがあるよね…といった所でしょうか。前線+WBは流動的に配置が入れ替わりますがボランチ2枚はサイドのカバーリングは除き比較的中央から動かずにバランスをとっていたと思います。清水戦の反省もあったからではないでしょうか。シャドーの選手が1列降りて対応したのもありますが中央が足りないといったシーンが少なくなっていたのは個人的に良かったと思いました。
ただゲームコントロールの部分でもう少しプレー選択を考えていく必要があるのではないかなと思います。例えば前半終了間際、磐田側のフリーキックからウタカ選手のカウンターを受けるシーンがありましたが、残り時間を考えればもっとセーフティーに進めるべきなのではと思いました。また2-0になってからオープンな状況になり京都側に付き合う形で少し強引な前選択が多くなったしまったのも個人的には気になる部分でした。最終的には4-1で点差が広がりましたがこれが1-0なら?2-1だったらどうやってゲームをクローズしていくの?という疑問はあります。もちろんゴールを奪えた方がいいと思います。実際、やってる側も見てる側もその方が楽しいと思います。ただ点差や時間を考えた時にリスクをかけてまでゴールを奪いにいくのはあまり賢い選択だとは思いません。ただそれでもどんな状況でもゴールを奪いにいくストロングスタイルを選択するのならそれはそれで応援していこうと思いますけどね。まだ新チームでリーグ戦3試合しかやっていないのでこの部分が今後どうなっていくのかじっくり見ていこうと思います。

最後に

今シーズン初勝利を挙げ個人的にはホッとしています。降格した2013年は8節、2019年は6節まで勝つ事ができなかったので3節と早い段階で勝てたのは今後に向けてもいい材料になったと思います。またただ勝つだけではなく内容も伴いながら結果を出せたのはいい傾向ですね。
ここからG大阪・浦和と難しい相手との対戦が待ち構えていますが今節の京都戦の様な狙いを持ったゲームができれば充分勝てる可能性はあると思うので皆さんで応援して選手達の背中を押していきましょう!

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