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2022 J1リーグ 第6節 柏レイソル対ジュビロ磐田 感想・雑感

スターティングメンバー

柏3-1-4-2 磐田3-4-2-1

柏は前節から2人、磐田は3人変わって今節は臨むことになりました。
リーグ戦中断期間に行われたカップ戦では福岡相手に1-0と粘り強く闘う事ができましたが、先日クラブから発表があった様にコロナ感染により4名の離脱と苦しい展開になってしまいました。今節含め連戦になりますが総力戦で戦うタフな初戦になると思います。
また今節の柏レイソルは5戦終えた状況で3勝1分1敗と好調な状況で磐田が苦手とする縦に速い攻撃が特徴な相手となります。

前半の感想

まず前節同様に最初の10分間ぐらいは様子を伺う展開が続きました。
伺うと言うよりかは手が出せない様な状況の方が正しいかもしれません。磐田は今まで通り自陣では541の守備ブロックを引き、最終ラインに規制をかける時は523になり出ていくと言った形です。反対に柏はボール保持は4バックに、マテウスサヴィオや中村がウイングであったりIHになり433に可変し磐田の間に立つ様な配置が見受けられました。またミドルゾーンまで進むと334の様な形で旋回しながら磐田のブロックの間を使い規制をかけれない状況を作ってきました。非保持には磐田同様に523の形になりますがハイライン+ハイプレッシャーとWBが高い位置まで出てきてマンツーマンで対応する様な形になりサイドで優位性を保つ事ができていました。

柏はゾーン2 ゾーン3でボール保持→ハイプレスで即時奪回→ボール保持のサイクルを保ちながら磐田が柏のプレスを剥がしてカウンターを繰り出した時には、素早い帰陣で守備ブロックを構築→ボール奪取後、細谷と小屋松を中心にロングカウンター→ボール保持→ハイプレスで即時奪回のスパイラル無限地獄を磐田に浴びせ、防戦一方な展開が1試合通して続きました。

ボール奪取後にどうやって前進するのかが今までも課題ではありましたが浦和戦に引き続き問題が浮き彫りになってしまった印象です。

このデータ通り左サイドは特に深刻でボールロストが多いですが、前進も出来ていない状況です。

前半終了時の平均ポジションを見てもわかる様に磐田の右サイドは差し込まれている状態で左サイドでは柏の3選手が高い位置を取り同サイドで奪う+保持をしている様に思います。
右サイドの鈴木雄斗は磐田にとってストロングポイントなので柏は間違いなく抑えたい存在だと思いますし、左サイドはデータ通りウィークポイントになっているのでそこでプレッシャーを掛けてボール奪取したいと言うのが柏の狙いだったと思います。その狙いに単発で打開するシーンはありましたが、1試合通して磐田が屈してしまったのが全てではないでしょうか?

とはいえ磐田も失点するまでは粘り強く守っていた印象です。先に述べた様に柏は旋回しながら中盤の脇で起点を作りHSを開かせCBから縦に差し込んだり、そのまま持ち運び磐田の選手が出てきたところでフリーの選手を使ってあげたりして磐田のブロックの間をストレスなく使えていました。ですがボックス前ではシャドーの選手が献身的にスペースを埋めピンチでも体を張って守れていたとは思います。ただこの状況ではラインが下がりすぎてる関係で奪取後に前進できない要因にもなっているので間違いなく改善は必要です。現状どうするかが見えてこないのでしばらくはシャドーの選手の頑張りが重要になってくると思います…

自陣でボールを持たれる状況が長く続きましたが決定的な場面で言うとゾーン2以降でのボールロストから受けたロングカウンターが多かったと思います。失点シーンもそのひとつです。

40分の失点前のセットプレーより

失点した場面でも柏に跳ね返された所からロングカウンターを受け規制が掛けれず三丸にボックス内に侵入されクロスを上げられ失点しましたが、問題はその前のセットプレーからで、大切なのはそう言った状況を作らせない、作らない事に限ると思います。柏は素早いプレスで優位になっていましたしそれを理解していたにも拘らずボールの動かし方や立ち位置に工夫が感じれなかったのは残念でした。もっといえばあそこでボールを蹴るのはボランチではなく小川などが蹴り全体を上げても良かったのでは?とも思いました。あくまで選択の中のひとつなので正解はありませんがこの失点シーンでは相手が作りたい状況を自ら作ってしまったプレーのひとつだと思います。

後半の感想

後半になり磐田は今までの541のブロックから532の守備ブロックに変更をしてきました。ボール奪取後の前線へのルートを増やす為と中央を固め自由に使われない様にする為だったと思います。ただ中盤3枚のスライドが間に合わずWBの孤立、対応にでた所で広がった3バック脇を使われる様になり効果的な変更にはなりませんでした。

2失点後にはジャーメイン 大森 リカルドを投入し、なんとか状況を一転させようとします。他の方も注目していたと思いますが、リカルドはチームに合流後まだコンディションが上がりきっていない様に見えました。それでも時折見せるトップスピードの速さであったりボールを持ち運びジャーメインに付けたパス、大森の飛び出しに反応し出した浮き玉のボールなどにクオリティーの高さを感じる事ができました。これからゲームで起用しながらチーム戦術の理解やコンディションなどを上げていく必要があるとは思いました。

ただそれだけでは状況が変わらず小川に変えて古川を投入します。
サイドで高い位置を取れれば2-1の数的不利な状況でもチャンスメイクできる事が分かっただけでも大きな収穫のひとつだと思います。また相手を引きつける事ができる選手だと思うので今後、彼の質的、位置的優位性を生かした攻撃ができると期待してます。もちろんまだまだプロとしてやれる様にならないといけない事も当然あります。ボールロスト後の守備対応、前線からの追い込み、その他諸々… 現段階では限定的な起用にはなると思いますが今後に期待しながら応援していこうと思います。

後半は失点後、変化をつけ状況を変えようと試行錯誤しますが現状、状況を変えれる様な選手が少ない事や、そもそも試合を通して運動量やスピードで不利な状況を作られ続けている根本的な部分が変わらないままなので磐田としては苦しい状況を打破できないまま終わってしまった印象です。

最後に

今節の前に行われた福岡とのカップ戦が個人的には今季ベストゲームだった印象です。コロナが無ければカップ戦から何人かは起用されていたのではないのかなと思います。実際、黒川や山本義はカップ戦の活躍を認められ起用されたとは思っています。本文では書けませんでしたがこの2人のプレーは実際良かった所もあり今後も見たいと思いました。そして柏とのチーム力の差を感じた1戦にもなったと思います。CBの所でボールを動かせない、持ち運べないからボランチが下がらないといけないのか?ボランチが中盤の圧に屈して下がってしまうのか?背後を恐れてラインを下げてしまうのか?中盤の規制が効かないから下がってしまうのか?前線の動き出しが少ないからボールを引き出せないのか?そもそもインテンシティが足りないのではないか?
何かひとつの問題ではなく、たくさんの問題が絡み合ってしまいどこから手を付ければいいのか分からないのが素直な感想です。浦和戦である程度覚悟は出来ていましたが、やはり今季はこう言った課題と向き合いながら過ごさないといけないと改めて感じました。その中で今節、出場したリカルドや古川はこれからの希望だと思います。また福岡戦で活躍したメンバーや新加入のドゥドゥなど登場も個人的には期待している部分です。

これからも難しい試合が続くと思いますがこの状況を乗り越えない限りJ1で戦い続ける事は困難だと思います。なので選手や伊藤監督、コーチングスタッフを中心にクラブそしてサポーターもブレずにそれぞれの立場で出来る事をやり続ける必要があるのではないでしょうか?少なくとも今現在J1で戦い続けているクラブはそれをしてきたと思います。僕自身は心を強くして磐田をこれからも応援していこうと思います。<完>

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