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コラム「実況録音盤」

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2020年3月。
コロナがどうたらこうたら。
ライブ会場が目の敵にされ始めた時。

泣く泣くライブの中止を発表した。
その名も「ショーウエムラレコーディングワンマンライブ」

本当はここでライブアルバムを作るつもりだったのです。

2024年3月1日。
4年越しに開催しました弾き語りワンマンレコーディングライブ。

色々変わった4年間でした。

普通に弾き語りがレベルアップしたこと。
アフターアワーズは活動休止しちゃったけど、そうじゃなければバンドの曲をソロで収録しようとは思わなかったこと。
隣にエレキマンドリンていう聞いたことない楽器を弾くアドリブ男が座ってること。

今年で良かったんちゃう。

「こういうライブアルバムが作りたい」

が完成しました。

ありがとう。
思ってることをツラツラ書いていきます。

聴きながらゆっくり読んでください。

ショーウエムラ


1.始まり

吉本新喜劇時代の間寛平が散々舞台で暴れ回り、「じっとせぇ!」と言われたあとに言い放つギャグ「わしゃ止まると死ぬんじゃー」が子供の頃めちゃくちゃ好きだった。
やけっぱち感が刺さるのは昔からだったのか。
俺の歌詞をひねくれてるとかやさぐれてるっていう人いるんやけど別にひねったこと書いてやろうとかはない。昔からこうなのだ。

夜に歌詞を書けるだけ書いて朝起きたら見返して使えそうなのを残していく。でずっとやってきた。
しかし自分が実はスーパー朝方人間なのでは?と気がついて以降、夜はちゃんと寝て早朝起きがけにいきなり歌詞を書くという方法に変えた。

思ってた通り。やってみたら書ける書ける。
人には向いている時間帯がある。

夜に書いてた時は歌詞に夕焼けがやたらと出てきた。
今は朝焼けをよく見る。
同じオレンジなんやけどこれ微妙な違いがある。
夕焼けはジーッと見てられる。燃え尽きる寸前の火。勝手に歌詞もセンチメンタル。
朝焼けは目を細める。たまに見てられないくらい眩しい時がある。火がつき始めたばかりでギラギラしている。
決意のような、腹くくるような気持ち。

朝焼けに染まる。そこでケリをつける。
ってスーッと出てきた。
あんまりこねくり回すとボツる。
この曲はスーッと出てきたのでとても気に入っている。

スーッとが大事。

「ジンジャーエール。辛いのか甘いのかどっちにします?」
ってマスターが言うてた言葉が何かずっと残っててどっかで使おうと思ってた。
ジンジャーエールの歌詞といえばくるりのバラの花ですね。大学の時コピーしました。頭の引き出しはふと開いたりする。積み重ねたとこから言葉は出てくる。1曲目はこれにしようと決めたらこのアルバムは動き出した。

1人でも歌うよ。わしゃ止まると死ぬんじゃ。
新たな始まりの歌。
ずっと待ってる歌でもある。

2.ノンフィクション

「ジャズ大名」が好きなんですね。
あの映画見てからライブに向かう気持ちが変わった。
家で見てたんやけど後半から気付けば見ながら踊っていた。
「これやー!これが音楽やー!」
と近所迷惑を気にして心で叫んでいた。
江戸時代末期に奴隷解放された黒人ジャズミュージシャンが静岡の藩に流れついて侍とジャズを演奏する。
「そんなアホな」すぎる展開だがこの映画で重要なのはストーリーではない。リズムだ。監督はあの岡本喜八。

曲を「リズム」「メロディ」「歌詞」で分けるならダントツで大事なのはリズムです。
こんな私でもたまにアドバイスを求められたりするんですが大体言うのは「ギターも打楽器やで」です。
弾き語りだろうがベースボーカルだろうが弦楽器も打楽器のつもりで弾いている。じゃないと体からのリズムが出てこない。面白いもんで心からリズムに乗っかれている時は勝手にお客さんが手拍子起こしたり踊り始めたりする。アフターアワーズの時からあんまり手拍子煽ったりしたくなかったのはそれ。そういうのが起こらないってことはそもそも自分がリズムに乗り切れてないのだ。だからってメトロノームのように正確にテンポを刻めばいいのかっていうとそういう演奏が一番おもんなかったりする。

リズムはムズいですね。

ちょっとそこのあなた。
歌詞とメロディ大事にしすぎよ。静かな歌にもリズムはある。
なんとなくジャカジャカ弾きながら歌ってるだけは弾き語りとは言わんのだ。

「ノンフィクション」は2020年。コロナでずっと家にいて映画ばっかり見てたんやけど、この世界が現実か虚構か分からんようになってきて書いた歌です。

元々「フィクションみたい」て歌詞やったんですが、「ノンフィクションだ!」に変えました。
あの日々は嘘ではない。
幻みたいやったなー。何やったんやあれ。
誰もおらんライブハウスでカメラの前で配信ライブやったん忘れへんわ。
ライブアルバムまで作れるようになったのがありがたいです。
なかったことにはしない。

僕らの日々はノンフィクション。
気合い入れるならジャズ大名。

3.デイジー

イメチェンしましてん。パーマネントですねん。
ここ数年はバチッとツーブロック七三分け。
クレイジーケンバンドでいうところの「横分けハンサムボーイ」
的な気持ちでやっておったのですが。
ずっと「剛」な感じやったので「柔」にしてみよかなと。

とある人から「君は背も大きくないし顔も小さいからどこか大きくした方がいい」と言われたことがあって。
なるほど。ってんで衣装をダボっとさせたりしてみたんですが、悪くはないんやけどただただダボっとしてるだけのようにも見えるし、ステージ上がる時はボタン上まで止めた方が気持ちピシッとなるんですよね。
そもそものクセ毛、ゆる天パ。美容師さんから「よほどのことがない限りハゲないよ君」と言われたガンコ髪質なもんで、よりクルンクルンさせるのはどんなもんやろねー。
が発想の転換。あえて言うこと聞かない状態にしてそれを楽しむのがパーマネントだと言うことに気づいて以降楽しくなってきた。毎回セットしているのかクシャクシャにしているのか分からん気持ちでやってますがこれが遊ばせるというやつか。うん。と思いながらクルンクルンにワックス付けて。ええやん。

何で歌ってるんか。と言われたら
「生活のブルースを聴いてくれよ」なんじゃないかと思いますね。
デイジーはアフターアワーズ 結成当初の歌で曲はタミハルで詞は僕ですね。前にも書きましたがデイジーは「グレイトギャツビー」のヒロインの名前です。当初はダイアンも候補に上がりましたが大阪でダイアンは違う意味合い出てくるので止めたっていう経緯もあります。ゴイゴイスー。

4.突き抜けるよーな音楽

スマホが当たり前って感じでもなかった。
Twitterっていう面白いのがあるらしい。って話が出始めた。
当時は東京に住んでいて音楽と無縁の生活をしていた。ペーペーの俺が当てがわれた営業車にだけFMが付いてなくて、AMラジオを聴きながら仕事をする日々だった。
そこでのラジオパーソナリティ達が自分の考えをひっくり返す原点だった。
東京での仕事はパッとしなかったが、フォークとパンクロックとビートルズ一辺倒だった俺にライムスター宇多丸がヒップホップを、西寺郷太が80'sを、町山智浩がアメリカ映画を、そして高田文夫と水道橋博士が江戸落語と東京のお笑いを教えてくれた。
ちょうどradikoの実験放送が始まって、パソコンでラジオが聴けるようになり生活は一変する。気付けばテレビも捨ててしまった。

今考えると分かりやすいくらいのサブカル野郎だったけど、あれで自分の方向性が決定づけられたと言っていい。ニュータウンの歌詞もここでの生活から生まれた。

突き抜けるの歌詞を書いた頃はもう大阪にいたけれど、東京の数年間で溜め込んだ何かが溢れ出るように何ページもノートに書き殴らせた。

そして出てきた一節
「吹き抜けていく夜風、突き抜けるよーな音楽」
ラップのような落語のセリフのようなこの変な曲は完成した。以降やればやるほど歌詞は追加されて今は7分くらいかかる。あまりに長いからアフターアワーズバージョンは実は短縮して演奏している。

初めて弾き語りバージョンを音源に入れました。


着なくなったTシャツを処分してたらSATURDAYと書かれたライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフルの色褪せたシャツが出てきた。もしかしたら宇多丸さんに会うかもしれんやないか。
でこれだけ捨てるのやめた。

5.台北トワイライト

ソロで作るのは旅先とかで作った曲とかが多くて。じっと机に向かってても何も浮かばへんのやなぁと思う。今回のアルバムもタイトルに地名を意図的に入れてる。ほんで唯一の海外曲。台湾ソング。

你好桃園MRT
(リーホータウイェンMRT) 
台北西門龍山寺
(タイペイシーメンロンシャンスー)
中山雙連寧夏夜市
(ゾンサンスァンリェンニンシャーイエシー)
どこまでいくのかMRT
中山國小行天宮
(ヂョンシャングォシャオシンティエンコン)
多謝你でまた明日

日本語とカタカナ英語でしか書いたことなかった歌詞。
台湾語チャレンジしました。
台北の電車(MRT)の路線図を見る。あ、こことここ行ったなー。なんて駅名を繋げてフムフム鼻歌してたら
「タイペイシーメンロンシャンスー」が5分で出来た。
意外と簡単やんーホイホイ。

と思ってたのは最初だけ。
続きが全然出来ない、、先述通りリズムに中々語感が乗らんのだ。

結局この4行の完成に半年かかったいぺい。
「ゾン」と「ヂョン」て!発音何が違うん。
「グォシャオ」に至ってはやったことない口の形になって歌っている。
またいつかいきたい。わん。

この曲のマンドリンは頭の中の台湾イメージに合っていてかなり好きです。


6.君のこと

コラムみたいなものを書いてたら思いがけない引き出しが開いたりする。
東京の時の出来事をまた思い出した。

清志郎が死んだ。
さすがにへこんだ。
「あの人この辺が地元だったんだよ」て職場の人に教えてもらった。
曲は好きやったけど清志郎のパーソナルな部分は全然知らなかった。
当時住んでた家の近所にあった学校が清志郎の通ってた高校だったと亡くなってから分かった。そやったんか。

そういや営業車でよく走ってる国立から国分寺に抜ける坂「たまらん坂」って地図に書いてあったような。

行ってみることにした。

あー。

たくさんの花束。。

RCサクセションのバラード「多摩蘭坂」はやはりここのことだったのだ。
ノートが1冊置いてあった。
そこに建ってるマンションの管理人さんの文字で
「壁に落書きは困るので清志郎へ何か言いたい人はこのノートに書いてください」
色んな人がありがとうを言っていた。
俺もありがとう清志郎と書いた。
縁もゆかりもない多摩地域に少し愛着が湧いた。

時は経って。
清志郎が出演した95年の春一番の映像見ながら
風太さんに色んな話聞かせてもらった。
迷った時は「瀕死の双六問屋」を読む。
折り目付いてたり線引いてたり俺のバイブルである。

やっぱ清志郎は最高だよ。
人生回り回って俺も春一番のステージに立つことになる。

「君のこと」は珍しくストレートにラブソングですな。
バラードにしたい時とテンポよく歌いたい時があります。
音源では時間の都合上カットしたけど、演奏前に「今日はテンポどうしよっかなぁ」てつぶやいてます。

気に入っている歌詞は「離さないよう焼き付けたTシャツの模様」です。
「よう」で韻踏んでます。
俺はたまにこっそり踏んでいる。

去年の春一番で酔ったおじさん達がこの曲でステップ踏んで踊ってたん最高やった。それこそ焼き付いている。


7.18(静岡→東京)

2023年9月にソロツアーを敢行しました。
やりたかってん。ギター1本持って。ってやつを。
思いつきで決めたもののあれよあれよと決まっていって、
滋賀から始まり名古屋・東京2箇所・京都・大阪・和歌山。
アフターアワーズは基本車移動だったのでソロツアーでしか出来ない方法で周ろうと青春18きっぷを購入。鈍行のみでのんびり移動。

のつもりだった。
名古屋までは余裕だった。

終わらん。終わらんのよ静岡が。
トンネル抜けたら静岡。
海が見えても静岡。
居眠りしてもビールを飲んでも静岡。
車移動でも長いと感じたけれど各駅停車で向かう静岡は永遠やった。
ようやく小田原に入った時ふと思った。
「静岡が終わらん。ってだけで1曲作れるわ」

実際に東京の宿で曲の基本形を作り、京都に戻ってきたときには大体完成していたこの曲。
きっぷの名前の18。
アフターアワーズの「16」に2足して18。
今回のライブ中にタイトルを決めました。

てかそんな長い長い言うんやったら途中下車して静岡でライブしたらええがな。

「いいですね!やりましょう!」と隣で軽く笑う男。
今回の相棒マンドリン男である。

8.メロディ

知らんやつから電話がかかってきた。
「面識もないのにすいません!今度ライブやるんで出てもらえないですか?」
名前はJinNakaoka。エレキマンドリンという珍しい楽器を弾いていて、なぜか出演者候補に俺の名前が出たらしい。

何じゃそらの話ではあるが、
喋ってると何だか波長が合う。だからそのままオッケーした。

当日のライブ会場はビルの屋上(マジかよ)
入れ替わり立ち替わり色んな人が歌っていく。

誰が歌ってる横でも彼はずっとアドリブのマンドリンを弾き続けている。

自分の曲にどんなアレンジを付けるのか興味が出てきた。

「俺の横でも弾いてね」
「メロディ」のイントロを弾き始める。。

初めて聴いた曲に合わせたとは思えない。

そうそれ!!
っていうマンドリンが聞こえてきた。

あまりに気持ち良くなって俺は途中からスライドバーでめちゃくちゃにギターをかき鳴らした。それでも全部付いてくるこの男。
セッションというものにほとんど縁がなかった俺は初めてのアドリブ演奏に心が踊ってしまった。

苦情来んぞ。っていうくらいのギャンギャンの音を夕空に響かせながら
その時もう心に決めていた。

「来年春一番に出演出来たら隣はジン君でいこう」

9.小平にUFOを見た

9月のソロツアー。ソロと言いながらジン君と基本2人で行動した。
今日の宿は小平市。
乗り換えの国分寺駅は10年前にいた頃とは全く違う駅前になっていた。

どこの駅もキレイになる(褒めてないよ)

長時間の静岡移動によりちょっと痛いケツを気にしながら
すっかり暗くなった道を歩く。
ビール、焼酎、雑魚寝。
こんなん久しぶりやった。でもどこかで望んでいたんだと思う。
ライブは翌日なのでゆっくり寝させてもらう。

翌朝。
今や早朝歌詞書き人間と化しているので、俺だけスッと起きる。
コインランドリーを探しながらまだまだうだる暑さが残る知らん街を歩いていく。
踏切を超える。コインランドリーが反対車線に見える。

うーん。。

なんか知ってる気がするんよなぁ。
大きい通りで信号を待つ。

その時、スーツを着てバチバチの目をしながら営業車を運転する見たことあるやつが通りすぎた。

あの日の俺である。
やっぱりこの道知ってるわ。

まさかこんな形でまたこの道を通るとは。
小平を俺は知っていた。

東京から帰ってきてからの京都エンゲルスガール。
「なんとなく作ってる曲あるんやけど、、今作ってみる?」
てなんとライブ中に歌詞を書いて完成させた曲です。なんでUFOだったんだろう。酔ってたんだろう。

作ったもののなんかしっくりこなくて放置してたんですが、
小平エピソードを足してウクレレでまぬけに弾いたら完成しました。

タイトルはなぎらけんいち「葛飾にバッタを見た」のオマージュです。
好きなフォークソング教えてくださいと言われたら必ずあげる曲。
就職してすっかり出世した友人と相変わらずフォークシンガーの主人公がバッタリ会う歌なんやけど毎回たまらん気持ちになる。
なぎらさんはゴリゴリのフォークシンガーでフィンガーピッキングなんて普通に勉強になる。
「チンカチンカのルービーのおじさん」は仮の姿なのだ。

ジンとは東京で2日ライブした後、関西へ戻って和歌山まで一緒に行くことになる。和歌山は何年も前からのエピソードがある街なのだがそれはまた和歌山の歌が出来たら書きましょうかね。

10.どうでもいいことばかり

一年くらいで飽きたけど俳句にハマってたことがあった。思いついては色々コンテストに応募していた。


俺の前を大学生くらいの男女2人が歩いている。雰囲気的にカップルではないんだろう。
でも今日のデート次第では付き合うかもしれないね。
女の子が男の子の方に手を出しながらプラプラさせている。男の子はポケットに手を突っ込んで歩いている。

もしかして手繋ぎたいんやないの?

人混みの中で2人の立ち位置が入れ替わる。

と女の子はカバンを持ち替えて空いた手を近づけてプラプラさせてるのだ。男の子は相変わらずポケットに手を突っ込んでいる。迷いが見える。

「いや、いけるやろ!手繋げよ!」

と思わず後ろからオッサンは言いそうになる。
2人は歩いて行ってしまった。

五七五で
「ポケットに突っ込まない手を待っている」
と浮かんできた。

あと一歩の勇気。みたいな曲が俺は得意なのかもしれない。

「点滅した交差点わざと立ち止まる」
このニュアンス分かる人は不器用なとこもあるけどいい人だよ。
アフターアワーズの1stアルバムに収録されている曲の中でも個人的に好きな「どうでもいいことばかり」
言いたいことはMVに全部入ってます。
脳内をえす郎君が映像化してくれました。

投げやりなタイトルやけどラブソング。
サビのどうでもいいことばかりは1回目と2回目で意味が違います。
このニュアンス分かる人とは仲良くなれそうな気がするよ。

バンドと同じでは味気ないのでウクレレで歌ってます。ウクレレはいい。会場を歩き回りながら歌える。最終歌いながら店を出て行ってしまいたい。

ちなみにさっきの俳句は「いい句が読めたなぁ」と某俳句大賞へ応募した結果、見事に入賞を果たし、某お茶のペットボトルに掲載されることになる。あの子ら付き合ったんかなぁ。

11.大阪の犬

あんまり通ってこなかったジャンル。
ジャズ。

ジン君におすすめを色々教えてもらった。
ビルエヴァンス、チェットベイカー、ケニーバレル、オーネットコールマン。

どれもよかったっすねー
ビルエヴァンスとオーネットコールマンは今も聴いてますね。

ほんでジャズってライブアルバムが多い。
アルバム毎に全然演奏違うやん。
やっぱライブアルバムを作ろうと思った理由の一つ。

今回の音源にジャズはちょっとだけ影響をもらいました。

好きなギタリストは?て聞かれたら最初に答えるのはジャンゴラインハルト。

弾けたらいいっすねーあんな風に。
この曲はジャンゴに日本のマイナーフォークをプラスしたイメージです。そりゃあんな風には弾けてないからイメージだけ。

ホンマは好きなんだよ大阪の街。
御堂筋の木が全部切られてほっそりした木にピンクの電飾巻かれてたの見た時はびっくりしたなー。デカい新生姜か思たぞ。

駅前が全部同じ景色になっていく。
どこでもそうなんよなー。
曲がったガードレールは曲がったままでいいよ。

久々に飲みに行ったあの街は俺が住んでた時より静かな気がした。若者減った?土曜の晩やで。あん時はよく1人で知らん店にフラッと入ったなー。兄ちゃん1人で飲んでるん?とか言われて。うるせーよ。

酔っ払いは時々信じられない名言を吐く。
1発で歌詞になるような。

隣に座ってた、彼氏が出来てもすぐ別れちゃうって人がボソッと言ってた。
「追いかけてる時が一番。手に入ったらもうええのよ」

そうそう。そういうのん。
それが聞きたくてフラッと行っちゃうん。

大阪の犬。君も1人かい?

12.明日の月

友達100人出来るかな?

そんなに友達いらんやろ。

コロナ禍でラジオ番組を始めた。
その名も「だいなしラジオ」

大学時代の親友BEATALONE(なんじゃその名前。俺もショーウエムラやけど)
あの頃は授業に出たり出なかったりして一日中しょうもない話をずーーーーっと話していた。
最初は面白がって聞いてた周りの人達があまりの変な話に気付けば2人しか居なくなっていることもしょっちゅう。

松本人志の放送室。
ナイナイのオールナイトニッポン。
たけしの凄まじさ。軍団どこまで知ってるか。タモリの恐ろしさについて。さんま紳助の反射神経、とんねるずウンナン桂枝雀。フジテレビ、吉本興業の歴代社員、大相撲、野球、競馬、地元の話、自民党の派閥争いまで。
いったい何であんな話をずっとしていたのだろうか。

何がおかしいってあれから20年近く経っても俺ら話してること同じなんよ。しかもわざわざラジオにして公に発信している。
友達100人分どころじゃない無駄話の量。
だから数じゃないんやって友達は。
てか気付いてる?俺たちバンドサークルだったんだぜ。音楽の話しろよ。

最近すぐ無駄とかコスパとか言うやん。
無駄な会話って1番必要なんよ。
そっか分からんかー
せいぜい効率よく生きなよ。

個人的にはこの歌が1番好きです。
あまりにも個人的な歌なので。
昔のフォークやブルースは好きやけどなるべく今の時代に生きてる言葉は入れたいの。
例えばLEDとか。
だってガス燈は知らんやん。汽車じゃなくて電車やん。今の歌を歌いたいよ。

曇ってて汚ねえと思ってた大阪はメガネをかけたら綺麗な街でした。
月は大体チェックする。キレイなので。

またいつでも会えるよな。

をなるべく続けよう。

13.サンダーバード

ゆあーんゆよーんゆやゆよん」

「サーカス」という詩で空中ブランコが揺れる様を表現した言葉。

この一文に驚いて以降「中原中也全詩集」は引っ越しのたびに訪れる断捨離タイミングをくぐり抜け、今でも手元に置いてある。

大学の時は中原中也の「酒場にて」を紙に書き写して部屋に貼るという小っ恥ずかしいこともやっておりました。
久々に「酒場にて」を読み返したけれど、あぁまだこの詩にグッと来る。
俺の感受性は腐ってなかった。

今回のアルバムは旅の歌が多い。台湾、静岡、東京。
この曲はどれよりも早く書けた旅の曲で、旅先での気持ちに俺なりの中也感を書き足した。だからサーカスの一文は入れないとダメだったのです。

ただタイトルがいつまで経っても決まらなくて。
ずっと「サーカス(仮)」


3月で大阪〜金沢間を走る直通特急が運行終了した。

名前はサンダーバード。

せっかくなので乗ることにした。

今年の冬は寒さがしつこかったね。
まだ雪が残る琵琶湖沿いを雷鳥は突っ走る。

福井を超え金沢へ。
春からは福井と金沢を結ぶ北陸新幹線が開通するためサンダーバードが関西から一直線で突っ走ることは無くなるのだ。

金沢の地元のおっちゃんしかんおらん居酒屋で刺身とビールをグッといきながら真剣に相撲見てたら「相撲好きなんすか?」て大将に声掛けられた。
石川出身の大の里これから注目しといてほしい。だそうです。

これで最後になるのかぁと言いつつ金沢〜大阪のサンダーバードで帰る。

読み返してたらまるでこれに乗るために書いた歌詞のように思えてきて。
うん、サンダーバードやな。

今度は歌いに行きたいね。

14.コーヒー&ウイスキー

最高の夜は一瞬で通りすぎてしまう。
「アフターアワーズのライブは夢中ですぐ終わっちゃう」ってよく言われるのが嬉しかった。

もう一つよく言われたので気になってたことがある。
「泣きそうになりました!」

それ、、泣いてはないんだよね。。

思わず泣いちゃう歌を歌う人っていますやん。
グッと来てしまう素晴らしいボーカルは山ほどいますやん。

特に弾き語りってギター1本で勝負!みたいなのがあるし、
自分もそうならないと!みたいなんが心のどっかにあったんですけどね。

やっぱ違いますわ。
泣かせる!とか感動!じゃないんですよ俺のやってることは。

俺のステージを「達者」と評した人がいました。
それは褒められてんのか?とも思ったこともあったけど。

それやん。
達者も行き過ぎたら芸になる。
まるで暁照夫師匠の三味線のようにどこまで弾くんやこいつってとこまで引き倒してやろうやないか。

で振り切った曲がこのコーヒー&ウイスキーです。
このイントロを弾き出すとライブも佳境に入ります。
1番はラグタイムギター。
2番はフォークのスリーフィンガー。
後半は指が吊るまでスピードを上げる。
でも一番大事なリズムは絶対崩さない。

アホみたいやのにどっか真面目で泣きそうになるけどずっと笑ってる。
それが自分のライブだとようやく気付きました。

めちゃくちゃやっても全て合わせてくれたJinNakaoka。
4年越しに録音させてくれた南堀江CORNER STONE BARとエンジニアkurataniさん。

そして30代のほぼ全てだったアフターアワーズ。

今まで出会った皆さんとこれから出会う皆さんに感謝します。

ショーウエムラ


アンコール.最終バス

アンコールはあくまでアンコールです。おまけだよ。
今回のライブはアンコールかかったら違う曲をやるつもりでしたがその場で変更。弾き語りを始めた頃に作ったこの曲にしました。

「もし演奏とか歌詞を間違えたらどうする?録音し直すって手もあるけど」

と言われて俺は最大限カッコつけました。

「ライブ盤にミスとかないですから。全てそのままでよいです」

その結果ね、

ところどころ歌詞間違えてんの!!

だから歌詞カードは無し!そん代わりに読みたい人だけ読んでくれ!のこんな長い文章を書かせてもらいました。

これは気持ちの持ちようの話ですが、バンドは服着てるんやけど、弾き語りって素っ裸で出て行くみたいなとこあるんで。ちょっと裸の部分を書いてみようと思いました。最後まで読んでくれてありがとう。

ここからは全部のライブがリリースライブです。
あなたの街にも行ける日を楽しみにしています。

またライブで会いましょう。
ダブルアンコール?今日は無し!ではまた!

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