野原

勢いが生み出した風によって、あれよあれよと彷徨う。風に身を任せているのか、または風に流されているのか、またはそれ以外のことを感じているのかは、その当人にしかわかり得ないこと。そしてどう思うのかは自由ということ。運命という命の運びは神の手のうちにあるものとこれまで考えていた。しかし神によって天の一角に身を授かったその時から、運命は自身の手の内にあるという知らぬ間に巡った思いが、これまでの自身の考えを覆す予感がする。
日々は連続の旅であり、昨日の自身は今日の自身ではない。今朝の自身は今の自身でもない。常に変化を遂げている。今心をめぐる思いは、儚く移ろいゆくものであるが、確かに今心で感じていることである。またこれから先のことは、いくらこれまでの経験から予測ができたとしても、それは予測に過ぎず、実際その時を過ごす心持ちとはずれがある。予測しようとも予測に過ぎない。心の移り変わりは自然なものであり、自身では制御のしようのないものである。心の動きを自然に委ね、移り変わりを味わう。

生命の持つ変幻自在の働きに赴くまま、滅びるまでを味わう。

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