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都会とのギャップを埋める!2段階移住-福いい移住論-

こんにちは!ふくい移住サポーターの中谷です。福井に移住して、そろそろ丸8年。普段は地域をまるごと体感できる宿の運営など複数の生業で生きています。

 今回は「都会とのギャップを埋める!2段階移住」について考えていきたいと思います。

 地方移住の相談をお受けしていると時々、心配になることがあります。それは、今まで都会でしか生活をしたことがない方が「山に囲まれた、人間づきあいの濃い集落に移住したい」と思われる時です。

「地方移住に失敗した人」がいるということ

 移住をしたいと考え、インターネットで情報を収集していると「地方移住 失敗」「地方移住 やめた方が良い」という検索候補が現れてきます。正確な割合まではわかりませんが、地方移住をした方、全員が「移住生活に満足している」というのではなさそうです。つまり「移住をしなければ良かった」と考え、都会に戻る人もいるということです。

 そのほかにも、都会に戻るほどではないけれども「思っていたのと違ったなぁ」と感じている人も多い様子。それは、移住前の想像と実際の暮らしのミスマッチが大きな原因だと考えられます。


人は自分が経験したことじゃないと、正確に把握できない

 この「思っていたのと違った」「思っていた以上に大変だった」というのは、しっかりと事前情報を仕入れて判断すれば防げるのでしょうか。防げる可能性は上がりますが、予想外のことに出会うかもしれません。つまり、「百聞は一見に如かず、百見は一体験に如かず」ということで、体験しないとわからないことが多くあります。

 だからこそ、実際に移住をしてみないとわからないと考え、行動に移すことは大切ですが、今の暮らしている環境と、理想の環境の差が激しい場合、失敗する可能性が高くなってしまうのです。そこで「段階的に理想の地域に近づいていく」ことで失敗しづらくなると考えています。

一度、地方都市に移住する「2段階移住」

 例えば、東京在住の人が地方に住みたいと思ったときに、最初から田舎の集落に住んでしまうとそれまでとの東京での暮らしとの大きな差が気になってしまうかもしれません。「思っていたよりも不便だったから、もう嫌だ」となり、都会に戻ることになるかもしれません。

 だからこそ、田舎の集落に住みたいと思ったとしても、まずは理想の集落に近い地方都市に住んでみて、気候や生活の様子を体感してみることをおすすめします。そうすることで、「今住んでいるところと気温差が○℃くらいだから、自分にも耐えれる」とか「買い物は今のところからプラス○分だから、大丈夫そう」と経験から考えることで、実際に住んだときのミスマッチを防げると思います。

 もし、この時点で「買い物にプラス○分かかるなら不便だな」と感じるのであれば、それを基準に今後、住むところを考えれば良いのです。


急がば回れ。結局は近道かもしれない

 こういった2段階移住は、1度ではなく2度の引越しを伴うので、めんどくさいかもしれません。場合によっては、引越しの費用もかかるでしょう。そう考えると、一気に自分が住みたいような田舎の集落に移住すれば良い。失敗して都会に戻るのであれば、引越し回数も同じになるから問題ないと考えるかもしれません。

 しかし、2段階移住はミスマッチを防ぐ以外にも「お得な空き家を探しやすくなる」というメリットもあります。

家賃が安い空き家は、口コミで教えてもらうしかない

 地方での住む場所探しの候補となるのが「空き家」。この空き家を安くで借りて、暮らしのコストを下げたいと考えている人も多いでしょう。確かに、物件によっては、月5,000円程度で一軒家を借りることができるということもあります。家探しについては、別の機会にお伝えしたいと思いますが、結論だけお伝えすると「家賃の安い物件は、不動産屋やインターネットには出ていなく、紹介してもらうしかない」ということです。つまり、現地に家を持っている人との繋がりを作り「使っていない家があるから、あなたに貸してあげるよ」という状態を作らないといけないのです。

 そういったことから、現地に足を運び、信頼を得ていかないとお得な物件には出会えないので、都会にいながら探すのは難しくなります。また、お得な空き家があるような地域は、都会にあるような賃貸のアパートはほとんどありません。ですので、まずは賃貸のアパートに住んで家探しを・・・というのを地域内で完結するのが難しいでしょう。

 そこで、2段階移住では賃貸アパートが豊富な地方都市へ一度移住し、そこから住んでみたい地域に何度か通いながら、地元住民に「ここに住みたくて空き家を探している」と伝えていくことができます。住んでみたい地域と近くなるので、候補となる空き家が出た時に気軽に内覧に行くことができます。やはり、都会に住みながら地方の物件を見にいくのは、時間も交通費もかかる大仕事。しかも、空き家は同じタイミングで出てくることが少ないので、一度の機会に何軒も見ることができません。何度かに分けて物件を見にいくことができるのは、近くの地方都市に住んでいるからこそできることでしょう。


2段階移住は、仕事を見つけるにも良い

 ほかにも地方移住をするときに心配になるのが「仕事があるかどうか」ということでしょう。2段階移住は、そういった面でもメリットがあります。地方都市の場合、都会ほどではないにせよ、求人情報が出ている会社が多く、転職活動がしやすくなるでしょう。田舎に行けば行くほど、求人情報が少なくなります。しかし、インターネットには上がっていないだけで、働いてくれる人を探している会社は少なくないのです。これも空き家と同様に「口コミ」が大切です。その一方、地方都市であれば、都会にいて転職活動をしても就職先を見つけることができるでしょう。

 一度、地方都市の会社に就職し、移住する。その仕事が気に入れば、仕事を続けられる(通える)範囲で、住みたい場所を探せば良いですし、違う仕事がしたくなれば、空き家と同様に地域に通えば、仕事を紹介してもらえることも多いでしょう。

実はメリットが多い2段階移住

 ミスマッチを減らす、お得な空き家を探す、仕事を探すといった移住を実現するには大切な要素を叶えることができる2段階移住は、メリットが多いのです。デメリットは、時間と引越し費用が少し多くなることでしょう。しかし、2段階移住をしたことによりお得な物件が見つかれば、数年単位で考えれば、お得になる可能性が高いと考えられます。

 地方都市というと、県庁所在地や人口が多い市のこと。福井県でいうと、福井市(人口約25万人)、鯖江市(約7万人)、越前市(約8万人)、敦賀市(約6万人)です。このあたりであれば、賃貸アパートも豊富で、会社も多いので仕事も探しやすいでしょう。

 もちろん、一気に田舎の集落へ移住して、満足した暮らしを送っている人もいます。その一方で、ミスマッチに苦しみ、都会に戻ってしまう人がいるのも事実。そうならないための手段として、2段階移住を考えてみてはいかがですか?



最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本記事は「ふくい移住サポーター」として執筆しました。最後にふくい移住サポーターについてご紹介します!

ふくい移住サポーター

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【 ライタープロフィール 】

1988年京都市生まれ。大学を休学し、自転車で日本一周をしたことをきっかけに「地域」に関心を持つようになった。地域活性化に貢献するため、東京の旅行会社、岐阜県の宿泊施設に勤務するものの「既存の観光」で地域を元気にすることの限界を感じ、それぞれの地域が自分サイズでの活性化に取り組むお手伝いをしたいと考え、2016年福井県南越前町に地域おこし協力隊として移住。
任期終了後は、旅人と地域住民の交点となる「地域まるっと体感宿 玉村屋」を開業。さらに長期で滞在したい人向けの「農家シェアハウス はなさか荘」を運営。そのほか、農家さんのお手伝いなどをして生きる「複業家」としての生き方を実験中!

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