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アーキテクチャとは、システム構成図のことではない

アーキテクチャとは元々建設用語ですね。家を建てるためにモデリングしたものを指します。実際に家を建てるために必要な要素を束ねたものです。大工さんが立てるには必要な柱の構造だったり、インテリアを作るために必要な内装のデザインだったり。

わたしアーキテクトですから「アーキテクチャ準備してください」とお願いされること多いです。大体、システム構成図準備すると満足されます。でもこれはアーキテクチャじゃないです。システム構成図だけで、システム構成できないですから。

システムの構造を理解するために、様々な役割の人たちが、彼らの視点で必要なものは変わってきます。社長や役員たちなら、一体このシステムで何が改善されて、どれほどのROIが生み出されるのか。システム全体を統括するITシステム部長なら、該当のシステムと影響のあるシステムがないか、全社的なポリシーに違反していないかなどは気にするでしょう。実装する人なら、どのようなミドルウェアが必要で、どれほどの開発が必要なのか、どの言語で開発するのか。またネットワーク的にはドコと接続されるのか。物理的にポートは足りているのか。電源は?ラックの空き要素は?みんな見ているところが違います。

(TOGAFにおいて)このような関わりのある人たちの視点をアーキテクチャ・ビューポイントと呼びます。立場や関心事と言っても良いでしょう。そして実際にそれを図示化して表現したものをアーキテクチャ・ビューと呼びます。

じゃぁこのアーキテクチャ・ビューすべてをまとめたらアーキテクチャと呼ぶのでしょうか。
ざんねん、違います。必要な図がいっぱいあるだけです。これらはアーキテクチャの一側面に過ぎません。

今日はビューポイントとビューのお話。では、又の機会に。

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