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動画一発撮りにおける素人7箇条

モンハンと素人の動画撮影で、仕事とモンハン以外の作業を一切できなかったしょっさんです、こんにちは。

オンラインな活動が増えたことによって、スライドの発表や、デモの動画を録画して頒布するケースが増えてきました。増えてもいいけど、末端の素人同然の我々が撮影した動画を、そのまま公開するケースまで出てきました。

世の中には数多くの動画編集ツールがあります。PCと豊富なメモリ、高速なCPU/GPUさえつめば誰でもお手軽にできるケースも少なくありません。

しかしまぁそういうことじゃないんだよ、われわれ素人は。撮影した動画をちまちま編集するような技能を持ち合わせていない。持っていれば、それで仕事をするんだよ。

しかしながら、動画つくれよおっらーんという依頼はひっきりなしに来ます。

Webinar を録画しておいて後で公開するのもいいですけど、変なライブ感が残っているので、ぶっちゃけ本人的には恥ずかしい。どうせならちゃんと取ったものを後世にも語り継ぎたい。しかしそんな編集技能はない。そんな素人な我々にできることは

美しい一発取り動画を撮る

これしかない。編集する時間を費やして、何度も撮影するくらいなら、多少準備に時間をかけてでも一発撮りで済ませたい。なぜか、そういう考えに至った私は、ストレスで苦労するんですけれども。

しかしまぁたいしたリソースのないPCを持ち合わせているケースでは、一発撮りは最適でしょう。それに、何度も自分の声を聞くのもためらわれます。わたしは、もっと美しい声を聞いていたいのです。自分の想像とは異なる奇妙な声を何度も聞きたくはないのです。

ということで、わたしが Mac で動画を一発撮りするときに必須な事項をまとめておきます。これは、他人が云々と言うよりも、後で自分が余計なストレスをかけないようにという自分自身に対する親心です。

一発撮りの注意事項

1. トークスクリプトは絶対に書く
2. 録画の前後 5秒は停止する
3. ノイズキャンセラを使う
4. 家中の音が出るものをすべて停止する
5. ゲネプロは最低でも 5回やる
6. いつもよりも 1オクターブ高く、いつもより倍遅く話す
7. デモは紙芝居にする

1. トークスクリプトは絶対に書く

当たり前。

一発本番のセミナーなどでは、アドリブとか挟んだり、状況によって言葉をかえたりすることもあるかもしれない。しかし、録画にはあり得ません。

一言一句、まちがえずに話せるようなトークスクリプトを書く。

「間」や「ページの切り替え」「デモタブ(後述)の切り替え」なども個人個人で必要な専用の記号を入れても良いでしょう。とにかく、自分の話し言葉で、すべての言葉を記載しましょう。ここはアドリブでいいや、みたいなのは無理です。アドリブで入れたところは、確実にスクリプトのない部分と調子が変わってばれます。

それを録画する本体とは、全く別のところで見られるようにします。紙でもいい。iPad でも他のPCでもなんでもいい。

もし、Webカメラで自分の顔を含めて話すようなケースであったとしたら、それでもWebカメラの向こう側、ちょうど目線と合う部分にそれを配置して、一言一句、まちがわずに話しましょう。目線がずれたり、上半身が動かないように、キーボードやプレゼンターなどうまく組み合わせて使いましょう。

顔録画が必要ない場合はラッキーです。マイクの位置だけ気にしておけば、どこ見ててもいいんですから。

また、トークスクリプトのおかげで、ドッグワードもなくなります。何を話すか明確になっていれば、それだけで「あー」とか「うー」とか言わなくてすみます。

2. 録画の前後 5秒は停止する

Mac の quicktime や標準の動画撮影機能を利用するときは特に、録画開始直後の 5秒間、終了前の 5秒間はすべての活動を停止しましょう。

録画ボタンを押してもすぐに録画が開始されません。最初の音声が削られているのは、地味に地獄です。また、録画終了時にわちゃわちゃしちゃって、止めるのに失敗する可能性もあります。

それに前後に無音時間があれば、最悪の事態では編集でカットができます。前後のカットくらいは、編集ツール苦手マンでも最悪できます。これがいわゆる保険です。

5秒間停止するだけで、あとでどうにでもなるなら、素直に止まりましょう。動かさない。音を出さない。5秒だけ。めっちゃカンタン。

3. ノイズキャンセラを使う

ホワイトノイズほど聞いていてうっとうしいことありません。とは言えこれがちょっと厄介です。編集しないこと大前提マンなので、あとでノイズをキャンセルするような加工などは考えられません。私には到底無理です。お金払います。

ということは、録画する時点でノイズキャンセリングしてくれることが一番望ましいのです。ちょっとお金を払えば対処できるのなら、使わない手はありません。

さぁ、Krisp 買いましょう(宣伝ではない)。他に良いものがあればそれでもかまいませんが、私はこれに頼っています。

あるなしで、もっとも効果があるのはこれです。絶対に使ってください。ホワイトノイズあるだけで素人感半端ないです。高級マイクにすればいいかって言うと、それでもホワイトノイズ乗ってくるので、もう最初からキャンセルすることを考えましょう。ホワイトノイズさえなければ、急に玄人感が出ます。これだけで。

多少のざわめきや、予想だにせず出てしまった生活音も、最悪キャンセルしてくれます。備えあれば憂いなし。最高の言葉ですね。

なお高級マイク+ノイズキャンセラにすれば、さらに最高です。お金がある人は考慮してどうぞ。

4. 家中の音が出るものをすべて停止する

家の外までの対応はできなくとも、できうる限り、家の中くらいは対処しておきましょう。鳴らなくていいものが鳴った所為で撮り直しになるとモチベーションが死ぬほど下がります。だだ下がります。投げつけたくなります。

電話や時計などもしかりですが、動作音を拾ってしまうものもありますので、加湿器や扇風機などが近くにがあれば、それらも一時停止しましょう。エアコンもは止めた方がいいかもしれませんが、それはツライので場所を変えましょう。

最近の嫌がらせとしては、スマートスピーカーです。Amazon Echo は文脈で「荒木さん」が入ってくる程度ではびくともしませんが、Google Home は「google」で反応するときもあれば、呼んでもいないのに「ふふ、面白いですね」的に話に割って入ってくるときがあったので、もう電源引っこ抜きましょう。こわいし。急に話に入ってくんなよ。

5. ゲネプロは最低でも 5回やる

本番同等のリハーサルは何度やってもいいです。

トークスクリプトを作ってみたはいいけど、話してみるとしっくりこないことはよくあります。何度も話して洗練していきましょう。

また、時間の制約があることも多いでしょう。1分や3分程度の動画は時間との勝負です。10分〜になってくると、かなり余裕をもってできるのですが、気がつくと大幅にずれていたりします。

何度も何度も試行錯誤しながら、しっくりくるものを準備しましょう。それでも本番は失敗します。

6. いつもよりも 1オクターブ高く、いつもより倍遅く話す

リハのタイミングから気をつけて話すことで、より本番時のミスを減らせます。

1オクターブは言い過ぎかもしれませんが、気持ち的にはそれくらい高いトーンで話しましょう。低いと実は聞こえにくいですし、テンションがめっちゃだだ下がって聞こえます。

この高いトーンはテンションによって維持するしかありませんが、一番最初に発声する一音目から、高く話さなければなりません。はじめに「みなさん、こんにちは」と始めるときには、「み」の時点で声のトーンが上がっていないと、そこからあげるのは不可能です。とにかくあげる。普段の音階が「ド」だとしたら、せめて「ソ」まであげる。

Perfume がライブで挨拶するときに「みなさーん、こーんばーんわー!!」というあのテンションとトーンの高さと、声の大きさを想定してやりましょう。

そして、とにかくゆっくり話す。ITエンジニア界隈は早口で話す人が多いというのもありますが、そもそもほとんどの人が早口です。ゆっくりと落ち着いて、とにかくゆっくり話す。大きな声で、言葉を一音ずつはっきり明瞭に話そうとすると、ゆっくりめに話せます。「あいつ、めっちゃゆっくり話してんな」という知り合いがいたらチャンス。その知人よりゆっくり話すつもりで話してみましょう。それでだいたいちょうどいいです。

ゆっくりと話す部分でもう一つ気をつけたいのが「間」。一文の最後や、画面の切り替え、パラグラフの終了点など、それぞれで間の長さは変わりますが、かならず必要な時間です。

句読点には、必ず「間」が入ります。それも自分が想像している以上に止まっていいです。自分の中で 3くらい数えてても平気です。ゆっくり話して、文脈が変わるところで止める。

声は高めに、声は大きめに、発声を明瞭にして、ゆっくりと話して、間を取る。これだけで、「上手だね」と言われます。これで十分です。

Perfume がライブで挨拶するときに「みなさーん、こーんばーんわー!!」というあのテンションとトーンの高さと、声の大きさを想定してやりましょう(二度目)。

7. デモは紙芝居にする

スライドで動画を作成する場合は楽です。適切なタイミングで、画面を切り替えていけばいいので。

しかし、デモを交えようとか考えるとちょっと厄介です。画面を切り替えたりしなければならなくなります。ここは最小の行動で、最適な切り替えを行うべきです。

そこで重要なポイントは「紙芝居」です。

これはWebアプリのデモを行うときの必勝パターンです。Webアプリを動作せる場合、たんまりとリスクがのっかってきます。ボタンを押すと、想定以上に時間がかかったり、エラーが発生したり、認証が切れていて認証画面が出てきたり。動けばまだマシだったりします。

この辺、クライアントアプリの場合であれば、モッキング用アプリをうまく活用して、実際の動作を見せやすいのですが、Webアプリだとネットワークあっての物種です。相手のサーバが正しく動作しているかも、そもそも自分の家のネットワークも怪しいわけです。絶対に動作するとは言いがたい。

そこで紙芝居

デモに必要な画面を全部ブラウザタブに順番に準備します。ボタンを押す動作が発生した場合には、Ctrl+TABで次のタブへ移動します。明らかにそんな速度で画面が移らないだろうことは、見ている素人でも分かります。が、しかし、そんなことはどうでも良いのです。

必要なことは、何を重要なポイントとしてそこで見せるかであって、実際の動作ではないのです(おい)。もちろん、ケースとして、実際に動作しているものを見せなければいけないようなときもあることでしょう。しかし、デモ用に動画を見せるようなケースは、どんな画面が出てきて、どのように操作すれば・操作できるかが分かれば十分です。

デモ動画は、検証動画ではありません。

これなら、ちゃんと動いている動作画面を、切り貼りしながら編集しなくて良いので、スムーズです。編集でつなぎ合わせると「アレ」って感じになる部分出てきて違和感がありますが、Ctrl+TAB で切り返しているほうが違和感を感じにくいところがメリットです。「あれ、早いな」とは思いますけど、「編集してるわけじゃなさそう」という感じです。試しにやってみてください。思ったより違和感ない。

で、ブラウザで紙芝居するときに必要なことは、ブラウザの余計なメニューやタブを消すことです。Chrome on Mac であれば、次の二つだけやれば良いです。

1. 全画面モード
2. ブックマークバーを常に表示するのチェックを外す

この状態にすると、画面上はブラウザないの実画面だけになります。切り替えも気づかれませんし、不必要な情報を消せるのでオススメです。マウスと Ctrl+TAB 操作をうまく同期させなければなりませんが、その辺は何度かリハしてみればコツはカンタンにつかめるでしょう。この方法はリアルタイムでデモを見せるときでも使えます。いつでも、どこでもできるようにしておきましょう。慣れるといい感じです。

また、このデモ画面とスライドを切り替えるときも気が滅入ります。Mac であれば二つの全画面をスワイプや Ctrl+←→で切り替えることができます。こういったときに、しれっとショートカット使える人が成長します(ホントか)

まとめ

何はともあれ準備が重要です。ほとんどすべてが事前の準備です。

「後で編集すればいいや」は「編集が上手にできる玄人の特権」です。しかし、われわれは素人です。編集をやり始めると無尽蔵に時間を食うかもしれません。「編集すればいい」とは言っても、結局準備にかかる時間には大差ありません。何本か本番レベルのケースを動画撮影して、それらを組み合わせて編集するくらいなら、5分くらいまでなら、なんぼでも納得のいくまで撮り直す方が早いでしょう(動画編集素人だから)。

そもそも準備するなら、本番一発のほうが楽でしょ?

ということで、本番一発撮り目指して、今日もがんばっていきましょう。

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しょっさん
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