
[読書メモ] 遅読家のための読書術
「大量にあった “積ん読" が一気に解消! 」「1日1冊読めるようになりました」「もっと早く出会いたかった本」など、喜びの声が続々!
本書は、「ライフハッカー[日本版]」など複数の情報サイトに、月60本近くのブックレビュー記事を寄稿する人気書評家が、誰でもラクに本が読めるようになる方法を大公開。
かつて「1ページ読むのに5分」もかかっていた元・遅読家が、どのようにして「年700冊」読破するようになれたのか? 本書では、その手法をやさしく紹介します。
この1冊で、積ん読からサヨナラできる!
「読書そのものの楽しみを知っている人、だけど、現状の読書量や読書スピードに不満を感じている人に役立つ考え方やメソッドを、自分なりの観点でこの1冊にまとめたつもりです。1ページ5分近くかかる僕だってなんとかなったのですから、どんな遅読家でもきっと大丈夫! 」(本書「はじめに」より)
結論として、読まなくて良いところは読まない、ということに自信を持たせてくれる本です。
また、ページ数の割には文字が大きいので、この本を全部読んだとしても、そんなに時間がかからないので「早く読めるかもしれない」という自信も持たせてくれる良書です。
はじめに なぜ「1ページ5分」の遅読家が年700本の書評家になれたのか?
正しい流し読みを身に付けよう。
第1章 なぜ読むのが遅いのか? ─ フロー・リーディングの考え方
遅読家に共通するたった1つの「思い込み」
じっくり読んだとしても、全てを覚えているわけではありません。自分の気がついていないところで、身に付いていることを大事にしましょう。
「100%を写しとる」から「1%にめぐり合う」へ
たった一度、その本を読んだところで期待したものかどうかは分かりません。たった一冊の本から得られることは多くはありません。1行でも、自分の気になること、ピンとくるものが見つかればそれで十分です。
「音楽を聴く」ように「本が読める」ようになる
音楽のように「残ったもの」を大事にしましょう。
個人的に「音楽と似ている」という点でいけば、何度もなんども繰り返し本を読んで、得られるなにかが重要ではないかと考えます。
もう、ため込まない。フロー・リーディングとは?
本に書いてある全てのことを留めていこうとするのではなく、ため込まずに流れるように読書を続けていく手法のこと。
第2章 なぜ読む時間がないのか? ─ 月20冊の読書習慣をつくる方法
月20冊があたり前になる「多読リズム」への3ステップ
読書を生活リズムへ取り込んでしまうことが重要です。
「毎日・同じ時間」に読むようにする
始めから予定に組み込んでいく。たとえば朝起きた直後の10分など。
「速く読める本」を中心に選ぶ
小説などのストーリーものは熟読が必須のため、日々の習慣的な読書からは除外して、時間のある際に読みます
充実する多読生活の基本は 9割が速く読めるもの、1割が熟読が必要なもの
「昨日とは違う本」をいつも読む
1冊の本に10日かかってしまうようなケースは飽きてしまって苦しみしか生まなくなります
1日1冊読み切ることが理想で、その方がよく理解できる
読書習慣でつくる新しいライフスタイル
さまざまな習慣同様、夜の読書は習慣化しづらいものです。読書も朝の習慣に取り込んでいきましょう。
まず、起床して 10分の読書を続けて習慣化していきましょう。
第3章 なぜ読んでも忘れるのか? ─ 読書体験をストックする極意
読書は呼吸である。なかなか読めない真の理由
「書くために読む」を意識付けること。
読書の無駄を削ぎ落とすもっとも効果的な方法
「引用」することで、どの文章に心動かされたかを明文化できます。
本の魅力だけを抽出する「1ライン・サンプリング」
気になった部分を書き写す
最高の1行を選び出す「1ライン・エッセンス」
気になった部分の中から1つだけを選ぶ
重要箇所がよみがえる「1ライン・レビュー」
その1行で感動した理由を残す
読書の足あとを自己評定する
12冊読み終えたら、引用文と理由を読み返して、その中からのベストな一冊を決める
何度も振り返ることで、本を読んだ感動を思い返せます。
引用の効果を倍増させる「手書き」の魔法とは
引用を手が気にすることのメリット
1. 内容をじっくりと理解できる
2. 必要な部分だけを引用するようになる
3. 達成状況が可視化される
これらは A5ノートにまとめるとよいということ、「DISCOVER DIARY」が使いやすいのでおすすめということ。
何故「書きながら」だと、速く・深く読めるのか?
本を所有することよりも、「知識をつかう」コトへシフトしていって、本当に重要なものだけを手元に置いて、ため込まないようにしていくことが大事です。
第4章 流し読みにもルールがある ─ 要点を逃さない「サーチ読書法」
スラスラ読める人は本の「どこ」を見ているか?
「小見出し」の単位で読み飛ばしていって、必要な部分だけを拾い読みしていきます。
流し読みのための具体的なテクニック
流し読みのための目印
1. 商品差別化のために挿入された「著者の自分語り」
2. 理論や主張を裏付ける「個別の事例・体験談」
3. 期待・危機を煽る「過剰すぎる表現」
「冒頭」の読み方で、読書スピードは9割決まる
どの程度の速度で読むかは「はじめに」で判断する
目次は熟読する
なぜ「この5行」だけで、わかってしまうのか?
見出しの構造をつかんで、読み飛ばす単位を推し量る
読み飛ばしていいかどうか分からない場合は、最初と最後の5行を読んで判断する
「ていねいに読む部分」を見つけるシンプルな方法
「目的」を明確にして、課題を解決できる部分を選択する
該当するキーワードを元に、熟読箇所を見つける
「ギアチェンジ」しつつ、スピードに緩急をつける
常に同じ調子で読む必要はない
「覚えない読み方」が「忘れない読書」の秘訣
マーカーで線を引いても覚えていないし、振り返りもしません。だから「記憶」に頼らず「記録」するようにしましょう。
第5章 本とどう出会い、どう別れるか? ─ 700冊の選書・管理術
「1週間の読書プラン」で「1日1冊」があたり前に
1日一冊、今週、読む本を計画して決めていくことが重要です。
著者は週に6冊、1日は熟読するような小説だったり本を読まない日に充てるそうです。
「興味の壁」を壊して、「好きな本」を増やす
自分の好きな本だけではなく、興味のない分野からも選書しましょう。他人からの推薦なども含めて、さまざまな本を手に取ってみましょう。
「熟読の必要がある本」との正しい向き合い方
小説のような熟読が必然な本も、フリー枠となる日などに、楽しむための読書として取り入れていきましょう。
本を選ぶ場所にバラエティを持たせる
たくさんの本を読む前提として、すべて買うにはお金がかかりすぎる。
図書館へ行って視野を広げてみましょう。
古本屋で宝探し、リアル本屋へ行って売れている本と出会いましょう。
読書を愛する人ほど、本とうまく別れている
本棚は有限です。不要な本を手放し、新たな本との出会いを巡っていきましょう。
「処分してもいい本」はこう見分ける!
積ん読の背表紙は見えるようにして、古い本から順番に並べること。
読めていないまま数年経過しているような本、情報として古くなってしまっている本をあぶり出せます。
本書内では「巡り合えない本などない」と明記されていますが、こと「技術書」に関しては発行部数の少ないものが多いので、「流通しているかどうか」も判断基準として考慮したほうがよいと判断します。
本棚はいつも自分自身を映す鏡
本棚は 3カ月毎に見直して処分を行いましょう。昔残した本が「今」残すべきとは限らないからです。
これを続けていって、それでも残った本から「本当の自分」が見えてくるものでしょう。
終章 多読家になって見えてきたこと
おわりに 10年後には「7000冊の世界」が待っている
いいなと思ったら応援しよう!
