2022.3③ Weekly Music Log ~BMSG、木下百花、MINAKEKKE、NOUGAT、最近のSpotifyの動向~

架空対談方式で、主にその週の新譜を中心に、音楽について緩く書く週刊記事。

――3回目です。よろしくお願いいたします。

よろしくお願いいたします。今回は4曲プラスおまけです。候補曲が結構出てきたのですが、その中でもマンスリーベストには選ばないかもしれないけれども、紹介しておきたい曲たちを選びました。

――良い曲が多かったってことですね。

そうですね。ちなみに、マンスリーベストに入れるか入れないかは、曲の良さっていうか文脈を踏まえて書きたいことがあるか等を重視している面もあるので、もちろん選ばなかったから、それらの曲よりイマイチとかそういうのは全然ないです。

――それは当たり前の話ですね。

まぁ一応書いておきました。では1曲目ですが、SKY-HI, Novel Core, Aile The Shota, edhiii boiの「Brave Generation -BMSG United Remix- 」です。

――飛ぶ鳥を落とす勢いのBE:FIRSTが1月にリリースした楽曲のリミックスですね。KMプロデュースでした。

もともと原曲も、全体的な爽やかさとKMらしい重低音の手触りがめちゃくちゃ良いなとは思っているのですが、このリミックスは正直なところ原曲よりも好きかもしれません。

――音の感じも若干違う気がしますし、こちらは思いっきりラップを詰め込んでいますね。

そうですね、原曲では、歪ませつつも、その切れ味が醸し出していた爽やかあるギターが印象的だったのですが、その要素は大分薄れていて、ラップが強く前に出ていると感じます。そもそもKMのトラック自体の印象も薄れているように思えるのですが、それはそれで良いと思います。これだけ多くのアーティストが歌っていても、各々がトラックにバッチリ溶け込んでいるということだと思うので。

ちなみにフックでは、意図してか意図せずか分からないですが、SKY-HIの「New Verse」のフックっぽさがあるフロウもあって、めっちゃ良いです。この曲大好きですし、曲が持つ力強さは通ずるものがあると思います。

――ちなみに、参加されているアーティストは、皆BMSG所属なのですね。

そうみたいですね、全然ちゃんと知りませんでした。もちろん各々に個性がありますが、通底する何かは確実にあるアーティストたちだなと思います。

――この周辺の動向は今後も注目ですね。お次の曲はなんでしょう?

次は、木下百花の「天使になったら」です。

――元アイドルで、現シンガーソングライターの方なんですね。

正直自分も最近知りました。このポッドキャストに出演していて名前を認識したという感じです。まだポッドキャスト自体は聴けていないですし、テキストとかも全然読んでいないのですが、ちょっと検索する感じ、ここに至るまでそこそこ色々あった方のようではあります。

――曲自体は終始ポップで、キャッチーに感じます。

本当にそう思います。この感じなんなんだろうかと思っているのですが、ボーカルやメロディの運び方に、YUKIとかaikoみたいな印象を自分は感じています。しかも、トラックがシンプルというわけではないのですが、かなりボーカルが際立つ音作りになっていて、歌い方の一つひとつが良くも悪くも気になります。でもそれが良い方向に出ているなと。どこを切ってもめちゃくちゃ良い歌だなと思うんですよね、普通に歌も上手いと思います、声色やフロウにもバリエーションがありますし。

――中盤では、面白いパートも挟みますね。

全体的にポップでキャッチーなんだけれど、どこかミステリアスな雰囲気も感じます。底が見えないというか。もう1曲、「悪い友達」という曲も聴いたので、そちらに引っ張られているのかもしれないですが、少なくとも、こういうポップさを前面に押し出していくアーティストではないんだろうなという気がします。大分気になるので、今後もチェックしていきたいです。ポッドキャストも聴いてみます。

――最近はポッドキャストきっかけで知るアーティストも多くて、面白いですね。次の曲に行きましょう。

次は、MINAKEKKEの「Memorabilia」です。

――ユイミナコによるソロユニットだそうですね。最近、「i/o (君島大空 Remix)」にて、君島大空がリミックスをしていました。

自分がこのアーティストを知ったのは、そのリミックスです。あまりどういうアーティストか分かっていませんが、この曲は序盤から相当に雰囲気があります。ずっしりと来るような重さのあるボーカルが、淡々とかつ繊細に曲を前に運んでいきます。と思ったら、終盤にかかったところで、突然轟音が降り注ぐシューゲイザーサウンドへと転回していく。面白い曲です。

――君島大空がリミックスをするのも納得の音ですね。

そう思います。かなり近しいものを感じました。ただ一番近しいものを感じたのは、初期のきのこ帝国ですね。

――きのこ帝国は現在は活動休止中ですが、最近の曲はかなり開けた鳴りをしていたものの、初期は大分違った感じでした。

特に序盤は、発声の仕方からメロディの運び方からその空気感まで、きのこ帝国を想起しました。シューゲイザーという点もそうですよね。こういう重さを感じさせるアーティストってそんなに多くないので、かなり気になりますね。

――MINAKEKKEは、4/27に2nd Album"Memorabilia"をリリース予定だそうです。要チェックです。最後の曲に行きましょうか。

最後は、NOUGATの「あいはなけなし」です。

――東京を中心に活動する4人組バンドだそうです。初めて知りました。

自分も以下の記事で知ったアーティストです。

――いつもお世話になっている連載記事ですね。

そうですね、全然知らなかったのですが、とりあえずプレイリストに入れておいて聴いてみました。そうしたら、イントロからやられてしまって。不穏な鳴りをするイントロのギターを経て、重みのあるバンドサウンドに展開していきますが、相当にシンプルながらめちゃくちゃカッコ良いです。ツインベースだからでしょうか、この重心が低めな音像が良いです。ボーカルの質感もどこか良い違和感があって、耳に残ります。

――リリックも、何かを言っているようで、全然掴めない、相当に抽象なものですね。「あいはなけなし」というタイトルからして、なんかわかりそうで、よくわからない感じがします。

シンプルではっきりとしたバンドサウンドと、どこか掴みどころのないリリックやボーカルのバランスが面白いから、耳に強く残っているのかもしれません。まだこの曲しか聴けていないので、他の曲も聴いてみたいところです、どんな音を聴かせてくれるのでしょうか。

――コロナ禍で新しいバンドを知る機会が減った気がしていますが、こういう連載記事とかで積極的に触れていきたいところです。今週はこんなところですね。さっくりいきました。

これぐらいさっくりのほうが良い気がしますね。こんな感じをベースにしていきたいところです。まぁ結局は曲次第なので、どうなるかはわかりませんが。

――そうですね、曲次第で書きたいもの、書くもの、書けるもの、書かせてくれるものは全然違いますからね。では最後におまけです。

今回はこの記事についてです。SpotifyとFCバルセロナが長期パートナーシップ締結を結んだという話です。

――そうなんですね。どこが気になるんですか?

私は音楽は専らSpotifyを利用しているので、応援したい気持ちもあるのですが、最近のSpotifyを巡る諸々はどうにもすっきりせずもやもやしています。

そんな中でこの話を見かけたのですが、自分は少しサッカーもかじるので背景含めて、両者の思惑がまず気になります。

経緯的には、今は楽天がバルセロナとスポンサー契約しているんですが、お金で揉めて、スポンサーを降りる話が出ていました。

ちなみに、バルセロナ自体もチームの調子はあまり良くないのが、ここ最近の印象です。少なくともひと世代前の無敵感は全く感じられないですし、そもそも財政難がキツイみたいです。だからお金が欲しくて楽天と揉めたのかもしれません。

――なるほど。で、ここで取り上げる意図は?

最近の諸々の流れと同様、もやもやするからです。音楽プラットフォームとして、Spotifyはなぜそこに乗るのか?が良く分からず。相場が分からないですが、どう考えても安い金額ではない額の契約であることは間違いないと思います。そこまでしてSpotifyは何がしたいのか?がピンとこないんですよね。

――どういうことですか?

とりあえず最初のrealsoundの記事に戻ると、やりたいことは以下の辺りに読めます。

本パートナーシップは、音楽とサッカーの世界を結びつけ、スポティファイ・カンプノウ スタジアムという場をもって、選手やアーティストにグローバルなステージを提供し、アーティストや選手と世界中のファンをつなぐ新たな機会を構築する初めての試みとなる。

また、FCバルセロナのカンプノウ改修を含めた大規模な再開発プロジェクト“エスパイ・バルサ”の一環として、Spotifyは、クラブのスタジアム内プロモーション面を利用して、試合を観戦する世界中のテレビ視聴者にアーティストの作品を紹介し、広く発信することに取り組んでいく。

要は、スタジアムを使ったライブだったり、アーティスト紹介をしていくみたいなことしか書いていないのですが、果たして今Spotifyがやることはそれなんだろうかというのが自分の中ですっきりこないです。

――大分ぼやかしていますが、Spotifyは最近色々言われていますからね。

そうなんです、その辺までまとめようかと思ってこの話題にしたのですが、とてもじゃないけど、ここではまとめきれないほど色々あります。とにかくプラットフォームとして、結構危うい立場になりつつある中で、お金をかけてやることがこれなのか?というのが納得できなくて。もっと他にやることあるんじゃないかなーと思っちゃったんですよね。

――例えばなんですか?

そう言われると難しいですが、プラットフォームとしての健全性を上げていく活動を求められていると思うのですが、やろうとしているのが宣伝に見えてしまうのがなんかなーと。やっぱり狙いが見えない。確かにサッカーと音楽の相性は良いと思いますが、そんなに効果があるのだろうかという気がします。強いて言っても、広く人気を集めているアーティストがより人気を集めるための施策しかイメージできない気がしていて、それはまた叩かれるような気が、、、

――うーん、確かになんかイマイチな感じはしますね。

そもそも、Spotifyがどこに向かっているのかも良く分からず。ポッドキャストを押し出そうとしている感はありますが。そういう面でバルセロナと提携していくんですかねぇ。

――ポッドキャストだと、音楽とはちょっとズレると思います。

そうですよね、だからやっぱり良く分からない。この辺は諸々の経緯を含めて、備忘として別場で少しまとめておきたいところです。

ちなみに、今この本を読み始めていて、まだ5%ぐらいなのですが、Spotifyという会社のキックオフはバルセロナで行われたらしく、まさかな、、、とは思いました。

――流石にないでしょう。多分。。。とりあえず今週はこの辺でしょうか。

そうですね、今週は、曲よりもSpotifyの話がメインに見えちゃう気もしました。あまり良くないと思うので、気を付けます。

――あくまで"おまけ"ですからね、気を付けましょう。次週もよろしくお願いいたします。

よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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