【ライブの記憶】RYUTist結成11周年秋冬ツアー【(エン)〕@新宿ReNY 2022/11/27
ふと思い立って、行ってきた。RYUTistを生で観るのは初めてだ。
シンプルに、新譜が良すぎたので、大音量でこの音楽を聴ける機会は逃してはならぬと感じた。
そして反省した。自分はRYUTistのことを何も知らなかったなと。
こういったアイドルのライブはいつぶりだろうか。
そもそも、ここ数年で行ったライブは、決まった踊りがないフリースタイル形式に近いリリスクばかりだったので、それだけでも新鮮だった。
ライブの始まりは、(エン)の曲順の通り、君島大空による抜群の楽曲である支度~朝の惑星。
本当に良い曲だなと思う。朝の惑星はもともと本人が歌うための楽曲として温めていた楽曲を提供したとのことで、とにかく君島大空節が炸裂しているわけだが、そんな暴れ馬のような楽曲を可憐に乗りこなすRYUTistの4人には脱帽。
そのままアルバムの楽曲順で、うらぎりものへ。
もっとエグイ。何度聴いても変な曲で、いまだにリズムも良く取れないのだが、ダンスはバッチリ決まっていた。
そして、オーロラ。会場にも足を運んでいた柴田聡子の提供曲で、アルバムのリード曲でもある。
正直なところ、この曲は自分にはしっくり来ていなかった。前の3曲とは明らかにムードが違い、なんとなく乗り切れていなかったのだ。
ただ、今日ライブで聴いて、この曲がリード曲である理由が、はっきりと腹落ち出来た。この後の楽曲も全てが素晴らしかったし、とりわけウ山あまね提供のたったいま:さっきまでの異常さには笑うしかなかったが、このライブのハイライトを一つ選ぶとしたら、確実にこの時だった。それほど白眉の出来だった。
何がそこまで良かったのだろうか。なんとなく感じていることはある。
前3曲も素晴らしいし、大好きだ。ただ、どうしても楽曲の印象、とりわけビートやリズムの面白さの側面が強すぎる感は否めない。
そうなると、曲の聴き方として、楽曲をメインに据えて、その楽曲に対して4人のメンバーがどうパフォーマンスするのか、という視点になってしまう。
そもそも、自分はこれまでRYUTistの楽曲を、明らかに楽曲主軸で聴いていた。それはそれで面白いのは確実だし、この至極の楽曲たちが、シンプルなステージの上で、ダンスや歌によって、リアルの場でどのように表現されるのかという視点で体験するライブが、どれほど面白いことか。その側面に改めて気付く機会にもなった。
ただ、オーロラは、どこか、それとも違った面白みがあった。
なんというか、オーロラはRYUTistの4人を中心に形作られた楽曲だと、はっきり感じた。4人の歌とダンスが主軸にあり、楽曲の凄みに一切引けを取らない、強烈な身体性がそこにあった。
きっとRYUTistと柴田聡子の素晴らしい関係性のなせる業なのだろう。他の楽曲よりも、曲とメンバーに有機的な結びつきがあり、それがパフォーマンスに表れていたように思う。
このバランスこそが、RYUTistなのかと思った。今まで楽曲のことばかり考えていた自分は、このグループのことを何も分かってなかったのかもしれない。そんなことを考えながら体験する、衝撃の3分間だった。
正直なことを言うと、RYUTistの曲はめちゃくちゃ好きで、それなりに聴いているはずだが、「RYUTist」のことはほとんど知らなかった。メンバーの名前も、どういう経歴をなのかも。
だから、ライブが終わってから、すぐに検索して調べた。
いくつか読んだが、このnoteがまとまっていて、とても良かった。
インタビューを複数読んで、あー、だから、RYUTistはこんなにも気鋭のアーティストたちに愛されているのかと思った。
「推しは推せるときに推せ」という言説はあまり好きではない。が、良いものを良いということの重要性は重々承知している。
その意味では、RYUTistがいかに素晴らしいかについては分かっていたつもりだし、応援しているつもりだった。
でも、何もわかってなかったなと反省した。そりゃそうなのだが、ちゃんとRYUTistのことを理解してこそ、たくさんの素晴らしい楽曲の真価をより深く理解できるのだろう。
こんな当たり前のことを、改めて感じさせてくれたのが、オーロラという圧倒的な楽曲だったのだと思う。
その意味で、これまで以上に応援しようと思った。自分自身のために加えて、この確かなクオリティを持ちながら、平和な空気感で溢れるグループが、少しでも望む方向に行けるように。
#RYUTist #柴田聡子 #ライブの記憶 #ライブ #音楽
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