見出し画像

みなさんからいただいた、天花寺さやか先生への「10の質問」

初めまして、皆様ご存じ(矛盾)、書三代ガクトです。
前回に引き続き、天花寺さやか先生へのインタビュー記事です!

今回はリスナーさんからいただいた質問にお答えいただきました!

天花寺さやか先生について

京都生まれ、京都育ちの作家・エッセイスト。

天花寺さやか
https://ja.wikipedia.org/wiki/天花寺さやか
(最終更新 2023年11月18日 (土) 06:36 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。)より

小説投稿サイト「エブリスタ」で発表した「京都しんぶつ幻想記」が好評を博し、同作品を加筆・改題した『京都府警あやかし課の事件簿』(PHP文芸文庫)でデビュー。本作で第7回京都本大賞受賞。

「京都府警あやかし課の事件簿」シリーズ〜天花寺さやかのデビュー作あやかし警察小説 https://www.php.co.jp/kyotoayakashi/より

天花寺さやか先生のX

また今回の記事にあたり『京都府警あやかし課の事件簿』を読ませていただきました。

京都府警にあるあやかし課。あやかしが起こす様々な事件を担当する警察官たちの物語です。
事件を通してこの世あらざるモノたちの想いに触れていきます。
異能力バトルでもあり、お仕事ものでもある作品です。

何よりも属性もりもりな人たちが素敵な作品です。
女性でありながらかんざしを取ると、美少年の神様になる主人公や
雷で派手に戦うエース、大人な拳銃使いなどなど、
いろんな人が入り乱れるコミカルな作品でした!

テキストインタビュー

1)物語を描かれる中で小説を選ばれた理由はありますか?

文章であらゆる事を表現出来るという点に、宇宙の広がりにも似た強い魅力を感じています。「台詞」という分野ももちろん魅力ですが、私はむしろ「地の文」にその可能性を見出しており、たった一行、たった一言の文章で人を非日常へ誘ったり手に汗握らせたり、懐古心を抱かせたり、心胆を寒からしめたり感動させたりと、あらゆる心の揺さぶりを表現出来るのが、書き手としては非常に面白いし、挑み甲斐があります。

2)キャラクターやストーリーなど、先生が特に意識されて書かれているポイントはありますか?

キャラクターについては、特定の理由がない場合は、不快な性格・非常識なキャラとならないよう気を遣ったり、ストーリーの場合は、時系列や視点がおかしくなって破綻しないように気を付けています。
特に時系列は、単に時系列が合っているかどうかだけでなく、「いきなりそのシーンに飛ぶの?」「○○な場面は飛ばしてそのシーンに行くの?」等の、混乱を招かない自然の流れになるよう、整合性も含めて意識しています。
これらの点は、書くにあたって第三者の目が必要不可欠なので、その意味では現在、それぞれお仕事をご一緒させて頂いてる編集者の方に凄く助けられています……!(ありがとうございます!)

3)いつごろから小説家を目指されていたのでしょうか?

エッセイ集で詳しく書いているのですが、明確に、母親に「作家になりたい」と口にしたのは小学二年生の時でした。
それ以降、私の心の中には「作家になりたい」という願望が絶えずあって小説を書き続け、高校・大学へ進学してもっと具体的な職業選択を迫られた時でも、「会社員になるけどいつか作家になる」という思いがずっとありました。
その具体的な職業選択の中に、ついに「作家」が含まれたのは、20代半ばの時。つまり転職した際に、いよいよ幼い頃からの夢を叶える時だとして自然に具体的に、少しずつ、文学賞に応募したりネットに投稿したりして、「作家」へ進んでおりました。

4)Web小説を書かれている時に意識していたことはありますか?

実は、最初に小説を投稿した時は、勉強不足で「Web小説」というものを分かっていないまま公開していたので、全く読まれませんでした(笑)。
Web小説というのは、基本的にデジタルの画面で横書きスクロールの形式で読むものなので、どんなに紙の活字として優れた文章でも(自分がそうという訳でではないですが笑)、句読点の数や1ページに載せる字数、どこで改行するか等の意識をして投稿しなければ、かなり読みにくいものになる傾向があります。
それを知った後は、「Web小説」というジャンルを意識して作品を書き、投稿するようにしたら、少しずつ読んでくれる方が増えました。
なので、Web小説の場合は、私は一文の量と改行を意識します。
デビューから5年経った今の私ですと、難しい言い回しは少しだけ避けたり、台詞に近い地の文の比率を多めにする等、もう少し工夫を加えます。

5)本は何冊ぐらいお持ちですか?

結論からいうと数えきれないです(笑)。入りきらなくて実家にも沢山置いてあるので……(笑)。
ただ、比率でいえば、文芸よりも学術書の方が多い気がします。私の場合、小説を書くには下調べが多くなるので、そのせいかもしれません。単純に読むだけでも楽しいですし!笑
先日もまた一冊増えました(笑)。切実に自分のでかい図書室が欲しいです。(爆笑)

6)天花寺先生の作品はいろいろな要素が入っていると思います。強く影響を受けた作品はありますか?

ぱっと今頭に浮かんだのは、司馬遼太郎先生とみなもと太郎先生です。それぞれ小説と漫画ですが、どちらも硬派な歴史を取り扱いつつ、主軸を補完するような様々な社会情勢の解説や知識を自然に本文に取り入れて、「物語」としての膨らみがとても厚くて魅力的なので、そこに強い影響を受けていると思います。同じ系統で、山崎豊子先生や宮尾登美子先生、伊集院静先生や野田サトル先生などに、心より尊敬の念を抱いております。

7)小説以外で好きな作品はありますか?

沢山あって1日では話し切れないほどですが、今ぱっと頭に浮かんだのは、久石譲先生の楽曲です。拝聴する度に心が揺さぶられ、創作意欲が湧きます。

8)Webでの連載のご予定等はありますか?

大変申し訳ございません! 
今は複数の書籍の刊行作業に取り掛かっており、Webでの予定はなくて……!
ですがいつか、Webでも何か連載出来ればと思っております。

9)先生と編集さんの関係を知りたいです。どういったやり取りをされていますか?

基本的には、原稿におけるやり取り(完成原稿の送付、編集さんによる修正箇所のご提案及び私の返送、刊行スケジュールの相談・確認など)の商業的なものが大半で、その本文の末尾につける形で、「先日、○○へ行ってきました」等の近況報告を送り合ったりします。書籍の刊行が近づくと、編集さん経由で営業部さんからの販促の連絡を頂いたりもします。
なので、結論からいうと「大切なビジネスパートナー」で、私の場合は特に第三者の目で指摘(特に「この表現は今の時代にそぐわないですよ」と言った注意系)をくれる重要な方として、凄く感謝しております。
ある編集さんとはサウナの趣味が一致したので、その話題でめっちゃ盛り上がりました(笑)。

10)今後書いてみたい題材はありますか?

今すぐではないですが、いつか自分の訳で、自分の文章で、『源氏物語』に挑戦したいなと思っております。
また、源氏物語を訳すのではなく、自分で一から源氏物語のような壮大な物語を書いて、天花寺さやかの、平安時代ではなく現代の『源氏物語』を書きたいなとも思っております。
あとは、ヒーローとヒロインが世界中を旅して世界中の色んな街や文化を知る物語も書いてみたいです。
話し始めたら、次々と色んな「書きたい」が浮かんできます……!(笑)


質問をいただきました皆様、ありがとうございました!

媒体の違い、物語の力など、個人的に納得したり、勉強になりました。
また出版社で働いている系ガクトなので、姿勢を正さなければという気持ちにもなりました。

天花寺先生、素敵な機会をいただきまして、
本当にありがとうございました。


最後に恐縮ながら私の宣伝をば。

書三代ガクトチャンネルでは本にまつわる情報発信をしています。
作家さんにお話を聞いたり、コラボ読書会をしたり、小説紹介動画を出したりしています。
ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。

よしなに~。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?