何も知らない状態で「劇場版 少女 歌劇 レヴュースタァライト」を見ました。
初めまして。皆様ご存じ、書三代ガクトです。
今日、「劇場版 少女 歌劇 レヴュースタァライト」を見ました。
ちなみに「少女 歌劇 レヴュースタァライト」はアニメは未視聴、舞台もライブも見たことはありません。
というのも、映画はアニメ本編を見なくても大丈夫というのをTwitterで見まして、元々興味があった作品だったので、良い機会だと見に行きました。
なので、本編(?)未視聴の私が映画を見て、思ったこと、分からなかったところを書き殴りました。
最初に、楽しめたか。
めっっちゃくちゃ面白かった。
基本的に映画内で提示されたストーリーやガジェットを使って物語を描いているので、アニメ本編が未視聴でも「わけわからん」とはなりませんでした。
登場人物の名前から性格も全く分からない状況ですが、冒頭、進路の面接シーンが描かれ、それぞれの名前と思いが紹介されます。(登場人物を紹介する「パリコレだあああああ」と思ってました)
あくまで最低限ではありますが、それさえおさえておけば、それぞれが抱いているだろう思いは感じ取れました。
ただ一つ、大きな盛り上がりに繋がる大きな言葉があります。
(私が見逃している可能性もありますが)特に説明なく出てくるので、数秒かけて「あ、そういえばそんなキャッチコピーだったような」という感じになりました。
なので、公式サイトとか、アニメのプロモーション動画はちらっと見た方がいいかもしれません(説明されているかは分からないですが)。
あとは私の知らないところで(当たり前ですが)、「何か大成功があったんだろうな」とか、「この台詞はきっと成長したから言えるんだろうな」というのはあったり、関係性を持つであろう2人の背景が見えなかったりはします。
特に関係の着地セリフにはアニメ本編を踏まえているであろう台詞もあったりはしたので、
「未視聴でも楽しめる。でも見ていたらもっと楽しめる」
という、当たり前な感想を抱きました。
私が読み取れていないのか、実際にアニメを踏まえての着地だったのかはご覧になった方が判断いただければと思います。
舞台が結構好きな私。特異点と心象風景が大好物(ここからネタバレあります)
私は月に1度ぐらい劇場に行きます。
もちろん推しの女優さん、俳優さんはいらっしゃいますし、その演技に惚れ惚れすることも多いのですが、さまざまな演出を含めて、空間コンテンツとしてとても好きです。
舞台のセットとか、スポットライトの当て方、位置関係、音楽や映像。
そういった演出たちが「今はカフェですよ」「今は移動中ですよ」「今は内面ですよ」というのを暗に伝えてきます。
伝えたいものをどう伝えるのか。どうルールを示していくか。その上でどう演じられているのか。どう観客を取り込んでいくのか。
そういった演出がめちゃくちゃ好きなんです。
で、本作「劇場版 少女 歌劇 レヴュースタァライト」。
現実と特異点的舞台が明確に分かれています。
ここら辺は多分アニメと同じ演出かと思いますが、思いをぶつけ合いながら、バッチ(スタァ?)を奪い合う。
バッチに込められたもの、衣装。舞台に上がること、降りること。演者と観客。ばみるとスタート。
言葉で直接伝えてくるものや映像として描いているものが入り乱れて、情報量と熱量がすごい物語でした。
めちゃくちゃ面白かったです。
そして今回は(アニメ本編が)終わった後の物語。つまり次を探す話です。
電車での演出も多く、その心象風景や映像もあいまって、なんとなく「輪るピングドラム」を想起したところもありました。
とにかく良かったという話(ごりごりのネタバレ)
本作、冒頭から進路の話が入っていて、これからを考える物語でした。
モチーフは電車。次はどこに繋がっていくのか。
レールの上という比喩はよくありますが、自分たちはどこに行こうとしているのか、という話。
その中で、メインの愛城華恋さん、神楽ひかりさんを中心に、原体験である過去話を含めて展開していきます。
そして二人の物語に似た、けれどもまったく違うものが登場人物ごとに提示さていくのです。
2人を描きながら他の登場人物たちも補完するプロット。最高ですね。
しかも本作、現実とはまた異なる特異点の舞台だからこそ演出がめちゃくちゃ苛烈。
なんてったって、大場ななさんが同じ寮の方々(?)を殺すんですよ。
剣劇だ!!! と思っていたら、しっかり血を吹き出して、目の焦点もぶれ、手足があり得ない方向を向いている。
死んでいる。
というのも、(何かをやり遂げた)登場人物たちはこれから(進路)に少し浮き足立っているようで、それに初めから疑問を抱いているような彼女。
そしてぽつり呟くのです。
「みんな、しゃべりすぎだよ」
なんだこの台詞は!?
しかもこの台詞は大場ななさんが一人だけ、外にいるときのもの。
部屋の中で話して、少しぶつかっている仲間たちとは全く違うところを見ながらの言葉です。
その後に描かれていく特異点での惨殺。
終わりと始まり、破壊と生成、破滅と復活、死と生。
あの台詞と殺害は本作の方向性を明確に示しているような気がしました。
アタシ再生産(ここもネタバレ)
メイン軸である華恋さん、ひかりさんの過去話。ふたりの原体験に触れながら約束と祈り、その先を描きます。
2人の過去話は他の少女たちの補完としても申し分ないですし、二人の物語として吐きそうになりながら見ておりました。
ライバルで仲間概念んんんん! 約束とおびえ、対話。あばばばばば!
最高。
そして、唐突に出てくるこの言葉。アタシ再生産。
自分を再解釈していくような本作ですが、このキャッチコピーがクライマックスの象徴、答えとして描かれます。
表面的に言葉を拾うだけでも、意味は分かるのですが、多分、より強い意味が本コンテンツ上で込められているように感じました。
気づき、覚悟、決意。もちろん分かるのですが、それ以上に華恋さんにとっての「アタシ再生産」に触れてから見たかった気持ちは無視できないかなと。
(もちろん映画はアニメを見た人向けに作っていると思うので、作品としての瑕疵とかではないです)
そうはいっても、演じる役者、そして自分を再構築していくような物語の着地点として出てくる「アタシ再生産」。
たまらなく好きです。
というわけで、おもむくままに感想を記載しておりました。
ただ語り切れていないので、ここ好きポイントを箇条書き記載しましょう。
ところで、キリンだれぇ?
ここ好きポイント(やっぱりネタバレ)
・砂漠。升目にひかれた線の人枠で倒れている華恋さん。区切られた空間。最高。のちに線路になる。最高。
・トマト。はじける。アッ、イイ。
・塔を建てる描写。多分本シリーズにおいてのスタァライトの象徴? そしてラストシーン。
・ばみるの使い方。めっちゃいい。
・しょーもなの使い方。
・特異点だからこそできる殺害。
・「なんだか、強いお酒を飲んだみたい」最高!最高!最高!
・野菜キリン。映像としてめちゃくちゃ好き。だれぇ?
・決起会(?)で遠巻きに見たり、背を向けていたり。ため息がでるほど好き。
・特異点パート。現実じゃない(?)からこそ、様々な姿、様々な演出。めちゃくちゃいい。
・待つこと、気に掛けること。恋じゃん!愛じゃん!
・「自分の言葉で」。自分に向けての言葉であると同時に、「しゃべりすぎ」に対するような切りかかり。すこ。
・役者として心の有無、そこから先に生まれた言葉。スタァに込められたものから舞台というのも色濃く出ていて最高。クロディーヌと真矢のパートめちゃくちゃ好き。
・祈りから突き放した言葉。何重にも重なった思いと行動がとにかくいい。そこからのすれ違い、絶望、そして再生。神話ですよ、これは。
・ED良すぎないか? 後半は特異点演出がほとんどなのですが、その先にある現実がEDに描かれるわけで。めっちゃすき。
結論、最高。本編も見ます。