旅立ちの嵐
街に愛の歌 流れはじめたら
人々は 寄り添い合う
輝きの中へ 僕は君をきっと
連れて行ってみせるよ
(嵐 「WISH」)
幼い頃はテレビから流れる言葉、歌を聴き取ることができなかった。
家族が流行りの歌を"普通に"聞きかじり、歌っている様子を、いったいどうなっているんだといつも不思議に思って眺めていた。
テレビから流れる音を「言葉」「歌」として認識するようになったのは、小5の頃。花男でこの曲がテレビから流れ始めたら、ハッキリ言葉を認識したとともに、ウキウキするような歌詞を理解できたことがとても嬉しかったのを覚えている。
私のような人工内耳ユーザーや補聴器を使って音楽を楽しむ友達の間では嵐の曲は「分かりやすい」と評判。
もれなく私もこの曲がひとたび流れ出すと(オンチだけど)リズムをとりながらからだを揺すって歌っちゃう。
多分その辺りから嵐を知るようになり、小中高と一緒だった友達が嵐を語ってくれるようになってさらに私の中でびびびっと誰が誰で大ちゃんはこの顔でニノは彼で、翔ちゃんは毒舌執事、相葉ちゃんめっちゃ優しい、MJはあいつな、道明寺なといった具合で顔と名前が一致するようになった。
(この頃、うちの母が嵐のファンということを知ったのは驚きだった)
思えば熱烈なファンではないけれど、バラエティ番組でお腹を抱えて笑ったりニヤけたりしながらずっと見てきた嵐の存在がいつしか心の支えになった。
彼らのVS嵐・最終回の5人ロケを見ていた時のこと。録画しているとはいえ生放送は個人的に苦手である。字幕が遅れてジャストに分からないというところが。だけれど相葉ちゃんの誕生日パーティーのところのVTRで、ほぼオープンテロップに頼りながらだが、彼らの話に夢中になった。
えっ、、、、なんだろう。楽しい。
分かりやすい。歌じゃないところでもついていけてる、、、!
穏やかな雰囲気が手伝ってポツポツと語り出す彼らの優しいトーン、決して早口ではなく、口ごもるわけでもないのが、なんだかありがたく感じた。聞き取るのが苦じゃないっていうのがこんなに楽しいとは久々である。
冒頭の歌詞や当時発表された曲はサビしか知らないが一曲まるまる好き!という曲が迷宮ラブソング。ワイルドアットハート。Monster。証。この4曲はジャニーズジャンルでは頑張って聞いて歌詞を見て覚えた。
私はバラエティに出てくる嵐が多分好きなんだろうなと思う。けれど最初は心地がよくわかりやすいテンポのサビに出会えたのが始まりで、今こういう形で嵐を応援しているんだと思う。
しばしの休止という。寂しいけれど。
気づいたら大人と言われるようになって片手で数えるくらいのわたしにとって、ああ、こういうオトナになりたい!と思う人がテレビの向こうでまたさらに増えた。
それぞれの道を歩む姿をテレビを通して楽しみにしながら、私もどう生きたいか選んで踏み出したいと思う。
待ってるよ。夢の続きを。