腱板損傷について①
こんにちは!柔道整復師のしょーいちです。
今回の記事では肩の腱板損傷について解説します。
どんな疾患?
腱板損傷とは手をついて転倒した、肩を打ったなどの外力で発生するものや肩の使いすぎ、加齢による変性などによって肩にあるローテーターカフが損傷、断裂したものです。
ローテーターカフとは肩関節を安定させる上で大切な筋肉である棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋で構成されています。この4筋の中でも特に棘上筋が損傷されやすいです。その理由は解剖学的に損傷を受けやすく、肩関節を安定させるために常に負荷がかかっており長時間肩を動かすと周囲の靭帯とあたり摩擦を起こすためです。
年齢が上がると損傷しやすく加齢による変性は40歳頃から起こり60を超えると発生頻度が増加します。
症状
受傷後は激痛だが数時間で軽減しその後また痛みが強くなるのが特徴です。他にも夜間痛、肩を上(屈曲)横に上げる(外転)時の痛み、動かしにくいなどがあります(可動域制限)。
痛みは肩の外側、上腕骨の上部に訴えることが多いです。
この痛みは寝た姿勢で増加し座った姿勢で軽減することがあります。
評価・検査
評価のポイントについてです。
まず最初に炎症所見などがないかの確認をします。しかし、腱板損傷では完全断裂することが少なく多くは不全断裂または筋の損傷なため視診で見分けるのは困難です。
次に実際に触診して確認します。触診のポイントは筋の萎縮がないかの確認と完全断裂してるものでは痛みがある部分に陥凹を触れることができます。
続いて肩を動かしながらの確認です。屈曲や外転をしてもらい痛み、動かしにくいなどの訴えがないか確認します。この時ポイントとなるのが肩甲骨の動きです。肩を上げると肩甲骨も一緒に動きハの字のような状態になります。筋萎縮などがあるときれいなハの字にならないので観察する上で重要なポイントとなります。
検査についてです。
検査はレントゲン、MRIなどの画像検査とテスト法があります。
テスト法について解説します。腱板損傷を見る上でのテスト法はいくつもありますがここでは代表的なテストを紹介します。
棘上筋テスト;患側母指を下に向け肩内旋、肘伸展位で腕を挙上してもらいその際
軽く抵抗を加えます。この時痛み、脱力感などがあると陽性です。
lift -offテスト;肩内旋位で手背を腰にあて手掌に抵抗を加えこの時手を背中か
ら離してもらいますます。肩甲下筋の筋力を見るテストです。
drop armテスト;患側の肩関節を肩甲骨平面上に90°外転させこの位置で手を離
し位置をキープできるかの確認をします。
治療
最後に治療についてです。
まず完全断裂してるものでは手術をすることが多いです。不全断裂や痛みが強いものなど手術以外ではステロイド注射や処方された薬を飲むなどが多いです。
また、固定する場合は損傷された筋肉にストレスが加わらない位置で固定します。(例)棘上筋の損→外転位
リハビリの一環としては筋萎縮してるものではその筋肉の強化、ストレッチなどを行います。また慢性的なもので肩が萎縮してるものでは可動域を上げるための訓練も行います。