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育成年代に関わるということ

初めまして。
中根翔太郎と申します。
街クラブで育成年代のストレングスコーチとして活動しています。

自分の中の頭の整理として指導者としての考え、感じたことを
noteにまとめさせていただきます。
拙い文章で恐縮ですが、読んでいただけると嬉しいです。



結論
「選手の将来に深く関わる存在であると自覚すべき」

話すことが上手くないので先に結論から言います。

現場では僕が教えたことが”選手の初めて”になることが多い。
その指導や考え方が選手の将来を大きく方向づけることになる。
最大限の努力をもって選手に関わってほしい。

これは僕が勉強していく中でいただいた言葉です。
育成年代に関わらせていただいて大切だなと感じることや思ったことを
書きます。


育成とは

言葉の定義を調べると

育成(いくせい) の意味
《名・ス他》
育て上げること。育てて大きくりっぱにすること。
出典:デジタル大辞泉(小学館)

と出てきます。

自分が立派な人間ではないので、育てて大きく立派にするなどと
おこがましくて言えませんが、指導者として常に見本となる存在になれるよう努力すべきだと思っています。そもそも立派とは…とも思いますが。

それ以上に大切なのは僕たちが「育てる」のではなく「一人のスポーツ選手として育つような環境の提供ときっかけを作ってあげる」ことだと考えています。



育成年代に関わって最初に感じた事

僕は2021年から初めてストレングスコーチとして街クラブで活動させていただきました。種目はサッカーです。
中学1年生から3年生までの3カテゴリーがあり、それぞれで時間をいただきトレーニングをさせていただいています。

JFAによると2021年度、第3種(中学生年代)の選手数は211,356人
めちゃめちゃ多いですね。
改めてサッカーというスポーツがどれだけ人気なのかを思い知らされます。

「選手はサッカーを上手くなるために練習に来ている」

当たり前なんですけどね。
街クラブなので部活よりも多い月謝を払っているため、ほぼ間違いないと思っています。現場にでて感じたことの1つです。
その中でトレーニングをする時間を設けてもらっているんです。
選手からしたら

「サッカーをやりに来てるんだよ」

こう思うのが普通。
なのでコーチとして選手たちに価値を見出さなければいけません
選手に何を伝えたくてやっているのか。どうなって欲しいのか。
それが明確にしておけば、自分がやっていることや伝えたいことが大きくブレることはないと思います。
僕が選手に伝えたいことは最後に書きます。



ストレスを抱えている子供が多いこと

思春期は周囲の影響を受けながら一人の大人として自分を確立する時期です。仲間集団の役割は大きく、この時期の仲間関係のトラブルは大きな影響を及ぼします。思春期に見られる様々な問題行動に対応するには、子どもにとっての目標と背景要因を理解する必要があります。

引用:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト


ここは補足ですが、
成長期にはオスグットやシーバー病、腰椎分離症などといった障害が発生しやすく、大人に比べて骨が脆弱で筋の柔軟性も乏しい時期になります。
痛みが出た選手に対してどういう指導をするのかは人それぞれだとは思いますが、僕の場合、基本的には選手の意見を尊重します。
ただ何も情報がない中で判断するのは酷だと思うので起きている怪我がどういったものなのか。痛いまま続けるとどうなる可能性が高いのか。練習を休む間何をするのか。などを伝えます。

もちろんRed flagになるもの、悪化することが目に見えているものは半強制的に休んでもらう事もありますが、頭ごなしに「やっちゃダメ」とはしないようにしています。
選手にも情報を与え自分の頭で考えてもらうことが必要だと思います。
それは次のステージに行った時に自分で考えられるようにするためにも。


僕が伝えたいのここからです。
現場にいて感じたのは「休んでいる時」「上手くいっていない時」の背景に家庭環境や帰属集団と本人の関係性に問題があることが多いということです。親が悪い、子供が悪いが悪いとかではなく、そういう事実があるということです。

ただ街クラブの指導者の立場では家庭環境や学校の中で起こる問題を解決していくのは相当難しいと感じています。マクロな解決策として教育や育成に対する哲学や理念があるクラブであれば、子供たちの社会性を育むような指導や環境を提供できるのではないでしょうか。


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「マズローの欲求5段階説」というものがあります。
端的にいうと下の階層の欲求が満たされていくと、1つ上の階層の欲求が強く発露されていくというものです。

先にも述べましたが
育成年代の選手の多くは身体的にも精神的にも不安定な時期に入ります。
そうするとプレーそのものに不器用さが出たり、身体に痛みが出たり
なんか物事が上手くいかなくなることが多くなります。

つまり上記図でいう
・Love /  Belonging (所属と愛の欲求)
・Safety (安全の欲求)

この辺りが十分に満たされていないということが起こり得るわけです。
その状態では「サッカーが上手くなりたい」という欲求は発露しにくくなり
結果として選手に環境を提供できていないことになります。

ミクロな視点で解決策をあげるなら
選手の話を”丁寧に”聞き、何を感じているのかを知ることが必要

そして
・Esteem (承認と尊敬の欲求)
・Self-actualization (自己実現の欲求)
これらの欲求が発現して初めて「一人のサッカー選手として育つような環境の提供」と言えるのではないでしょうか。



選手にどうなって欲しいか

僕が育成年代のトレーニングを行う目的の土台となる部分に
「身体的成長だけでなく人間的成長を促進させる」と言うのがあります。
ピラミッドで言えば一番下に当たる部分です。

トレーニングは”自分と向き合う”と言う点でわかりやすいものだと思ってます。やればできるようになるけど、やらないとできるようにならない。
また、できるようにならない原因を探したり、できた理由を分析したり
今日の身体のコンディションを自分自身で感じることだったり
選手にはベクトルを自分に向けることをやめないで欲しいと思って
毎回のセッションを行なっています。

僕はたった21年しか生きていませんが、どんな時も自分にベクトルを向けることができない人は成長しないと思ってます。


まとめ

トレーニングに対する知識を勉強することはもちろんですが
それだけではなくて、一人の指導者として選手のために何ができるかを
考えて行動していきたいと思っています。
これから現場に初めて行く人も最々限の努力をもって選手に接して欲しいと考えています。
自戒を込めて

当たり前なことを当たり前にできるように。そして当たり前の基準を高く。

ご覧いただきありがとうございました。




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