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育成年代のひとつの"問題"をどの角度から見るか
『何』が『問題』なのか
"望ましい状態"と"現在の状態"に差分があることが"問題"である。
"望ましい状態"が分からない限り、何が問題なのか明確にすることは出来ない。
僕が仕事とする、スポーツ現場の子供たちの身体で考えてみる。
理想の動きや柔軟性の基準を知らない限り、自分の身体が硬いのか、もしくは普通なのか、柔らか過ぎるのかを判断することすらも出来ない。
これらの無知が、自分のパフォーマンスや怪我に影響してくるということを知らない事もまた問題である。
成長期であれば、柔軟性が乏しくなる時期があるのは致し方ない。ただ、それよりも本人が自分は身体が硬いんだという事実を把握していない。または保護者も子供の身体が硬いという事実を知らないということが気になるところ。身体の使い方もしかり。
現状を把握できておらず、正常や理想を知らないのだ。
何故、このような事が起きるのか?
一つは、“知っている人”に出会っていないからだと考える。
現在、長崎のU15カテゴリー、U18カテゴリーではこれらの普及やサポートをトレーナーや組織に定期的に依頼しているチームが出て来ているようだが、
まだその数は少なく『選手』『保護者』『指導者』に対し、サッカーに必要な身体の知識についての情報が届いていないと感じている。
スパイクやボールを大事に扱うように、サッカーをする自分の身体を管理し、大切に扱うことが大事なのではないか。
ボールをコントロールしているのは紛れもなく自分の身体なのだから。
自分の身体をしっかりコントロールできるような"身体操作"を手にいれる事によって、サッカーの幅は広がり、障害リスクも減らせる事が出来ると思っている。
育成年代において、自分の身体に目を向ける習慣を徹底するということは、これからサッカーを続ける、続けないに関わらず人生において有益なものとなるに違いない。
僕は高校チームのフィジカルコーチとして活動させてもらっており、フィジカル的な要素、ウォーミングアップ、リカバリーに関するメニューを担当している。
各チームにフィジカルや障害予防の知識が豊富な指導者がいれば問題無いのだが、そうでないチームはどうなのか。
後者のチームでは、前者と比較すると障害発生率が増加することはイメージしやすい。
そんな情報が行き届いていないチームやカテゴリーに対して、僕が持っている情報を届けるべきではないのか。という考えが頭にありながらも、行動には移す事が出来ずにいて、もどかしい日々を送っていた。
そんな時、2019年夏の対馬のイベントでトレーニングを指導する機会をいただいた事がきっかけで、その迷いが消えた。
長崎県ユースダイレクターを務める川内さんとの出会いだ。
『その考えややっていることは素晴らしい。間違いなくどんどん伝えるべきだ。』
と言って頂き、
迷いが消えたのと同時に、問題は自分にあるのだと気が付いた。
必要だと思っているのに、行動できていない自分が問題だと。
行動しても知ってもらわなければ、意味は無い。
商品棚に無いのに買ってもらうことは出来ないように、行動して知って貰わなければ、選ぶか選ばないかかすら悩んでもらえない状態だということ。
止まってるだけでは、選手とは出会えない。
昨年の夏以降、僕は監督にも了承を得て、チーム外の選手との関わりも少しずつですが持つようになった。
監督からの
『石田將なりのフィジカルコーチになってくれ』
の一言で僕は本当に救われています。
たまに誰かと比較してしまって、僕なんかがって昔だと思ってた自分がいました。
しかし、そんなスタンスの人に大事な身体を預けようとは僕なら即決できません。
チーム内が良ければそれでいいのであればそのままでいいが、僕はそうではない。
サッカーをもっと大きな括りで捉えている。
僕を信頼してくださっている方々の思いも胸に秘め、時々表に出しながら、
何ができるのか常に考えて、行動し続ける。
防げる怪我は防ぎたい。
パフォーマンスアップの手助けになりたい。
現場に出るのが近道なのか。
SNSが近道なのか。
選手に何ができるのか。
冒頭で出た文章は僕自身への投げかけです。
"望ましい状態"と"現在の状態"に差分があることが問題として確定する。
そうすると、"望ましい状態"が分からない限り何が問題なのか明確にすることはできない。
望ましい状態を知った上で、立ち止まってるんじゃないよ、と。
便利になりすぎて問題が希少となったこの世の中で 『問題』をどの角度からみて、どの方向に進むのか
"Always ask questions, keep moving"
常に自分に問い続け、動き続ける。
これに尽きるのかなと今は思う。
フィジカルコーチ/石田將