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#58 Harry Styles 「Love On Tour 2023」in ARIAKE ARENA 感想

会場に着くとすでに開場時間から30分ほど経っていることもあって、人の流れができていた。身を任せ進んでいるとちょこちょこ英語が聴こえてきて、まるで海外に来たような気分になってくる。
アリーナの中に入って席を探す。アリーナともなると会場内はさすがに広い。チケットの番号と頭上の案内板を何度も確認し、スタッフの人の誘導に従い、彼女のこっちじゃない?という声に連れられて座席に辿り着く。チケットを発券した後に調べた時はステージ真横のはずだったのだけど、それは勘違いで着いた席はステージ正面。彼女と何度も確認し、やっぱり間違ってないと確信した時は嬉しくて何度も「最高の席だね!!!!!」と声をかけあった。

座席に着いて少し落ち着いた頃、会場BGMでOne Directionの「Best Song Ever」が流れ出した。SNSで前日の公演でも開演前にこの曲で会場が沸いているのを見ていたこともあり、僕たちは顔を見合わせて「キター!!!」と叫んだ。大合唱の後、会場は興奮の声と拍手に包まれて、ホカホカの状態だった。
それ以降も会場BGMは最高の選曲で、特に最後のはっぴいえんど、細野さん、David Bowie、Queenの流れは熱く込み上げるものがあった。

QueenのBohemian Rhapsody が流れ出す頃にはモニターに映し出されていたツアータイトルが消え、曲が終わると鳥のさえずりなどの環境音とピアノが流れ出した。その曲も終わると照明も消え、モニターにオープニング映像が流れ出す。そしてハリーが登場。会場中に響き渡る黄色い声援。流れ出すMusic For Sushi Restaurant。会場の全員が音に身を任せ踊り出す。僕はこの曲が大好きだから、テンションがぎゅんと上がり、1曲目から大はしゃぎだった。
続いてGolden。この曲も大好きだから、イントロが流れ出した瞬間からめちゃくちゃ嬉しかった。しかもこれは1つ前のアルバムのリード曲で、この曲を演奏するということは彼が曲の新旧かまわず、とにかくライブとして最高になるセットリストを組んだことを意味していて、かなり心踊った。

Goldenの後はAdore You、Keep Drivingと続いた。Keep Drivingは最近たくさん聴いていたので、特に嬉しかった。歌詞の和訳を思い出しながら、しみじみと聴き入った。スクリーンの映像もドライブの映像が流れていて、これを正面から見えて本当に良かった。
Keep Drivingの後のDaylightも大好きな曲だ。Harry’s Houseの中でも特に好きな曲が連続で聴けて幸せを噛み締めた。
その後のWomenはハリーが客席へマイクをたくさん向けてくれてみんなで「W…..Women!!!」と合唱した。


ここからは特に記憶が曖昧なので、MCと曲を分けて書いていこうと思う。
まずMCだが、ハリーは本当にたくさんの日本語を話してくれた。特に印象的だったのはラーメン屋さん(今回は一蘭と言っていたと思う)でのオーダーを披露してくれたところだった。

ハリー「ネギ味噌ラーメン、肉ナシで」
会場「ギャーーーーー!!!」
ハリー「メンマ3つ」
会場「ギィーーーーー!!!」
ハリー「あとおにぎり」
会場「ウヒャーーーーーーー!!!」
ハリー「あと餃子、肉ナシ」
会場「キャーーーーー!!」
ハリー「あとハイボール3つ」
会場「ボガーーーーーーン!!」
本当にこんな感じでワンオーダーごとに会場が沸いていたし、僕も同じように盛り上がった。
そしてMCから曲に入る前にはほぼ毎回「ガンバリマァァァァァス」と叫んでくれた。
本人からしたら好きで勉強したのかもしれないが、それをMCで披露してくれることに日本と日本のファンへの愛を感じずにはいられなかった。
MC以外の場面でも客席から投げ込まれたハチワレの被り物を被ったり、国旗を掲げてくれたり、スマホに向けてピースサインをしたり、サービスが止まらなかった。人並外れた才能と努力で今の立場を築いたであろうからこそ、近寄りがたいオーラを出すのは容易だろうにそれをせずにファンの期待に応えて一緒に楽しもうとする姿はますます僕たちの心を掴んだ。

そんなMCやファンサービスを挟みつつ曲を披露していくのだが、中でも忘れられないのはWhat Makes You Beautiful 、アンコールのSign of Times、As It Was、Kiwiだ。ライブの中盤、Treat People With Kindness で会場のボルテージを上げた後、ハリーはOne Direction時代の大ヒット曲であるWhat Makes You Beautifulを披露する。こんな夢みたいなことはきっと会場の誰もが想像していなかったのではないだろうか。驚きの悲鳴の後、すぐさま会場で大合唱が始まった。
僕も思いっきり大きな声で歌って、飛んで跳ねて、全力で楽しんだ。僕は彼がOne Directionの活動がない中でこの曲を歌うことは盛り上げるための演出だけでなく、One Directionが彼の中で生き続けていることを伝え、そして同じようにファンの中でも生き続けていて欲しいと願う意味もあるのではないかと思った。そう思うと彼がこの曲を歌ってくれたことへの感謝と、それを生で聴けたことの喜びで胸がいっぱいになった。

Harry’s Houseの最後の曲、Love Of My Lifeで本編を締めくくったハリーはアンコールをSign of the Timesで始める。この曲は初めて音源を聴いた時から痺れるような感覚を味わったのだけれど生で聴くとよりかっこよく、壮大に聴こえてきた。そしてライブを締めくくるようにMCで感謝を述べ、As It Wasを歌い出す。
ライブの終わりを感じながら、アップテンポだけど少し悲しいメロディに身を任せる。As It Wasの後、会場中に大きな拍手が鳴る。ライブが終わりそうな雰囲気が漂う中、ハリーは口元に人差し指を当て、会場に静寂を求めた。最初は叫び声が飛び交っていたけど、それも落ち着くと右手を少しずつ上げて、左側の客席を煽り始めた。
声が大きくなると今度は左手を上げて、右側の客席を煽り出す。右を上げ、下げ、左を上げ、下げ、両手を上げ、下げ、煽りに煽る。会場のボルテージが最高潮に達すると、最後に一言「ガンバリマァァァァァァァス!!!!!」とシャトウ。
すぐさまハリーの歌声とバンドの爆音が響き渡り、Kiwiが始まる。これが正真正銘、最後の曲だ。悔いの残らぬよう、曲に耳を傾け、光景を目に焼き付け、思い切りはしゃいだ。

曲が終わり、ハリーたちの姿が見えなくなると会場が明るくなり、久石譲の「風のとおり道」が流れ出した。トトロの曲を聴きながら、僕たちは夢みたいなあの時間の余韻に浸る。
頭の中で彼の姿がフラッシュバックする。これから彼の曲を聴くたびに今日のことを思い出すだろうし、その度に幸せな気持ちでいっぱいになって力をもらうと思う。
ありがとうハリー。最高のライブでした。また日本に来てください!!


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