束の間の夏休み
社会人2年目の夏。
束の間の夏休みと言える一日が終わった。
お盆も大した休みはなく当番制で出勤をした。
今話題になっている業界に携わっているおかげでお盆期間はほとんど毎日残業が続いた。いくら自分で選んで就活をして入った会社だからと言ってあまりにも悪い方向へ状況が変化してしまうと精神的に疲弊してしまう。
というか心身ともに疲れ切っていた。
仕事に費やす時間が増えていけばいくほど心は凝り固まってしまって、その感覚は確かに分かるのにどうすることもできずにいた。
生きるために仕事をしているのにいつの間にか仕事をするために生きているそんなのは嫌だって言う意見もあるけれど、働いているとただの綺麗事にしか思えなくなった。
こうやって染まっていくんだと、気付いたときには社会や組織の色に染まっているんだとふと仕事帰りに思った。
社会で働く「私」でいる時間が増えて自分に戻れる時間が少なくなっていた。
この一年での大きな変化といえば、以前よりもこれをやりたい!あれをやりたい!と言った気持ちが薄れてしまったことだと思う。
純粋に体や頭が疲れていて楽しいことを考えられる余裕がないだけなのかもしれない。今からこんなに気持ちが落ち着いてしまって私どうしようと思ったり。他人と比べても何も良いことないけれど、SNSを見ていると本当に若い時間を謳歌していて羨ましいなと思うことも少なくない。
私は私なりの楽しみ方で楽しんでいるのに疲れていると自分の解釈したいように物事は見えてしまう。
社会人になってからもそれなりに遊んでいるし、なんといってもお金を稼いでいるので基本的に時間さえ確保できればやりたいことはできる。
家に帰ってきてから課題をしなきゃいけないこともないし学生をみていると大変だったなと思う。大学の頃からずっとお世話になっているカウンセラーの先生にも社会人になってからの方が楽になる部分が多いよと(私の場合は)言われていたので社会人になってからの生活の方が学生生活よりも充実していると思う。
そんなで昨日は社会人の夏休みを謳歌してきた。
といってもたった一日、ただの土曜日。それでもねそういう一日がすごく心を満たしてくれて深い思い出になっていくんですよ。
大学の頃の友達と社会人になってから初めて遊びに出かけた。時間と距離が空いて会える機会が少なくなったからこそ会いたいし繋がりを大切にしたいと思って今年はいろんな人に会いに行った。
大学生の頃から行きたかった喫茶店に行ったり、当日の当日で夏だからって水族館に行ったり。こうやって二人で遊んでいると大学生に戻ったみたいだねなんて話をしながら楽しんだ。
久しぶりにカメラを持って沢山写真を撮ることもできたし、自分に戻れる時間が増えるとまたこれやってみたいなという気持ちがじわじわと出てきて少しだけほっとした。
そして少しだけ大人になって分かったこと、そんなに気負い過ぎなくてもやりたいことは実現できるってこと。これは自分の性格とか価値観の問題もあると思うけれど。常になんでもかんでもこうしなきゃ!と考えるよりも自然体でいた方が案外上手くいくし、そういうもんだと思えるように少しずつなってきた。
社会人生活は大変だけれどなんだかんだで働くことが自分の心の栄養になっている部分があると感じる。なにかの本でも人は他者の役に立つことで初めて自分の存在意義を認められると書いてあった。とは言えこんな会社辞めてやる!と思うことはあるし辛いことも沢山あるけれど、仕事を辞めて休みが沢山あっても楽しめるタイプではないので(むしろ何もしない自分に罪悪感を感じてしまう)このバランスが丁度良いんだと思う。
ちょっとずつ丁度良い塩梅とか上手く流せる部分も増えてきたと思うから気負い過ぎずに自分に戻れる時間や時間の使い方を探していきたい。
もっともっと自分と向き合いたい。
そんな夏のひとりごと。