東洋と西洋で全然違う、臓腑の世界観
鍼灸師が五臓六腑をどう扱っているのか?それについてご紹介させて頂きます。
東洋医学では
肝心脾肺腎
と言って臓腑の事を呼んでいます。
一方西洋医学では
肝臓、心臓、脾臓、肺、腎蔵
と言う様に臓という字がつけられていています。
現在では西洋医学の呼び方の方が一般的だと思います。
肝臓の事を肝と一文字で区切らないですよね?
肝が肝臓になった背景
元々、日本には中国から入ってきた臓腑の概念があって西洋医学が入ってくるまでは臓が付いていない肝心脾肺腎の文字のほうで使われていました。
そして日本に西洋医学が入ってきたときに元々あった五臓六腑の考え方をベースにそれぞれの漢字に臓の文字を付けて解剖学的な臓器の名称として使っているというわけです。
つまり外国語から日本語に解剖学を翻訳する際に肝が肝臓になったというわけです。
肝と肝臓の示すもの
ここでは簡単に肝と肝臓、東洋と西洋の臓腑の見方の違いについてお話します。
東洋の場合
肝とは(条達)と言う機能の陰の部分に名前が付けられています。
メチャクチャ専門用語が登場して意味がわからないですね(笑)。
簡単に説明するために、乱暴な言い方をすると解剖生理の生理学にどちらかと言えばニュアンスが近いです。
疏泄作用(氣血の循環を促進させる作用)や蔵血作用(血を一時的にためておく作用)をまとめて肝と言ったりします。
勿論、実際の肝臓も肝の一部ではありますが、より広い範囲をまとめて東洋医学では肝と言っています。
洋西の場合
肝臓は解剖学的な肝臓のニュアンスが強いです。
どちらかと言えば物質的で臓器そのもの、文字通りの臓器という物について肝臓と言っています。
西洋医学は絶対評価的で具体化の文化なのでより具体的で物質そのものについて深度を増す様な使い方をしています
東洋医学は相対評価的で抽象化する文化なので、ある要素とある要素の関係性を観測する事におもきを置きます。
まとめ
肝と肝臓にはそれぞれニュアンスに違いがあり
東洋の世界観の臓腑では色々な要素を関連づける為に抽象度が高く設定されており肝という言葉には余白があり輪郭が曖昧です。
逆に
西洋の世界観の臓腑ではその他の臓器との違いを示すために臓器と臓器を区別するために抽象度が低くせっていされていて、言葉の輪郭がハッキリしています。