2024年のコネヒトと生成AI
こんにちは。CTOの永井(shnagai)です。
メリークリスマス!
イチローの2夜連続の情熱大陸を見て、常に自分の限界にチャレンジする生き様に感銘を受けました。プロフェッショナルとして新しい挑戦を恐れずに突き進もうという気持ちを強くし、今年も終わりに近づきつつありますが、アンラーニングを続けて次の一歩を踏み出していきたいと思っています。
この記事は、コネヒト生成AIアドベントカレンダー 25日目の記事です。このアドベントカレンダーを通して、今年1年コネヒトで取り組んできた生成AIに関するプロジェクト(Run with Tech)や、その中で得た学びと、エンジニアに閉じない生成AIの与えるインパクトをお伝えすることができたのではないかと思っています。
最終日ということで、それらを振り返りながら、個人的に感じた可能性とその未来についてまとめていきたいと思います。
目次
インターフェースが自然言語というのが強い
波を作るのは熱狂
1. インターフェースが自然言語というのが強い
今回のアドベントカレンダーにおいて、ビジネスメンバーから生成AIという技術に関する記事が投稿されました。この事実は、大きな変化だと個人的に捉えていて、内容は生成AIを個人のスキル拡張に使っている話やチーム浸透から実際に業務に取り入れて業務改善までしている事例まで様々です。
これまでも大きな技術革新の波はありましたが、ここまで短期間でビジネスメンバーに浸透するのは、まさにインターネット登場以来のインパクトなのではないかと感じています。
何がこれまでと違うのか?と考えるととっつきやすさなんだろうなと個人的には感じています。例えば、以前流行したデータの民主化と比較するとわかりやすいのですが、「データの民主化は比較的使いやすいBIツールを使いデータアナリストやエンジニアだけでなくビジネスメンバーもデータを使って定量的に業務をしていく。」その敷居を下げるアプローチですが、BIツールの使い方やSQLの壁を突破した人だけがその世界に行けるような取り組みになりがちと思っています。
もちろんSQLやツールの使い方の教育はしますが自走出来る人は多くはない印象です。
しかし、今回の生成AIの浸透施策は明らかに様子が違いました。
インターフェースが自然言語のため、ChatUIで使う分には学習コストはほぼ0。(プロンプトのテクニック等はありますが)しかも、インタラクティブにほしいアウトプットに近づけることが出来るので参入障壁が低く、やってみた成功体験を圧倒的に生み出しやすいという特長が強みだなと思いました。
キャプチャは、社内1 GPTsを使いこなしているメンバーが書いている記事の一部抜粋ですが、こうゆう体験を生み出しやすい強さがあるのはこれまでの各技術革新系のツールとの大きな違いだなと思っています。
エンジニアが、コードを書きながらエラーに向き合い出力が思い通りに変わっていくあの快感をコードが書けなくても味わえる楽しみがそこにはあるのではと個人的には思ったりもしました。
そして、文章を書くプロフェッショナルであるビジネスメンバーにとっては思い通りに動いてくれる頼もしいパートナーとなり、これまではエンジニアに質問したり依頼しないと解決できなかったことが、自分で解決出来るようになるという革命が色々なところで起きているのだと思います。
もちろん、ハルシネーションの問題はあるので、その出力をそのまま鵜呑みにしない等気をつけるべき点はありますが、そこを折込みつつ最後の大事な判断は人間がするというフローを組んでいくのが今の時点でのうまい付き合い方なんだろうと思っています。
コードを書かないと中々できなかったAI活用の抽象度が一段上がり、多くのビジネスメンバーが業務に取り入れるまで浸透したというのが2024の生成AIに対する印象です。
2. 波を作るのは熱狂
Run with Techに取り組む中で、プロジェクト成功の鍵はチーム全体の「熱意」だなと改めて感じさせられました。
「Run with Techプロジェクトはどのように始まったか」で書いたのですが、このプロジェクト自体は、BPR推進の派生として始まりました。当初のメンバーは、エンジニア5名とビジネスメンバー1名の6名体制。
草の根的な各部門へのピンポイントの課題解決実績作りや全社への生成AIの教育、わかりやすい業務削減時間を可視化するアプローチで少しずつフォロワーを増やしていきました。
全部がつながっているのですが、今回のプロジェクトにおいて一番大きな要因は、ファーストペンギンとなるチームの熱狂とそこに火をつけた一人のエンジニアの熱意だったなと思っています。
プロジェクトを進めている中ではどうしても、うまくいくフェーズとそうでないフェーズのうねりがあります。そうでない時にプロジェクト自体を諦めてしまうことも多々あると思いますが、そうさせないのは関わる人の熱狂だなと今回改めて感じさせられました。
広告制作チームでの熱狂
1チームがファーストペンギンとして、熱狂して取り組み成果を出してくれたことが社内での機運醸成において一番大きかったと感じています。
詳しくは、下記の記事にかかれていますが、エンジニアの @yosshi とこのチームのコラボレーションの勢いはすごく、度々全社会等で生成AI活用の実例が出てくることで他のグループにもその影響や存在価値を高めていると感じます。
私自身も、いくつか実例を見せてもらったことがあるのですが、完成度が高く業務フローをうまく落とし込んでいる事例が多く、毎回驚きを感じています。
このチームでは、既に社内の他チームへのイネーブラーとしての動きも始まっており、エンジニアが入っていかずとも、生成AI活用を社内で広めていくような動きが広がっています。
また、ChatUIから一歩進み、Difyを活用したワークフローでの生成AI活用によるブレークスルーにトライしています。これらの取り組みもまた来年お伝えできればと思っています。
エンジニア推進チームがいなくても生成AI活用が広がっていくという姿は、まさにこのチームの熱狂によって実現されようとしており、来年もますます楽しみです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
このアドベントカレンダーを通して、技術的なトピックに閉じずにプロジェクト推進や生成AI活用を現場に推進する中で得た知見、その中でうまくいったことやそうでないこと、現場での活用の生の声を届けられたのではないかと感じています。記事を書くことで盛り上げてくれたすべてのメンバーに感謝しています。毎日出てくる記事を読む中で自分自身もめちゃくちゃ刺激や学びを得ることができました。
2025年も引き続き、Run with Tech が描いている、「世の中のテクノロジーの成長と共にコネヒトも成長し、新たな価値を生み出しステークホルダーを喜ばせる」という姿を実現するために頼れる仲間たちと共に面白い事例をたくさん作り、またアウトプットしていきたいと思います。