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新型GTO解析ツール「GTOx」

↑のリンクを使うと10%割引になります。

【要旨】
・GTOxは、初心者から上級者まで、あらゆるレベルのプレイヤーが基本的で確立したポーカー戦略を学ぶのに役立つリソースを集めたもの。
ソルバーを使う際に必要な①入力②解析③出力の3段階の作業をそれぞれ効率化しており、初心者でも利用しやすいGTO学習ツール。
・GTOxソルバーは、自分のハンドヒストリーをアップロードするだけで、自動的にクラウドサーバで解析弱点(リーク)を発見できる。
クラウドベース/ブラウザベースのサービスなので、高スペックのPCが不要で、WindowsでもMacでも利用可能。スマホでも利用可能。
・GTOx側で用意されたレポートやソリューションの参照も可能。
・月額課金制(30ドル、50ドル、65ドルの3コース。10%割引あり。)
※執筆に当たっては、GTOxから翻訳・画像使用許可をいただいています。


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1 GTOxソルバーのコンセプト

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GTOxソルバーのコンセプトを理解するために、まず、ソルバーのさまざまな構成要素とその機能の概要を説明します。
基本的に、すべてのソルバーには
①入力フェーズ
②解析フェーズ
③出力フェーズ
3段階のフェーズがあり、GTOxはこれらの各ステップを強化するために開発されたものです。

(1)入力フェーズ

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▶現状の課題

ソルバーを使う際には、ユーザーはソルバーにハンドの関連情報を入力する必要があります。
具体的には、ユーザーは、
❶両プレイヤーのプリフロップレンジ、
❷ボードカード、
❸有効なスタックサイズ、
❹ポットサイズ、
❺各ストリートにおける各プレイヤーのベッティングとレイズのオプション
を入力する必要があります。
これらの情報をソルバーに入力するのは、ロケット科学者でなくてもできますが、シミュレーションを頻繁に実行する場合にはかなり難しく面倒な作業になります。

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経験の浅いプレイヤーは、そもそも使用するのに適切なプリフロップレンジを持っていなかったり、入力すべきベッティングアクションの種類を知らなかったりするので、その場合は、ソルバーでアウトプットされた解(ソリューション)の質が劇的に悪くなる可能性があります。

▶GTOxでできること
GTOxは、入力プロセスを自動化することでこれらの課題を解決しています。
ユーザーはハンドヒストリーをコピーしてウェブアプリに貼り付けるだけでよいです。
GTOx は、自動的にハンドヒストリーのパラメータに基づいてゲームツリーを作成するので、プリフロップシミュレーションのライブラリを購入したり操作したり、ハンドヒストリーからベッドサイズをポットのパーセンテージに変換してソルバーの入力に使用したりする必要はありません。

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(確かにめちゃめちゃ楽!)


(2)解析フェーズ

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▶現状の課題

第2段階は、ゲーム理論のアルゴリズムをゲームツリーに適用して、EVを最大化する戦略を解析するものです。
PioSolverでは、シミュレーションのための計算は、ユーザーのコンピュータ上で実行されるため、ユーザーのハードウェアの能力によって制約があります。具体的には速度に影響を与えるCPUパワーと、計算できるゲームツリーの大きさを制限するRAM容量(メモリ)の2つによって制約ができます。

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例えば、200BBのヘッズアップ・シングルレイズポットのハンドを、GTOxで使用しているのと同じベッティングパラメータを使って実行するには、160GB以上のRAMが必要となります。そして、この15,000ドルの64コアコンピュータで、このハンドをポットの5%ポイントの精度で解くのに約7時間かかります。100BB・6マックス、シングルレイズポットのハンドを分析し、様々なサイジングを使用する場合でも、一般的には数千ドルの高性能コンピュータが必要になります。また、解析中は、他のリソースを必要とするプログラムを同時に使用することはできません。

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▶GTOxでできること

GTOXでは、すべての解析プロセスがクラウド上のサーバー群で行われるため、個人のハードウェア要件に制限されることはありませんブラウザでインターネットにアクセスできる環境があればそれで利用可能です。
WindowsでもMacでもできますし、スマホでも実行可能です。

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(3)出力フェーズ

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▶現状の課題

出力フェーズでは、ソルバーが計算したデータを表示し、ユーザーが分析します。ほとんどのソルバーは、2015年から使用されているハンドグリッド(13×13のマス目)をそのまま使っています。
近年のデータ表示の技術革新と、ポーカーコミュニティが過去6年間に蓄積してきた理論的な知識を活用することで、GTOがどのようなものか、EVの最大化戦略を推進する重要な要素について、ソルバーが作られた当初よりもはるかに良いアイデアが得られるようになっています。よって、ソルバーの出力を伝える技術も当然進化しているはずです。
市場に出回っている主要なGTOツールは、ソルバーかチャートトレーナーかを問わず、「何を」を説明することには長けていますが、「なぜ」を説明するように設計されているものはありません。これは、GTOが非常に複雑であり、ソルバーが実際にプログラム戦略のようなものを使用していないことからも明らかです。ソルバーが提示しているのは、ある特定のスポットに対してソルバーが定義した具体的な戦略に過ぎません。例えば、100BBのシングルレイズドポットで、J72rフロップでQTssをボタン対BBでプレイする方法などです。

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▶GTOxでできること

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GTOxは出力ビジュアルを再構想し最初から作り直しました。真のナッシュ均衡戦略は、レンジ・ポジション・SPRの3つの変数だけで計算されるものです。シミュレーションを行うためには、ベットやレイズサイズを入力する必要がありますが、これらの入力は、実際には、GTO戦略の制約であってドライバーではありません。すべてのGTO戦略が3つの変数のバリエーションから成り立っていることを考えると、論理的にはこれらの戦略の基礎となる基本的な原理があるはずです。

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GTOxの第一の使命は、これらの基本原則を明らかにすることです。これらの基本原則を理解することで、ポーカーを効率的に学ぶことができるからです。
現代の学習者の多くが、複雑なテーマをどうやってあっという間にマスターしたのかという質問に、「知識を意味のある木のように捉えることが重要だ」と答えています。知識を意味のある木のように捉えることが重要なのです。葉や枝の詳細に入る前に、幹や大きな枝といった基本的な原理を理解しておかないと、何も残らないからです。

ポーカーで言えば、「幹」や「基本原則」とは、
❶レンジアドバンテージ、
❷ポジション、
❸SPR、
❹エクイティーディストリビューション、
❺ブロッカー・アンブロッカー

などのことです。

これらは、どのようなタイプのノーリミットホールデムかを問わず、ポストフロップの戦略に影響を与える要素です。
葉とは、ある固有のスポットに対してソルバーが定義した具体的な戦略(100BBのシングルレイズドポットで、J72rフロップでQTssをボタン対BBでプレイする方法など。)を指します。
現在市販されているほとんどのツールは、葉を見るだけですが、GTOxは幹を見ることを目的としています
様々な葉を観察してパターンを見つけることでポーカーを学ぶことができますが、葉の元となる幹を理解した方が、より早く、より深く情報を吸収することができます

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(正直初見では意味不明なので、かなり研究する必要があります!)


GTOxとPioSolver等との比較

GTOxは、計算用のサーバーをレンタルするため、解析するシミュレーションの数に応じて30~65ドルの月額料金が発生するサブスクリプション型のサービスです。※10%割引あり。
一方、現在のソルバーの多くは、一度だけ料金を支払えば、あとは好きなだけシミュレーションを計算することができます(買い切り制)。この限界を克服するため、GTOxでは、ユーザーが週に100個ダウンロードできる強固なシミュレーションのライブラリを構築しています。

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現在のソルバーとGTOxを使えば、基本的にどんなタイプの2人用ノーリミットゲームでも解けますが、解けるゲームのタイプにはいくつかの制限があります。例えば、当初はフルリング、MTT、 ICM、バウンティ、ストラドルやいくつかのカードルームはサポートされていません。継続的にサポートされるゲームの種類を拡大していく予定です。

GTOxのもう一つの制限は、アプリ内で使用されているベットサイジングを変更できないことです。GTOxソルバーは、ハンドヒストリーの実際のベットサイズを使用し、ソルバーが選好するかどうかを確認するために、他の一般的なサイズを追加します。例えば、デフォルトの25%のCBではなく、10%のCBを選好するかどうかを確認したい場合は、そのサイズを使ってハンドを再実行しなければなりません。
無料版では、チェックした後、ターンやリバーでのベットサイジングを変更することができますが、フロップでのサイジングを変更したい場合は、フルバージョンを購入する必要があります。

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是非↓のリンクから加入を検討してください。
10%割引で加入できます。


2 GTOxのシステム

GTO(Game Theory Optimal)とは、ポーカーで意思決定が必要となるそれぞれの場面において、エクスプロイトされない戦略を数学的に規定するものです。
しかしながら、GTOの完全なソリューション(解)は、極めて複雑なものになっており、その結果、ゲーム中にあり得るスポットのすべてを記憶することは不可能になっています。
よって、GTOを「習得」するには、戦略を可能な限り単純化して、パターンを見極め、様々なシナリオに適用できる原則を作り出す必要があります。
残念ながら、ゲームを単純化することと、解析した戦略から得られる期待値(EV)を維持することは、トレードオフの関係※にあります。
※ゲームを単純化すればするほどEVが低下するが、ゲームを複雑なままにしておくとEVは維持できるものの、習得がより困難になる関係にあるということ。

GTOxは、このジレンマを解決するために、ハンド解析をマクロ解析、中間解析、ミクロ解析の3つのレベルに分けて体系化することによって、単純化されたより粗い戦略を使用しても、大きな損失にならないものを構築しています。

GTOxの最終的な目標は、ほとんどの対戦相手に対してそれほど長期的な利益をもたらさない瑣末な事項にこだわるのではなく、極めて大きなEVを失うような主要な弱点(リーク)にまず集中することで、学習時間の効率を最大化することです。

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レベル1:マクロ解析

マクロ解析は、自分(Hero)のレンジの全体的な戦略を評価します。(ハンドレポートの上段に表示。)
このレベルの主な焦点は、レンジアドバンテージ、ポジション、SPRにあります。これらの要素は、レンジ内の特定のハンドがどのようにプレイされるかに大きく影響するため極めて重要です。

▶レンジグリッド

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このグリッド(13×13のマス目の表)は、各プレイヤーがこれまでのアクションを経て持っている可能性のあるハンドレンジを示しています。プレイヤーのレンジに入る可能性の高いハンドは、濃い色で表示されます。
GTOxのダッシュボードでは、両プレイヤーのレンジを並べて表示しています。GTOでは、ボードに照らして各プレイヤーのレンジがお互いにどのように対峙しているかに基づいて戦略全体が構築されます。



▶戦略サンバースト(階層的円グラフ)

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戦略サンバーストは、その時点(現在のノード)で可能なアクションの頻度をレンジ全体で表示するもので、各ストリートで利用可能なアクションも表示しています。アクションをこのように視覚的に表現することによって、GTOの重要なスキルである、それまでのアクションによって各プレイヤーのレンジがどのように限定されているかをユーザーが評価する方法を学習することが容易になります。

(この使い方はかなり分かりにくい。今後のチュートリアルに期待。)

▶戦略及びEV Regret(後悔)

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この表は、レンジ全体の各アクションの平均的な頻度とEVを示しています。また、各アクションのレンジEV Regretも表示されています。レンジEV Regretは、プレイヤーがレンジ内のハンドの100%でそのアクションを取った場合に失われるEVの最大値を測定したもので、戦略を単純化するのに役立ちます。
EV Regretはポットサイズによって規定されているので、プレイヤーは自分の経験やスキルレベルに応じて、EV Regretの閾値を設定することができます。さらに、この表は「フォールドレバレッジ」を示しています。これは、ナッシュ均衡での各ベットに対してフォールドする相手のレンジの割合を示しています。


▶ハンドストレングステーブル

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この表は、各プレーヤーの平均EV、平均エクイティ、エクイティ分布を示しています。EVは、プレイヤーが最適戦略をとった場合に平均して獲得できるチップの期待値です。エクイティとは、その後ベットを行わなかった場合に、ショーダウンでプレイヤーが勝利又は引き分けになる確率を表します。エクイティ分布は、各プレイヤーのレンジの全体的な構成(例:ポーラライズしているか、キャップされているか、コンデンスか、マージドレンジか等)を理解するのに活用します。


レベル2: 中間解析(メソ解析)

中間解析は、自分(Hero)のハンドクラスの強さに基づいて戦略を評価します。(ハンドレポートの中段に表示)
このレベルの主な焦点は、相手が持っている可能性のあるハンドの分布とそのハンドクラスの傾向に対して、自分のハンドがどの程度強いかを決定することになります。

▶ハンドセグメント

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このグラフは、自分のハンドレンジ内の各セグメント(役の強さ)に対する最適な平均アクション頻度を表示します。
ユーザーは、1つまたは複数のセグメントをクリックすることで、ハンドの「クラス」を作成することができます。特定のハンド(役)をクラスにグループ化することで、ゲームをシンプルにし、ハンドの強さが一般的な戦略にどのような影響を与えるかについての理解を深めることができます。


▶クラスアクションテーブル

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この表は、ユーザーが選択したハンドのクラスに対して、取りうるアクションの平均頻度とそのEVを示しています。また、各アクションのクラスEV Regretも表示されています。クラスEV Regretは、プレイヤーがクラス内のハンドの100%でそのアクションを取った場合に失われるEVの最大値を計算するもので、戦略を単純化するのに役立ちます。

▶エクイティ/EV

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このチャートは、レンジ内の各ハンドを自分と相手のエクイティとEVで表示するものです。このチャートは、自分のハンドがエクイティ分布のどこに位置するかを理解するのに特に活用できます。

(PioSolverのエクイティ分布の図と違うので混乱するかも▶その後改善されてPioSolverの分布図と同じ縦軸横軸になったので分かりやすくなりました!)


レベル3: ミクロ解析

ミクロ解析では、自分の特定のハンドについての最適な戦略を評価します。(ハンドレポートの下段に表示)
このレベルの主な焦点は、ハンド固有の特徴(例:エクイティの増分、ブロッカーとアンブロッカー)によって、同じクラス内の同様な状況にあるコンボのGTO戦略がどのように変化する(差別化される)かを特定し理解することにあります。

▶ハンドマトリクス

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この表は、各プレイヤーの各ハンドのウェイト、エクイティ、EV及び最適な戦略を表示しています。この表は、ダッシュボードの他のチャートを利用してフィルタリングすることができ、特定のカードを検索することもできます。

▶ブロッカーとアンブロッカーのスコア

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このチャートでは、各ハンドのブロッキングとアンブロッキングの質を測定します。ブロッカーとアンブロッカーは、ギリギリの判断をしなければならないスポットで大きな影響力を持つことが多いです。
ブロッカースコアは、自分のハンドのカード除去効果(自分が持っている2枚のカードは相手のレンジから除かれること)により、より大きなエクイティを持つ相手のハンド(自分のハンドより強いハンド)からどれだけEVが除去されるかを測定します。アンブロッカースコアは、自分のハンドのカード除去効果によって、より小さなエクイティ(上限は35%)を持つ相手のハンド(自分のハンドより弱いハンド)からどれだけEVが除去されないかを測定します。
(この辺もチュートリアルを見るともっと上手く使えそう。)

以上がGTOxの概要となります。

GTOxを利用したい方は↓のリンクを使うと10%割引となります。
月額27ドルから58.5ドルのプランを選ぶことができます。

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私もまだ全然GTOxを使い込んでいないので、今後具体的な使用方法なども紹介したいと思います。

また、GTOxで入門動画を4本出す予定とのことなので、それも随時紹介していきたいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました!
不明な点があればコメントやTwitterで遠慮なく質問してください。



※GTOx関連の記事はスポンサーからの依頼により執筆されています。

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