アフタースクール
放課後という響きに懐かしさを感じる。
西日が差し込む教室で仲がいい友達と語り尽くした。好きな子の話、テストの話、そして将来のこと。あの頃は何にでもなれると思っていた。
相変わらず授業は退屈で。
何かを探すかのようにずっと外を眺めたりしていた。その何かがあるわけでもないのに。ただただ何かになりたかった。それだけだった。
外を眺めていたら偶然好きな子と目が合ってしまったり、わざわざ遠回りして帰ったり。
もちろんバカなこともたくさんやった。
そんな毎日が楽しかった。台風のように次々に色々なことが起きる。まるで漫画の世界の中で生きていたかのようだ。
今思い返せば恥ずかしい、でも甘酸っぱい思い出の数々。そんな思い出が今となっては愛おしい。もうあの時間は帰ってこないと思うだけで悲しくなる。
歳を重ねるにつれてそんな思い出は美化されていく。あの時のキラキラしていた感情や思い出は「懐かしい」という一言に込められていく。
今年も夏がくる。