地図で見る「何故ロシア軍はドニエプル川西岸から撤退し、何故ウクライナはクリミア大橋を攻撃しているのか?」
日本の感覚だと良く分からないので調べてみました。
日本では全国各地に橋がかけられている。
「東東京の隅田川だけでも30以上の橋が架かっているのが通常なので、ウクライナの状況が分からず理解が出来なかった」という事が判明。
図を見れば一目瞭然。
・ドニエプル川南部に架かる橋は2本しかなく、その2本をウクライナ軍が通行不可能にした事で、ロシア南部からクリミア半島を経由する補給路が使えなくなった。(アントニフスキー橋(道路)とカホフカ橋(道路&鉄道)の間に、1つ鉄道橋があり、そちらも破壊済)
・陸路で補給するには250Kmも先のドニエプル川中部から補給するしか手段がなく、そこはウクライナの支配地域。
・そのため重量物の補給自体が不可能になる事で、撤退せざるを得ない。
・ただ同時に、ウクライナが奪還する事も難しくなる。
・ウクライナとして次に狙うのは、ドニエプル川東側、そしてクリミア半島。クリミア半島の東側は、1本だけ橋があり、ロシアにより「クリミア大橋」が作られ、ロシアまで陸続きになっている。
・クリミア大橋は、道路と鉄道の両方が架かっている。道路は片側2車線、鉄道は複線。
・ここを破壊すれば、ロシア領からの直接補給は不可能になり、現在の占領地のドンバス地方を経由するしかなくなる。
・クリミア大橋は10キロ以上にわたる長い橋で、道路を延長するために浅瀬を埋め立て、また途中に小さい島(トゥーズラ島:ウクライナ領)がある事で、複数の橋を繋いで1本の橋としている為に、実際の橋梁部分はそれほど長くない。橋の半分、トゥーズラ島まではウクライナ領なので、攻撃範囲は広範。また、ほとんどすべての部分がコンクリート橋であり、たった1か所だけ、200メートルほどの鉄橋が有り、ここを破壊すれば修復は困難で大型船の通行が不可能になる可能性もある。
・クリミア大橋より北東側のアゾフ海は、ロシア及びマリウポリなどのロシア侵攻地域。ここから大型船が出向できなくなる=大型軍艦や略奪した穀物の全ての大型船による輸送が不可能になる。
1枚目
2枚目
3枚目
4枚目