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青春有你3とIXFORMのまとめ

『青春有你3』のデビューグループIXFORMが3ヶ月の沈黙を破り、EPをリリースした。
巷ではアイドルオーディション番組の規制や推し活の厳格なルール化など、中国アイドルを取り巻く環境が目まぐるしく変化しているが、そんなの関係ねえ、変わらず鯖番の残滓を吸って亡霊として生きていきたい。IXFORMメンバーと『青3』のステージをまとめた自分用のアーカイブです。
めちゃくちゃ長いのとメンバーによって長さに差がある。

IXFORMメンバー

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最終順位は分からないが、オフィシャルのクレジットを見るにこの並びなのだろうか。
罗一舟(21歳/中国/耀客传媒)
唐九洲(23歳/中国/乐华娱乐)
连淮伟(23歳/中国/连淮伟工作室)
刘冠佑(19歳/中国台湾/浩瀚娱乐)
邓孝慈(23歳/中国/冉翼文化)
孙滢皓(21歳/中国/老鱼映画)
刘隽(23歳/マレーシア/個人練習生)
段星星(23歳/中国/辰星娱乐)
孙亦航(19歳/中国/原际画)

センターは罗一舟、リーダーは刘隽。平均年齢:21.67歳。
ビジュが強いうえにめちゃくちゃ踊れる人が揃っている。

デビューEP 『So Hot』

どう考えても夏にリリースする予定だったのでは…?という歌詞で色々勘ぐってしまうが、そこは爱奇艺デビューグループ、EPが出ただけでも良いのかもと思ってしまう悲しいハードルの低さがある。良い意味で期待を裏切ってガンガン新曲出してほしい。本来ならファイナルでやるはずだった曲もあるでしょうし、『Bet』のMVも早くお願いします。


熱血天然オールラウンダー王子『罗一舟(Luo Yizhou/ルオ・イージョウ)』

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■プロフィール
年齢:21歳
所属:耀客传媒
出身:中国/寧夏回族自治区銀川市
経歴:ダンサー・俳優
SNS:weibo

■順位&クラス推移
48位→19位→16位→14位→2位→2位→2位
A→A/主題歌Aクラス・センター

■パフォーマンス履歴
レベル分けテスト『Tiger』『ダンス追試
ポジション評価『英雄 Kick It』(グループ内1位)
表現評価『无乐不作
グループバトル『Stop Sugar(Team B)』(センター・グループ内1位)
練習室評価『History(Team A)』(センター)
テーマ評価『驯化者』(センター・グループ内1位)
コラボステージ『闭嘴跳舞
番外編:TOP20ファンミーティング『

幼少期から解放軍芸術学院で中国舞踊とバレエを学び、1年間軍の芸術団で活動。その後芸能の名門である北京舞踊学院・中央戯劇学院にW合格した超エリート。テコンドーの日中韓大会で優勝した経験もあるらしい。現在は中央戯劇学院で演技の勉強中で、TFBOYSの易烊千玺とは同級生で同じ寮だとか。特技は95式自動小銃の分解と組み立て。ビックリするくらいの優等生経歴の持ち主である。

目鼻立ちのくっきりした気品のある顔立ちに白い肌。眩しい笑顔に長身小顔で抜群のスタイル。初めて見たときチャイナが生み出したCGかと思いました。中国芸能界で売れる要素が詰まっている。すごい。
身体のラインが美しく、しなやかさとダイナミックさを併せ持つエレガントな踊りが武器。甘い顔立ちなのに低めの声のギャップもいい。
正統派王子様風な出で立ちに反して、性格は軍人上がりらしい礼儀正しく腰の低い人格者。そして熱血体育会系の天然。チームメイトに容赦ないストレッチをかましたり、ダンスのテクニックについて止まることなく熱く語ったり。トニーがエアリアルに興味を持つのを見とめるやいなや、ハードレッスンをスタート。罗一舟による軍隊式のスパルタ指導にわりと繊細で現代っ子のトニーはやや辟易としていた。なお本人に悪気は全くない。

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ライバルたちのステージには惜しみない拍手と賞賛を送り、目一杯リアクションする。たまにアツすぎて浮いている。熱血で体育会系で、でも優しい良いヤツなのだ。
ナイーブなトニーとは対照的に前向きでまっすぐで切り替えが早く、オーディション番組にありがちなネガティブさをカメラの前で見せなかったのが印象深い。『Stop Sugar』では高音が出せず音割れしてしまい、「外してしまったので、これからはもっと練習します」と悔やむのではなく正直に反省したり、順位発表で「つまらなくて特徴のない自分のような人間を応援してくれて感謝しています」と謙遜したり。完璧に見えてちょっとズレた天然っぷりも人を惹きつけるのかもしれない。

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隠し芸大会で射撃の腕を披露したり、たまに元軍人ムーブが出てくるのがガチである。番組の自己紹介コメントでもそのガチっぷりを発揮している。軍人からアイドルへの転身、少女漫画のヒーローみたいでエモい。

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主題歌センターを射止め、以降の視聴者投票ではトニーに次ぐ2位をキープ。熾烈な首位争いを繰り広げていた。『青春有你』シリーズには主題歌センターがそのままデビューグループのセンターになるというジンクスがあるが、「最初のセンターが最後のセンターだとは限らない」と闘志を燃やすトニーに対し、「話はステージの上でしよう」と返していたのが熱かった。

■おすすめステージ『テーマ評価 驯化者』

開始3秒で観客を射殺すパフォーマンス。ドスの効いた低い声がパワフルなトラップ楽曲と合っていてめちゃくちゃ格好いい。というかこのオリジナル曲のクオリティが異様に高くてびっくりしてしまった。なんか悪そうな王子様風衣装も良いし、絶妙にダサい謎のエクスカリバー演出にも厨二心をくすぐられました(マジであれ、なんだったのですか?)。
刘冠佑などはどんな楽曲でも自分流にこなしてみせようとするタイプだが、罗一舟はそれぞれのステージでうまくコンセプトを消化しつつ、独自の品格と清潔感を保っているように思う。

JOJOとのCPも人気で、表現評価でのパフォーマンスはとても青春していて可愛らしかった。『明日之子』シリーズかと思いました。

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今回は主題歌の練習がバディ制度になっており、CP好きな女性ファンにはたまらなかったのではなかろうか。命、助かりました。


ユーモア抜群なインテリバラドル『唐九洲(Tang Jiuzhou/タン・ジウジョウ)』

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■プロフィール
年齢:23歳
所属:乐华娱乐
出身:中国/吉林省長春市
経歴:タレント
SNS:weibo

■順位&クラス推移
3位→5位→5位→5位→5位→5位→4位
N→N/主題歌Nクラス
※Nクラスは最下位クラスの「新人班」

■パフォーマンス履歴
レベル分けテスト『Fall in Love
ポジション評価『心引力
表現評価『无乐不作
グループバトル『Stop Sugar(Team B)』
練習室評価『Cinderella(Team A)』
テーマ評価『驯化者
コラボステージ『不遗憾
番外編:TOP20ファンミーティング『沙溺

大手事務所・乐华娱乐の練習生で数々のバラエティ番組に出演するタレント。『密室大逃脫・大神版』『名侦探学院』など湖南衛視の人気頭脳バラエティの常連で、『創造営2021』に参加していた邵明明との共演も多い。メガネ担当で愛称はJOJO。愛嬌があって喋りがおもろいインテリお兄ちゃん。北京郵電大学の卒業で、かなりの高学歴でもある。

練習生歴は短くまだまだ新人の域を出ないものの、一途に努力する姿勢はとても好感が持てる。事務所はバラドルとして売っていきたかったらしいが、今後の仕事の幅を広げるために自ら頼んで歌とダンスに挑戦させてもらったとのこと。毎回気の利いたコメントを繰り出し、チームメイトを励ます時も慰め一辺倒ではなくユーモアを交えて鼓舞したり。飾らない穏やかさと爽やかな努力家っぷりが、ややギスギスしがちな番組でのオアシス的存在になっていた。

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チャーミングなボーカルステージを選ぶことが多い中、テーマ評価の『驯化者』ではメガネを封印してラップにも挑戦。難易度の高いダンスもこなして新しい一面を見せた。メンターコラボステージの『不遗憾』では、加入メンバーを決めるメンターとの面接にしっかり作り込んだ履歴書を持ち込み、さながら本物の就職面接を繰り広げていた。さすが高学歴バラドルである。

■おすすめステージ『表現評価 无乐不作』

振付やセット、衣装まで練習生自身がプロデュースするという『青春有你』史上初の試み。日本のアニメタイアップのロックバンド風というコンセプトが絶妙で笑ってしまった。"わかり"がある。この公演はどれも見応えがあったし、文化祭みたいな制作過程も面白かった。全鯖番でこの課題を取り入れてほしい。
JOJOのパフォーマンスももちろんのこと、チーム全体の統一感と多幸感溢れるステージングが素晴らしかったし、楽曲選択に至るドラマにも泣かされた。携帯メッセージ早押しによる楽曲選択を任されるものの、まさかの最下位。しかも当日はJOJOの誕生日。どんな顔をしてチームメイトの元に戻ればいいやら…と絶望するJOJOを暖かく迎え入れ、ハッピーバースデーを歌うチームメイトとの絆にもらい泣きした人も多いのでは。まさに"青春"を体現したいいステージだった。

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なおメガネを外すとめちゃくちゃモードなイケメンである。


ムードメーカーの実力派アイドル『连淮伟(Lian Huaiwei/リェン・ホワイウェイ)』

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■プロフィール
年齢:23歳
所属:连淮伟工作室
出身:中国/福建省泉州市
経歴:歌手・ダンサー
SNS:weibo抖音

■順位&クラス推移
4位→6位→6位→3位→3位→4位→3位
C→A/主題歌Aクラス

■パフォーマンス履歴
レベル分けテスト『Manta
ポジション評価『阳光彩虹小白马』(グループ内1位)
表現評価『解脫
グループバトル『Cinderella(Team A)』(センター)
練習室評価『OKAY(Team B)』(優秀練習生)
テーマ評価『Way Up 命中
コラボステージ『Kick Back
番外編:TOP20ファンミーティング『Way Up 命中

『明日之子』『青春有你』出演経験のある回鍋肉。ちなみに「回鍋肉」とは中国のアイドルオーディション番組に再挑戦する人のことで、うまいこと言ったものである。『青春有你』での最終順位は10位、惜しくもあと一歩でデビューを逃していた。
過去の番組でしっかりファンがついており、初回テストでの注目度も高かったが、満を持しての登場で披露したパフォーマンスではまさかのCクラス評価。「もっとできると期待していたのに」「アピールや必死さが足りない」と慣れたステージングが仇になっていた。

やかましいとも言えるくらいの賑やかなムードメーカーで、コメントやリアクションも面白く、ボケもツッコミもこなして番組に「使いたい」と思わせる器用さを持っている。歌って踊れて笑いもとれる、なんでもできる安定したエンターテイナー。しかしすべての能力が水準以上なのが裏目に出たのか、なかなか突出した個性を見せることができず、メンターに取り立ててコメントされることがないと悩んでいたのが印象に残った。経験豊かな回鍋肉ならではの悩みである。

■おすすめステージ『グループバトル Cinderella』

経験値と高い能力でどんな楽曲でも一定以上のパフォーマンスを叩き出すので、正直これという一押しを選びにくい。そんなところは『創造営2021』の回鍋肉・伯远を思わせる。回鍋肉のジレンマなのかもしれない。
『Cinderella』はセンターを務めたグループバトルのステージ。センターとしてのステージコントロール力と透明感のあるボーカルが素晴らしい。この公演は2チームが同じ楽曲でバトルする形式だったが、ライバルチームの相談にのり、自分の時間を割いてまで積極的にアドバイスする様子が意外だった。カメラに抜かれるとお茶目でお調子者の连淮伟を演じているが、根は真面目でプロ意識が高いのだろう。……リアコみがあります。
決してキメすぎず、ちょっと三枚目的なポジションでパフォーマンスすることが多いが、それは自分の特色をよく理解しているがゆえだと思わせる。エンタメ性の高いステージングで、見ている者を必ず楽しませてくれる。パフォーマンス外でも見ていて面白いことばかりやってくれるので、ぜひアイドルとしてバラエティにも挑戦してほしい。

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ちなみにBLACKPINKの大ファンで推しはジェニ。メンターコラボステージでリサチームに入ったことで、見事メンバーのサインを手に入れていた。抜かりないちゃっかり者である。


2.5次元ルックスの最年少全能エース『刘冠佑(Liu Guanyou/リュウ・グァンヨウ)』

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■プロフィール
年齢:19歳
所属:浩瀚娱乐
出身:中国/台湾高雄市
経歴:歌手・ダンサー・元韓国TOP Media練習生
SNS:weibo抖音

■順位&クラス推移
44位→83位→85位→32位→12位→13位→6位
B→A/主題歌Aクラス

■パフォーマンス履歴
レベル分けテスト『拥有名字那一秒
ポジション評価『阳光彩虹小白马』(センター)
表現評価『如果不是你
グループバトル『(Team A)』(グループ内1位)
練習室評価『Cinderella(Team A)』(グループ内1位・優秀練習生)
テーマ評価『驯化者
コラボステージ『Kick Back
番外編:TOP20ファンミーティング『沙溺

韓国の芸能事務所TOP Mediaの元練習生。細くて小顔な少年風のルックスはさながら2.5次元キャラクターで、日本人にもウケそうな出で立ち。テニミュにいませんでしたか?

レベル分けテストや初期ステージでは全く目立っておらず、85位から一気に順位を上げたダークホース。ダンスも歌も、どんなステージもエネルギッシュで完璧にこなすまさに"全能エース"で、ちょっと小生意気であざといマンネ感がある。
主題歌レッスンでは超高難度の振付をわずか6時間程度で習得。この短時間でこなせていたのは刘隽と刘冠佑の2人だけで、このあたりから存在が注目され始めたのではないかと思う。小さな体躯をカバーするような手足をパワフルに使ったリズム感抜群のダンスに、伸びやかでクセのない美声にも惚れ惚れしてしまう。
下積みの長い練習生生活からか、チャンスを逃すまいと必死に食らいつく姿は鬼気迫るものがあり、応援しなければと感じさせる。どのステージでも「自分色でこなしてみせよう」というチャレンジ精神を見せ、メンター陣に必ずと言っていいほど「優秀!」と言及されていた。その影響か中盤からぐんぐんと順位を伸ばしていく。

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『如果不是你』ではかわいいメガネ姿が拝めます。メガネかけると真面目そうでダサくていい。

■おすすめステージ『コラボステージ Kick Back』

ダンスはもちろん、抜群のボーカルを余すことなく堪能できるステージ。このメンバーはドリームチームで一番見応えがあった。『青春有你』シリーズはわりとダンサータイプが多く集まる傾向で、歌ウマはそこまでフィーチャーされないこともあり、両方をトップレベルでこなせる刘冠佑はひときわ目立っていたように思う。それにしてもマジで歌がうまい。

13歳から韓国で練習生生活をはじめ、何度かデビューのチャンスが巡ってくるものの様々な事情で長年叶わなかったという。順位発表のコメントでは、いつも"プランB"の存在だったと零した。それまでは負けず嫌いでやんちゃな小悪魔のイメージだったが、順位を上げて「僕はずっと、ただ誰かに僕を見つけて欲しかったんです」と切実に訴える姿は胸にくるものがあった。青3史上屈指の名スピーチです。
リサチームの最後の一席を王南钧と争い、見事選ばれた際に蹲って号泣していたのも切ない。「僕は今まで誰にも褒められたことがなかった。でもリサ先生はいつも『冠佑、いいね!』って褒めてくれました。それが僕の大きなモチベーションだったんです」と、年相応の素直なコメントがいじらしかった。今度は絶対にこのチャンスを逃さないんだという本気が痛いほど伝わってきたからこそ、デビューの切符を手に入れた努力に拍手を送りたい。
……あとは爱奇艺のデビューグループにきちんとしたグループ活動があるかなのですが……甦る悪夢。今度こそは頼む。


クールビューティービジュアル担当『邓孝慈(Deng Xiaoci/ダン・シャオツー)』

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■プロフィール
年齢:23歳
所属:冉翼文化
出身:中国/貴州省貴陽市
経歴:歌手
SNS:weibo

■順位&クラス推移
12位→8位→9位→9位→38位→29位→11位
N→N/主題歌Nクラス

■パフォーマンス履歴
レベル分けテスト『从此以后』
ポジション評価『雨爱
表現評価『解脫
グループバトル『Cinderella(Team B)』
練習室評価『(Team B)』
テーマ評価『』(グループ内1位)
コラボステージ『不遗憾
番外編:TOP20ファンミーティング『

まったくの無名ながら、レベル分けテスト登場時から「とにかく顔がいい」と持て囃されていた練習生。その高貴な美貌に反して歌やダンスがまったくダメなのが強烈な存在感を放っていた。何もかもダメなポンコツだが、顔の良さですべてを解決していくビジュアル担当。舞台の上ですら常に無表情なので、たまに見せる笑顔がオタクのご褒美である。動いていないと絵画と見紛うので不安すらおぼえる。チャイナが生み出したCGかと思ったアイドルその2です。
序盤はとにかくクールな美貌ばかりが際立っていたが、淘汰が進み人数が絞られていくにつれて、次第にその独特な(そしてポンコツな)パーソナリティーが明らかになっていったのが面白い。練習室評価の『立』では一人だけダンスに参加せず、「自身の体調を守るため」と突っ立ったまま歌うという前代未聞のパフォーマンスを見せ物議を醸していた。人を惹きつけすぎるのも罪である。
THE9のキキが「表情はjpg、動きはgif」と評していたが、言い得て妙で爆笑してしまった。

■おすすめステージ『テーマ評価 竹』

刘隽や王南钧といったレベルの高いダンサーに見劣りしないほどの進歩を見せ、なんと獲得票はチーム内最多の1位。『立』での悪評を取り戻すかのように真摯に練習に励んでいたのも記憶に残っている。
もちろんフォーカスカメラを見るとまだまだ未熟なのだが、成長っぷりは事実だし、彼のパフォーマンスをカバーしたステージングはチームメンバーの功績でもあるだろう。
エキゾチックな衣装やゴージャスなメイクが彼のパーソナリティにバッチリはまっていたことも大きかったのかもしれない。宗教画かと思いました。
エンディング妖精でアクセサリーが引っかかるトラブルも見どころです。邓孝慈、最後まで期待を裏切らない男。
デビューして豊かな表現力を身につけたら、それはそれで寂しくて泣いてしまうかもしれない。


アンドロジナスなド根性ディーバ『孙滢皓(Sun Yinghao/ソン・インハオ)』

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■プロフィール
年齢:21歳
所属:老鱼映画
出身:中国/内モンゴル自治区赤峰市
経歴:ダンサー・振付師・モデル
SNS:weibo抖音

■順位&クラス推移
29位→12位→11位→11位→6位→6位→5位
A→A/主題歌Aクラス

■パフォーマンス履歴
レベル分けテスト『Tiger』『ダンス追試
ポジション評価『新物种
表現評価『谁是MVP
グループバトル『OKAY(Team A)』(センター・グループ内1位)
練習室評価『Stop Sugar(Team A)』
テーマ評価『Way Up 命中
コラボステージ『闭嘴跳舞
番外編:TOP20ファンミーティング『Way Up 命中

10頭身と見紛う抜群のスタイルで、どんな衣装も着こなすファッショニスタ。さながら歩くパリコレ。メイク動画が人気のビデオブロガーでもある。『明日之子 水晶时代』の振付や、数々のアイドルのバックダンサーを務めた経歴を持つ。
モデル体型に美少女フェイス、長髪のヘアスタイルが個性的。アーティな雰囲気なのに内モンゴル訛りがめちゃくちゃギャップがあってかわいい。セクシーとキュートを併せ持つギャルである。

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孙滢皓が歩けばそこはランウェイ。どんな服もハイブランドに見える。

中性的な見た目やヘアスタイルのせいでいじめられた経験があり、『新物种』では「自分の存在こそが新物种(新種)だと思う!」と果敢にセンターに立候補。どんな怪我をしようが鬼の根性で舞台に立つ。見た目によらずスパルタな負けず嫌いで、自分にも他人にもめちゃくちゃ厳しく、チームメイトとぶつかる場面もしばしばあった。中学卒業後すぐにダンサーとして働き出したらしく、長い下積み経験に裏打ちされたプロ根性がゆえなのだろう。
歌は決して上手いというわけではないのだが、ちょっとクセのある声をしていて、それがグループのパフォーマンスでアクセントになっている。

初回テストで十七のリリックに共感して涙を流したり、『新物种』のチームメンバー应晨熙が1票しか獲得できず落胆していた姿に「みんなそれぞれ好みは違う。君のことを好きになる人はいつか必ず現れる」と声をかけたり、主題歌練習パートナーの常华森のメッセージに泣いてしまったり、お楽しみ会の罗一舟の創作ダンスに共感して泣いたり……結構よく泣く。感受性が豊かなんだろうなあという印象。優しいギャル、最高です。

■おすすめステージ『グループバトル OKAY』

蠱惑的でディーバ感満載。長い手足とキュートな顔立ち、ルックスを存分に活かしたセクシーなステージ。見ている者を惹きつける抜群の表情管理に、とにかくダンスが好き!というピュアな気持ちが伝わってくる天性のパフォーマー。「初めてセンターに選ばれたの!」とテンションMAXではしゃぐさまはマジでギャルで可愛かった。
個性を貫き、どんなステージも自分色に染め上げるオリジナリティと泥臭いまでのプロ根性。アイドルとしてよりも、女性ファンのロールモデルとして憧れる存在に映ったのかもしれない。そんなあり方もまた新しい時代のアイドル像にふさわしいと思う。


踊る哲学者アーティスト『刘隽(Liu Jun/リュウ・ジュン)』

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■プロフィール
年齢:23歳
所属:個人練習生
出身:マレーシア/ヌグリ・スンビラン州スレンバン市
経歴:ダンサー・振付師・武術家/『少年之名』ダンス講師
SNS:weiboInstagram抖音

■順位&クラス推移
7位→9位→8位→8位→8位→9位→12位
A→A/主題歌Aクラス

■パフォーマンス履歴
レベル分けテスト『负重一万斤长大』※日本語字幕
ポジション評価『新物种』(センター・グループ内1位・ダンス総合1位)
表現評価『
グループバトル『History(Team B)』
練習室評価『偷偷(Team A)』(センター・優秀練習生)
テーマ評価『』(センター)
コラボステージ『Kick Back
番外編:TOP20ファンミーティング『

『創造営2021』でデビューした力丸と同じ韓国の1 MILLION DANCE STUDIOの最年少講師で、数々のダンス番組に出演。有名アーティストの振付も多数で、前年の『少年之名』ではダンス講師を務めたほど。さらにダンスだけでなく、武術でもマレーシア代表としてアジア大会で銀メダルを獲得した実績があるらしい。神、二物以上与えている。
既に華々しいキャリアなのになぜ参加?と疑問だったが、「みんなで何かを作り上げる感覚が好きだし、友達と一緒に学校みたいに過ごしたかったから」というからいじらしい。天才とは孤独なものなのかもしれない。
武術出身らしく体幹がしっかりしていて、剛柔併せ持つ艶やかさに完璧なコントロール力。長い腕とずば抜けた表現力を駆使したダンス。彼が踊ると"ステージ"ではなく"アート作品"になる。どんなジャンルもお手本のようにクリーンで正確にこなし、チームメイトにも細かくレッスンをつけ底上げをはかる。新課題の表現評価では振付師の本領を発揮し、哲学的なテーマで大人数のステージをまとめ上げていた。

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「泥から出で、それでも汚れぬ1本の白蓮」(哲学)。なるほど。
ちなみに練習室版の方が圧倒的にカメラワークがよく、振付の全体像がわかりやすい。すべてのメンバーにハイライトが作られている傑作だと思う。

切れ長の目元に幼い顔立ちはミステリアスな色気があって、鋭い感性でダークで耽美なコンセプトをこなすのが抜群に上手い。なんか萩尾望都作品にいそうな少年像。ステージでは退廃的な雰囲気、ステージを下りれば小学生のような無邪気さで、練習生間でのあだ名は『隽隽ちゃん』。まさにギャップ萌えというやつである。反差萌、これは刘隽のおかげで覚えた中国語です。

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梁森や亿轩、姜京佐のような大人っぽい練習生と絡む時は弟弟感(彼女感ともいう)満載だったが、主題歌練習パートナーのトニーと一緒の時は兄のようで、その関係性がとても微笑ましかった。歌も踊りも覚えるのが遅いと泣くトニーの練習に深夜まで付き合い、一緒にAクラスを獲得して心底嬉しそうだった姿は、彼の番組参加理由を思い起こさせた。
3回目の順位発表ではデビュー圏内落ちの12位。彼に助けられた練習生たちが皆で駆け寄って励ましていたのが印象的。トニーが「刘隽が"もしデビューできなかったら、みんなの振付師になるよ"って言ってたけど、僕は刘隽には一緒にデビューして欲しいんです。振付師にはなって欲しくないんです」と号泣して抱きつくさまにはもらい泣きしてしまった。「きっと大丈夫だよ」と優しくハグし返す刘隽も良かった。まあ、その後の流れはお察しなのですが……
……トニーの話になってしまった。悲しい。

■おすすめステージ『グループバトル History』

欲望に忠実に好きなスタイリングで『History』。でも刘隽のステージはどれも優勝しているので全部見てください。
それまではデカダンスを体現したような存在で、独創的なステージでこそ本領を発揮するアーティストタイプなのかと思っていたが、アイドルらしいスタイルもこなせることを証明してみせた。少年のような甘い歌声もユニークでいい。「この曲に求められるのは今時っぽい、"デビュー済み"のボーイズグループの雰囲気」というプロデュースもさすがで、チームとしてのパフォーマンスの完成度も最も高かったように思う。

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常に完璧で隙を見せない"刘老師"だったから、『竹』公演の前に父親を亡くし、票数を伸ばせなかったことに「自分は中国で時間を無駄にしたんじゃないか。マレーシアに帰ってパパのそばにいるべきだったんじゃないか」と涙を流す姿は痛々しかった。リサが自分の経験をシェアし、「戦士のようだ」と励ますシーンはぜひ見てほしい。

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こんなスタイリング昇華できるアイドルおる??
正直、刘隽はアイドルというよりアーティスト、クリエイターだと感じていた。両者は近しいようで遠い。けれど果敢に新しい世界にチャレンジする姿勢はリサが言うようにまさに戦士だと思う。今はほんまにアイドルになってくれて感謝しかございません。謝謝。


エキゾチックな個性派ダンサー『段星星(Duan Xingxing/ドゥアン・シンシン)

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■プロフィール
年齢:23歳
所属:辰星娱乐
出身:中国/貴州省凱里市
経歴:ダンサー
SNS:weibo抖音

■順位&クラス推移
95位→23位→21位→18位→10位→7位→8位
A→A/主題歌Aクラス

■パフォーマンス履歴
レベル分けテスト『Tiger』『ダンス追試
ポジション評価『阳光彩虹小白马
表現評価『
グループバトル『(Team A)』(センター)
練習室評価『Cinderella(Team B)』(センター)
テーマ評価『沙溺』(センター・グループ内1位)
コラボステージ『Kick Back
番外編:TOP20ファンミーティング『沙溺

BLACKPINKリサ先生の本年度のオキニ(なお昨年度は陆柯燃)。リサ先生のオキニは必ずデビュー組インするジンクスができつつある。『这!就是街舞3』にも出演したダンサーで、ワイルドな顔立ちがセクシーなのに性格はマイペースな不思議ちゃんキャラ。強めのルックスに反してややシャイなところがなかなかキュートで女性ファンの心をくすぐる。カメラに抜かれた時の美丈夫っぷりは、こちらも少女漫画のヒーローさながらである。

ストリートダンスが専門で、レベル分けテストでは見事Aクラスを獲得。ポジション評価の第1回公演はAクラスが課題曲を選び、チームメンバーを指名する形式。ダンス曲の『阳光彩虹小白马』を選択し、キュートなパフォーマンスを披露するも、Aクラスなのにまさかの獲得票ゼロでチーム最下位。これにはリサも「なんで〜?彼わたしのお気に入りなのに〜!」と理解に苦しんでいた。でも正直言ってそのエキゾチックなスタイルにはイマイチ合っていなかったように思う。
『青春有你』シリーズは練習生が自らのチームメンバーを選ぶ形式のステージも多く、たまに謎コンセプトに巻き込まれて事故る練習生も散見されるのだが、段星星の場合は自爆したようなものかもしれない。いや本当に、なぜその曲を選んだのか……?君は『Kick It』では…?未だに謎である。

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主題歌練習パートナーやグループバトルなど、刘冠佑との本当の兄弟のような関係性も良かった。やりたい放題の弟と、やんちゃな弟に手を焼くお兄さんのようで、視聴者が2人のバトルをリクエストしたのも頷ける。
決して自分本位では動かないバランサーで、縁の下の力持ちのような存在。リーダーシップ抜群のみんなのお兄さんという風情だが、どことなく苦労人の雰囲気を漂わせる。2度ほど胃痛で搬送されたというから、なんというか見た目によらず繊細そうである。その不憫さも魅力なのですが……

■おすすめステージ『テーマ評価 沙溺』

センターとリードシンガーを務めたステージ。エキゾチックなルックスがムーディーな楽曲にハマっていたし、セクシーな歌声も切ない歌詞にマッチしていた。何よりびっくりするくらい顔がいい。やや場末のホストクラブみたいな演出でも、顔がいいので説得力がある。
『Cinderella』しかり、段星星にはちょっとトレンディなパフォーマンスが似合う気がする。事務所に所属するまでボーカルレッスンを受けたことがないとは思えないほど、聞き取りやすく綺麗な歌声をしている。『立』もアグレッシブなパフォーマンスがとても合っていてよかった(衣装以外は)。
なお、ファンミーティング版『沙溺』には弟分の刘冠佑も参加しているので、ぜひ兄弟共演のセクシーステージも見ていただきたい。


クールな芸能エリート優等生『孙亦航(Sun Yihang/ソン・イーハン)』

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■プロフィール
年齢:19歳
所属:原际画
出身:中国/重慶市
経歴:歌手・ダンサー・俳優・元TF家族練習生
SNS:weibo抖音

■順位&クラス推移
5位→7位→7位→7位→4位→3位→7位
B→A/主題歌Aクラス

■パフォーマンス履歴
レベル分けテスト『Alive』『ダンス追試
ポジション評価『阳光彩虹小白马
表現評価『别认怂』(センター)
グループバトル『History(Team A)』(センター)
練習室評価『OKAY(Team A)』
テーマ評価『Way Up 命中
コラボステージ『闭嘴跳舞
番外編:TOP20ファンミーティング『Way Up 命中

中国アイドルのパイオニア・TF家族の元練習生で、その後は原际画に移籍。易安音乐社というグループではINTO1の林墨と同期。TF家族はジャニーズ形式の育成スタイルをいち早く取り入れた超有名事務所で、そこから分派した原际画もアイドルファンの中では名高い事務所である。
すでに長く芸能界で活動していて固定ファンも多く、アドバンテージとしては申し分ない。初登場時の注目度も高かった。

とにかく生真面目でクールな優等生。有名事務所出身というプレッシャーが大きかったのか、番組初期は周囲に一線を引いて気を張っている姿にハラハラさせられた。小さな少年が強がっているようで、もしかしたらそんな危うさもファンを魅了していたのかもしれない。
番組中盤で10歳近く年上の練習生・草鱼に気にかけてもらうようになってからは、心を開いたのか固かった表情も解れるように。時たま見せる年相応の笑顔にホッとしてしまった。トニーしかり刘冠佑しかり孙亦航しかり、練習生たちが番組内で見せるブラザーフッドもオーディション番組の魅力のひとつだと思う。

■おすすめステージ『テーマ評価 Way Up 命中』

それまではダンス能力がフォーカスされることが多く、かつお行儀がよすぎてこじんまり纏まりがちな印象だったが、『Way Up』で見せたラップはそれまでの優等生なイメージを打ち破る大胆で新しい魅力だった。と同時に、改めてオールラウンダーっぷりを見せつけてもくれた。

原际画は何洛洛に林墨、孙亦航と、オーディション番組に送り込む練習生を確実にデビューさせている。もともとのファンベースが強固なこともあるが、やはり幼少期から着実に練習を重ねて身につけた育成系ならではの実力なのだろう。
先日『原际画が何洛洛に林墨、孙亦航を送り出したことは、育成系事務所の失敗を意味するのか?』というちょっと面白い記事が出ていた。オーディション番組が規制されたことで、この先ボーイズグループ事情がどう変わっていくのかにも注目したい。


おまけ『余景天(Yu Jingtian/ユー・ジンティエン)』

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■プロフィール
年齢:18歳
所属:星宇愔乐
出身:中国/四川省成都市
経歴:歌手・ダンサー・俳優
SNS:weiboInstagram

■順位&クラス推移
2位→1位→1位→1位→1位→1位→1位
A→A/主題歌Aクラス

■パフォーマンス履歴
レベル分けテスト『Uranus
ポジション評価『英雄 Kick It』(センター)
表現評価『如果不是你
グループバトル『OKAY(Team A)』
練習室評価『History(Team B)』(センター)
テーマ評価『Way Up 命中
コラボステージ『闭嘴跳舞
番外編:TOP20ファンミーティング『Way Up 命中

IXFORMメンバーのまとめと言いつつ、やっぱりトニーについて書いておきたい。
ファイナル直前に番組を辞退するまで1位をキープし続けていたエース。カナダ育ちで愛称はトニー。韓国の『PRODUCE X 101』でファイナルに進出した唯一の外国人で、今回の番組で最も注目されていた練習生と言える(ちなみにこの時一緒に『PRODUCE X 101』に参加していたのが『創造営2021』の魏子越)。ファイナルまで罗一舟と熾烈なトップ争いを繰り広げ、番組を盛り上げた。
経緯は割愛するが、何事もなければきっとセンターとしてデビューしていたのではないだろうか。

■おすすめステージ『ポジション評価 英雄 Kick It』

足を怪我していたとは思えないほどの気迫のステージ。今思えばその後1・2を争うことになるトニーと罗一舟が初回公演で共演していたのが感慨深い。個人的には練習室評価『History(Team B)』も彼のアイドルっぷりが発揮されていてとても好きなのだが、メンター陣には「トニーだけが目立っていてトニー&バックダンサーになっている」と酷評されていた。最初で最後になってしまったセンター版の『We Rock』も良い。

自信がなく泣き虫で繊細な性格とは反対に、ステージに上がれば頭抜けた華やかさと表情管理、スタイリッシュなパフォーマンスで万人の目を惹きつける。まさに『Born to be アイドル』。オンオフの変貌っぷりは驚愕するほどで、そんなギャップがまた魅力的だった。1位の重圧に悩む様子も年相応で、つい応援したくなってしまう健気さがある。比べるのもよくないが、同時期の『創造営2021』のトップ刘宇が完璧主義のセンターだったこともあって、全くカラーが違うのも良かった。
一生懸命で笑顔がキラキラしていて、推していなくても「ボーイズグループのアイドルとはまさにトニーのような人をいうのだろう」と思わせる存在だったから、彼の辞退は本当に残念だったし、この若さであんな不当なバッシングを受けて夢半ばで番組を去らなければならなかった辛さを思うと胸が痛む。
ステージでの華と輝きと求心力は持って生まれた才能だと思うので、やっぱりアイドルしているトニーが見たい。彼がステージに戻ってきてくれる日を心待ちにしている。


『青春有你』シリーズは公演ごとに得票数が練習生に開示されたり、練習生同士でメンバーを選ばせたり、チームから外すメンバーを投票させたり、同じ曲で競わせたり、バトルさせる練習生同士を視聴者投票で選んだり……と、例年なかなか練習生にも視聴者にもプレッシャーを与える番組システムなのだが、今年は『創造営』が伸び伸びとした国際交流バラエティにシフトしたこともあって、よりそのストイックさと過酷さが際立っていたように思う。前代未聞の結果に終わってしまったが、異常とも思えるくらい怪我人や病人が続出していたし、抑圧された世情も番組評価に影響したのかもしれない。それでもどのパフォーマンスも見応えがあったし、夢を追うアイドル練習生たちの青春はキラキラしていた。
中国のアイドルオーディション番組で頻出する『看到你』『看到我』はいい言葉だなと思う。「数多の練習生の中から、いくつものステージから、やっとあなたを見つけた」「長い下積みを経て、たくさんの試練を乗り越えて、やっとあなたの目に入った、あなたに見てもらえた」そこには言葉で言い尽くせない、努力と汗と涙と青春が隠れている。

個人的には『創造営2021』『青春有你3』と、男性版の中国プデュを途中落とさず完走できたのが初だったので、いろいろ学びになることが多かったし、同時期がゆえに見比べられたのも面白かった。
ちなみに『青春有你3』の1 Pickは刘隽、推しは罗一舟に姜京佐。中国舞踊や武術に弱い。弟にしたい練習生は牛在在です。

ところでもうすでに鯖番ロスを発症しているのですが、本当に今後やらないんですか?


※画像・映像出典

iQIYI
weibo :爱奇艺青春有你IXFORM
youtube:iQIYI 爱奇艺腾讯音乐娱乐频道

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